この性情と関連して誤解を払拭する必要がある。目下、韓国では以前、文が「共産主義者」呼ばわりされたことで裁判が行われている。
今回の大統領選挙でも保守系の候補者たちは、リードしていた文を「赤」と色づけて得点を稼ごうとした。
しかし、文在寅を「赤い」共産主義者とか社会主義者と片付けることには無理がある。
まず、本人が否定している。文が代表する無数の利益集団の価値志向が、おおむねリベラルないし社会主義であることは間違いない。だが、文本人は、「選良のリベラルと既得権を守る腐った左派」を区別しようとする。
「運動圏のエリート主義と既得権カルテル」を非難する文の価値観は、大統領としての人事に現れている。
国務総理に指名した李洛淵 (イ・ナグヨン)は、リベラル系の政治家になる前に21年間保守系の大手日刊紙『東亜日報』に勤めていた。
むしろ、文の批判を受ける左派の人々は、彼の融通がきかない姿勢や態度を嫌っている。文を「反米、反日、親中、親北」と性格づけることは軽率な態度である。
政治家文在寅を嫌う人々にとって、そうした片付け方は満足感を感じるかもしれないが、政策の読みと予測において誤算を犯すこととなろう。
現代ビジネス からの引用記事
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