この道 最終章
40年後の初夏。 及川由紀子は孫のサトの晴れ着を買いに新宿の雑踏を歩く。 夫の悟はデパー...
この道 その6
当て所ない考えを巡らす由紀子は、自分に向けられた熱い視線に気づいていなかった。 見つ...
この道 その5
店の客は少なかったが、暖気が優しく由紀子を包んでくれた。 「この道」は簡素な作りの珈琲...
この道 その4
由紀子が愕然としたのは、その時浩二が当然の様にニッコリした事である。 「ご苦労様」とま...
この道 その3
「アカシア」のロールキャベツはトロリと口に溶けて、かすかに甘く感じた。 弥と涼子は旺盛...
この道 その2
浩二は一人前を歩いていく。 後ろで見つめる由紀子を充分意識しながら、休むのに適当な店を...
この道 その1
70年代初頭の新宿東口近くに、「この道」という喫茶店と「アカシア」という洋食店があった...
東京オリンピック、1964。
1964年(昭和39年)の東京オリンピックは、半世紀以上経った今も私の記憶に生々しく残っている...
冤罪
松本清張のヒット作の一つに『霧の旗』がある。 してもいない罪に陥れられて無念の中で死ん...
松本清張 『砂の器』 続き
閑話休題、松本清張の数多い名作の中で私の一押しは『砂の器』である。 不自然さが全くな...