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読書の森

司馬遼太郎『戦国の女たち』

司馬遼太郎の作品を読むのは私にとって初体験です。
知識人、作家、それも男性の読者が多い人で、一度読んでみたいとは思ってましたが、食わず嫌いと言うか抵抗がありました。
抵抗する一番の理由というのは、男性目線で歴史を観る人というイメージがあるからです。彼の作品の欠点を言えば、女性が書けていないことだという批評家もあります。
女性に優しい山本周五郎、藤沢周平、の作品の愛読者としては「どうも」と思っていたのです。
 
一方、昨日の高島嘉右衛門に魅せられたように、私かなり昔風の「快男児」と言われる人に弱いのです。
満州に憧れ、果てしない大陸で大志を抱くような(これはかなり時代錯誤で、日本人が満州への野心を持ったばっかりに慢心し悲惨な運命に陥ったことは承知してます。それでもなお)野心家の男性が好きでございます。
 
そこで、大河ドラマでお馴染みの本格的歴史小説家、司馬遼太郎に挑戦してみることにいたしました。
 

そこで、図書館で司馬遼太郎作品を借りてきました。
ただし、『戦国の女性たち』、これじゃあ歴史ものに挑戦する本来の目的から外れていますが、それでも一応彼の作品であります。
一読してその面白さに驚いてしまいました。しみじみと、とはほど遠いワクワクしてくる楽しさです。
 
戦国を生きた有名無名の女性たちのエピソード(フィクションですよ)が生き生きと描かれて一気に読めます。
ただ美しいだけではない、出自のみを誇る訳でもない、それぞれに戦国を生きる心意気を持った女性ばかりです。
なよなよと弱い女性は皆無なのですが、なぜか皆表舞台に立つ人ではないのです。彼女たちが愛するもしくは関わる男性が、この女性によって、戦国の表舞台で活躍する、という筋書きであります。


どんなに勇猛であろうとも、男たちは、女性を女性としてしか見ていません。
それをとっくに承知で、したたかに戦国の女性は生きて愛していくのです。
 
太古の昔は卑弥呼という女性の支配者がいらしたようですが、諸外国に比べ日本女性は愛する男性の栄達を幸せと受け止める方が殆どに思えます。
実は私めも内心そう思っております、、、。(独身のくせに)
ただし、ですね、男性と女性の能力差なんて全くないと思ってますよ。なぜなら家系で女性の方がずっと優秀だったからです。
それでも役割分担した方が仕事自体は効率的にいくと考えてます。女性が上でもいっこうに構いませんけど。
 
今や同性婚禁止が憲法違反と裁判所で認められる世の中となりました。
夫婦別姓、ジェンダーについても問われております。
世の流れは最早、「男を立てる女」なんて見方はとっくに捨て去っております。
自由になる流れはとても良いことだと思います。
 
まあ、それにしても男女の性の差(体の構造の違いからではないか)というものはあるようですね、一夫多妻という言葉はよく聞きますが、一妻多夫という言葉はあまり聞きません。ここら辺が男性と女性の一番相いれないところなのでしょう。
なんて一応私は、年取ってますので分かった振りをしております。
 
花の写真、上はポピュラーな雪柳、下が柊南天です。
この柊南天の花は鮮やかな黄色でとても可愛いらしいのですが、花言葉は「激情」なんですって。つまりすっごい愛情だそうです。柊の葉のとげとげした形状からつけられたそうですが、可愛い花も怖い花言葉を持っているのですね。
 
 
 
 

読んでいただき心から感謝します。 宜しければポツンと押して下さいませ❣️

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