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読書の森

恋愛小説


「秘すれば花なり 秘せずば花なるべからず」世阿弥

世阿弥は恋についてのみ語ったとは思いませんが、私は秘してこそ恋は花となると思います。

「ほどほどに愛しなさい。長つづきのする恋は、そういう恋だよ」シェイクスピア
は全くその通りだと思います。

ところで、私60代になるまで実質が伴わない恋ばかりしてきて、60代になってやっと実になるかな(恋人と言えるものを私も持てるかな)と浮かれた事があります。
なにせ実現の可能性がある恋は初めてですので、かなり目立つ感じになってしまったらしいです。
ネットの悪戯のお陰で(お互いネット初心者の為)恋はやがて周りの知るところとなり、実質の伴わないまま哀れ悲恋に終わりました。

そこで「秘する恋」「ほどほどの恋」の名言が身に沁みるのです。

実らぬ恋の苦しみを紛らす為に、このブログを始めたころ、やたら創作ブログを書いてました。
後から後から妄想が湧いて、有りもしない出来事が書けるのが嘘の様でした。

恋愛小説で夢の新人賞など取れたら、本当に最後の花になるかしら、と本気で思った時があります。おまけに少なからぬ賞金がもらえますしね。

ちょっと以前、恋愛小説の名手と言えばいかにもそれに相応しい美貌の小池真理子さんの名前があがりました。

彼女は当ブログに『死の島』を載せていた頃、ご主人が死の床にいらしたのです。

今、彼女に若い日の恋をテーマに物語を書いて下さいなどという依頼があれば、かなり酷な話になるのかとも思ってしまいます。

時の流れは実に残酷なものです。

小説を書くのに必ずしも実体験は必要ありませんが、恋愛小説には勢いが必要の様です。

現実に、しみじみと落ち着いた日常生活を送っているのはとても幸せな事でしょうが、恋は描き難いでしょうね。

『浮雲』のごとく男と女が流れていく恋を描くのはちょっと無理になってしまいました。

コロナ禍の中でこんなお気楽な話していいものかと思いますが、お許し下さいませ。


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