週刊誌の記事を丸ごと信じてしまうと、それも又怖いものがあると最近思うようになりました。しかし、S様の息子さんの例の写真を見たいという野次馬根性が抑えきれずに週刊文春を買ってしまいました。
写真はTVなどで報道したのと同じ、かなり「うふぁー」という感じではありましたが、どうも他にかの人の写真もなく、おそらく実物を見てもそれと分からないでしょうね。
それとは別に聖子様のセクハラ現場の写真があって仰天、国会での答弁やキャリアとの格差に、思わずがっかりしてしまいました(私、この人のオリンピックで見せた根性とか国会での受け答え好きだったんですが)。
写真とは恐ろしいものであります。その瞬間が映し出される事によって、立派だったイメージがモロモロと崩れていくのですから。
気を取り直して、本文をパラパラ読んでます。週刊誌の良いところはどこからでも気軽に手軽に読めて、それなりに楽しめるところです。活字世代の(特におじさんの)娯楽です。
先日紹介した伊集院静の人生相談コラムは、今週も面白く読めました。どれほどの事であろうと、物凄く深刻な悩みとして受け止めず、さりとてオチョクル訳でなく、ユーモアたっぷりの回答を出すところが伊集院さんの本領でありましょう。
今回私が注目したのは、43歳のシングルマザーの会社員の悩みです。女手一つで育て上げた可愛い可愛い息子に彼女が出来ちゃったとか。ショックで「胸がふさがってご飯も食べられない」お母さん、「この現実をどう受けいれられるでしょう?」という質問です。
この悩み自体を「へえええ!」と驚く方がいるかも知れません。「大げさ」と顔を顰める人もいるかも知れません。
若い日の私は、独り立ちできない息子依存の母親と眉をしかめたと思います。
でも同じ境遇に絶対なれない今、皮肉なことにこのお母さんの気持ちを理解する事が出来ます。
43歳のシングルマザーって女ざかりです、その息子が恋人ができる年ごろというのは、若くして生んだ子供なんでしょうね。親子二人でしっかり連帯して人生の荒波を乗り越えてきて、生活も安定してきてほっとした時、息子が自分から離れていくなんて「嫌だあ!何の為に苦労してきたのか」といったところでしょうか。想像力たくましすぎの推理ですけど。
「息子は彼女を私に紹介しようとするが、今の状態ではとても会えません」という母親に伊集院さんは答えます。
「イチャイチャしてる姿を見てしまおうものなら、とても平常心でいられないんでしょう?そうなのだったら、お母さん、あなたはその息子に気持ちを打ち明けて、二人から離れて生きることです」
常識に捉われない驚きの回答でありました。人の愛憎の念を熟知して、かつ非常に敏感な感性を持った伊集院さんならではの推測です。
ただ、私が思うに実際の親子夫婦の関係は経済的な問題が大きく絡んできます。
潔く母親に身を引かれたら、母の方も息子の方も生活設計が大いに狂ってしまうかも知れません。
と言っても、まだ43歳の自立した女性、息子に恋人が出来た事が、本当の意味での自分の人生をスタートさせる好機ではないかと私には思えます。