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読書の森

笹沢左保『赦免花は散った』

有り難き読者の方々、お元気でらっしゃいますか。
このところの私、止せばいいのに恥ずかしいブログばかり載せて(自己嫌悪の穴に籠って)ご無沙汰しておりました。
一応体は元気ですので、暫く書かないと欲求不満の虫が襲ってたまりません。

という事で又書いてしまいました。
今日は、又も時代小説の読後感想です。
1970年代に大ヒットしたTV番組の「木枯し紋次郎」ご存知ですか?
目立つ程の長い楊枝をくわえていてそれが様になる格好いい渡世人木枯し紋次郎。
命をかけて悪人をやっつけた後に、さりげなく「あっしには関わりねえ事でございます」という殺し文句を残して、どこかへ去っていくのが常でした。

この『赦免花は散った』はこの紋次郎デビューの作品であります。
恩義の為に他人の罪を被って、三宅島に流された紋次郎。
痩せた土地の過酷な流刑地で、放たれた罪人は飢えて無法地帯の様相を呈しています。


この島を出るには、長い刑期を終えるか、恩赦が下る日を待たねばなりません。
蘇鉄の花が赤く咲くと必ずその年の秋にご赦免船がやってくる。
蘇鉄の花は赦免花と呼ばれていました。
流人はこの赦免花の咲く事に、切ない望みを繋ぐのです。



紋次郎はふとしたきっかけから、自分が嵌められた事に気づきます。偽の恩義を名目に、自分の犯した罪を全て紋次郎に被せ、最終的に闇に葬るつもりだった事が明らかになったのです。

そこに出た島抜けの話、紋次郎も加わって天保の地震の夜、騒ぎに乗じた一行は小さな漁船に乗って溶岩の流れる島を逃れるのです。

さて、無事に島抜け出来るのでしょうかね?戻れたとしても、その後どうなるのでしょうか。

「笹沢左保かあ、ちょっとエロの大衆小説かね」などと馬鹿にしてた私、読み出したら面白くて一気に読んでしまいました。
かなりシビアなお話ですが、語り口の上手さに、それこそ過酷な現実を忘れて引き込まれてしまいます。


今日、牛蒡と人参のキンピラを作りました。
牛蒡のささがきが面倒な向きには、冷凍野菜があります。
味はちょっと落ちますが、簡単に好きな味付けで作れますよ。



それにしても、コロナ殿のご赦免状今年のいつかに下りませんでしょうか( ´∀`)


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