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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

宇野亞喜良展 刈谷市美術館11月9まで

2024年10月28日 | 【美術鑑賞・イベント】
 
今回の美術展レビューは、刈谷市美術館で開催されている「宇野亞喜良展」です。
 

日本を代表するイラストレーター、グラフィックデザイナーのひとり宇野亞喜良(うのあきら)1934年に愛知県で生まれた御年90才になるレジェンドデザイナーです。宇野さんの妖艶かつ愛らしい女性像を目にした方も多いと思いますが、今やコンピューターグラフィック全盛の時代にあって、1960年代から1970年代のイラスト、グラフィックの世界は、手描き作品が多く当時のデザイナーは個性的で卓越した技術を持っていました。

なかでの宇野氏のイラストレーションは常に進化をし、その時代の流行の先端にマッチした斬新な作品ばかりです。そんな氏の片鱗を感じる幼少時代から作品から現在にいたる作品が一堂に介する全貌展が地元で開催されることはとても誇らしいです。

また、その作品は多岐にわたり、イラストレーションの原画や、ポスター、絵本、書籍、アニメーション映画に絵画や舞台美術など、どの作品も魅力的で宇野カラーがにじみ出ています。デザイナーを志す若者たちやファッションやカルチャー好きの方にも十二分に楽しめる展覧会となっています。

11月3日の文化の日には20時まで開館を延長してナイト☆ミュージアムが開館されますので、秋の夜長にふさわしい宇野亞喜良の世界を楽しんでみてはどうでしょう。

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映画 ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ:賛否両論の意欲作

2024年10月24日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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今回は、ジョーカーの続編「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」のレビューです。

賛否両論となった本作。ジョーカーの続編としてトッド・フィリップス監督と主演のホアキン・フェニックスが再タッグを組み、ジョーカーが出会う謎の女リー役でレディー・ガガが参加して服役した悪のヒーロージョーカー、アーサーと彼に恋い焦がれる謎の女性リーと恋愛模様を描いている内容です。

と、簡単に言うとDCコミックのカリスマ、ジョーカーファンにとってはふざけた作品で更にミュージカル手法で、こき下ろしたと批判の真っただ中にさらし、更には前作で世界を席巻し最高傑作と言わしめたコアな映画ファンの怒りも買ったことで批判の渦に晒されました。

当初期待を持っていち早く鑑賞するつもりが数々の否定派のレビューにより、心が折れかけたのは事実で今回のレビューとなりました。

僕の結論としては、前作には及ばないもののフィリップス監督の実験的ミュージカル手法は決して嫌いではありません。リーとの愛の妄想に浸る世界をホアキンはジョーカーとして演じているし、郷愁を誘うナンバーの詩を観ながらジョーカーとアーサーの真実の顔を浮かんできました。ガガが演じたリーをジョーカーのDCでの恋人ハーレークインと重ねるにはいささか軽率だと思うし、フィリップの描きたかったのは最愛の女性リーと出会ったことで強さの象徴としてのジョーカーを演じるアーサーの本当の自分を描きたかったのでは思います。

そしてラストでは運命的な結末を迎えます。前作と本作は明らかにジョーカーと言う稀代のダークヒーローの姿を借りたアーサーの物語であることは間違いないです。だからこそ、ホアキン・フェニックスが光っていると感じます。

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映画 初恋:新しい初恋の行方

2024年10月17日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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今回の映画レビューは、ネットフリックスで配信の2020年公開作品で三池崇史監督、窪田正孝主演のバイオレンス恋愛ドラマ「初恋」です。

今回の作品2019年にカンヌやトロントなどの数多くの映画祭で絶賛され、2020年に逆輸入のかたちで公開されたのですが、見逃していたことを今頃になって思い出しました。ネットフリックスさん感謝です。三池監督作品は好きな方ですが、バイオレンスが先行していて、おそらくは恋愛ものの記憶はありません。で、タイトルが初恋。主演が窪田正孝。どんな作品に仕上がっているのか興味津々でしたが、期待以上の三池流恋愛ドラマでした。

物語は、天涯孤独の天才ボクサー葛城レオ。格下相手にダウン負けを屈し更に脳腫瘍が見つかり余命宣告を受けます。失意の中で路上で助けを求める少女モニカを助けたことから、刑事とヤクザ、チャイニーズマフィアが絡む抗争に巻き込まれてしまいます。

レオとモニカの逃走劇が、大森演じる刑事と組織を裏切るヤクザ演じる染谷、さらに裏切りの犠牲となった恋人の恨みを晴らすベッキー演じるジュリ、さらにマフィアとの抗争で服役、出所した内野聖陽演じるヤクザ幹部とそれぞれの思惑が複雑に絡んで随所にワクワク感が持続、さらに三池監督オリジナルのバイオレンスが爆発します。染谷のコミカルかつ残忍な演技とベッキーのイメージを180度転換させる獰猛で狂気に満ちた姿は圧巻です。他にも滝藤賢一、ベンガルなどチョイ役的存在ながら、物語の鍵を握る配役で監督らしい空気感が漂ってました。

こんなにヤバイ映画を作るなんて、さすが三池監督。そして体を張って挑んだ俳優陣たちに拍手喝采です。観て損なしの作品ですので是非鑑賞ください。

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映画 Cloud クラウド:ノンストップバイオレンスホラー

2024年10月14日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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今回の映画レビューは黒沢清監督、菅田将暉主演の「Cloud クラウド」です。

菅田将暉を主演に迎え、初っ端から転売屋吉井として叩いて買った商品を高額で売り飛ばす悪い菅田が登場。表向きは工場で働く無欲な青年を演じながら、転売屋として己の欲望を昇華していく青年の本当の姿がむき出しになっていきます。

そして、彼を成敗しようとする男たちは、かつての被害者たち。人生を狂わされた市井の良い人。銃やライフルで吉井を狙います。そして吉井と共に男たちに立ち向かうのは吉井がクビにしたスタッフの青年佐野。佐野を演じるのは、長澤まさみ主演の映画マザーでデビューを果たした奥平大兼で謎めいた過去を持つクールな青年の裏の顔が出ることで物語はノンストップバイオレンスへと進みます。

端正な顔立ちの菅田と奥平は、どこか共通の雰囲気を醸し出していて二人の演技に惹かれます。また、彼を狙う人物たちも、岡山天音、荒川良々、窪田正孝など、およそ悪人とはかけ離れていて、そこも魅力的でした。よくよく考えてみると裏稼業で成立する構成で、裏の世界に足を踏み入れた人々の転落が描かれているようです。

黒沢清監督と言えばサスペンスホラー作品のイメージが強いのか、今回の作品も予告編から、かなり期待値が高くなったと思います。そのことで評価を低くしてしまった感を否めません。個人的は個性豊かな旬の俳優陣を起用したノンストップバイオレンスの実験的な作品ではなかったかと思います。果たして黒沢監督の真意の程は。

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映画 赦し:重い問題に取り組んだ力作

2024年10月05日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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本日の映画レビューは2022年作品で彩プロ配給の「赦し」です。

最近Amazonプライムでいち早く日本映画の秀作が観れるようになりました。今回の作品も劇場公開が限られ時期を逃した作品で、未成年の殺人事件で20年の量刑を課せられ服役中の女性囚の再審裁判による被害者家族のその後の人生と再審による生まれる葛藤と救済を描いた裁判劇です。

主演の松浦りょうは、中島哲也監督の映画「渇き。」でデビュー。今回はいじめにより同級生を殺害した女囚役、福田夏奈として、その冷めた瞳とは裏腹に自らの罪を認めながらも、新たな弁護士の思惑と憎悪に満ちた被害者の父と対峙する難しい感情を見事に演じています。また被害者の母親にはMEGUMIが新しいパートナー役に藤森慎吾が担っています。

裁判の過程でわかる様々な現実事象が詳細に描かれ、殺人の罪は赦されないものの、そこに至るきっかけが最後まで明かされることなくす進む手法が、今回の裁判劇を客観的に見る要因につながっていき、赦しの持つ意味を強く印象付けるものとなりました。

見る側が被害者の立場となって考えた時に、あなたはどんな結論を導き出すでしょうか。

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映画 ラストマイル:時代を先取りしたパニックサスペンス

2024年10月01日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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今回はロングランヒットを続けている映画「ラストマイル」のレビューです。

満島ひかりと岡田将生主演の本作。ドラマ「MIU404」と「アンナチュラル」のキャストを加えた爆破テロによる4日間を描いたパニックムービーとして展開されます。

巨大ショッピングサイトのブラックフライデーの前夜。段ボールが爆発する事件が起きます。犯人は12個の爆弾を仕掛けたと予告。巨大物流センターのセンター長に着信したばかりの満島演じるエレナと岡田演じるチーム長の梨元は事件の収拾に奮闘します。

物流の2024年問題をベースにした内容は、ネットショッピングに直接かかわる自分としても深刻な問題で、爆破テロが細微に紐づけされたパニックと労働環境を通じた人間ドラマはなかなかの出来栄えです。

爆弾収拾に奮闘する当事者や二つのドラマを作り上げた事件解決も良く出来てると感じました。とは言っても、ドラマの内容を知らずとも十二分に楽しめる内容になっています。ラストまで目が離せない展開と当事者たちの人間ドラマも素敵です。

ぜひ、まだ観てない方も劇場で楽しんでください。

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