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読書の森

岩村暢子『日本人には二種類いる』



二種類の日本人と聞くと、もっと高尚な説を想像する。
ところが、著者の見方は単純明快である。
1950年代までに生まれた人間と1960年代以降に生まれた人間では、明らかに大きな相違があると言うだけだ。

著者自身は1953年生まれ、キューピー(株)顧問をして、食に関して一家言を持つ女性である。

それにしても、1959年生まれと1960年生まれのどこに差があるのか?
1960年代以降にもバブル経験者と知らない若者で差があるのではないか?
当然の疑問が出るだろう。

こじつけに過ぎないし、意味が無いと専門家から無視される本の一冊になり兼ねない。



しかし、私は言いたい事を代弁して貰った気がした。

明らかに1960年という大事件もなかった年を境に、日本の子育ては飛躍的変化を遂げた。
そして、この後生まれた日本人の物の見方や考え方がそれ以前とかなり異なる様になったのだ。


私はその原因は人工化と都市化が進んだ為と考える。
彼らは、以前の子どもが出来なかった文化の恩恵にどっぷり浸った状態で育ってるのだ。

1960年に水道がほぼ全過程に普及した。食生活は進化を始める。
そしてここから、子どもの教育環境がまるで違ってくる。
すし詰め学級は無くなり、テレビが全家庭に普及した。
2人用の机から1人用の机に変わる。
集団の時代から個の時代に変化した。


母乳から粉ミルクへ、自宅分娩から産院へ、一家揃っての団欒からインスタント食品へ、高度成長の最も成熟した昭和45年を境に、生まれる子の親の家庭への認識が一変した。
その後一貫として子育てのあり方は変化がないようである。


明らかに1950年代以前の環境より豊かであるにも拘らず、子育ては面倒で金がかかると見られている。

勝手ながら私個人の思い出も交えて、何故この世代間の断絶が生まれたか、考えたい。

読んで下さり、ポチッと押していただければ感謝です❣️ 

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