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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

9月の東海地方美術展レビュー 9月23日まで開催中

2024年09月21日 | 【美術鑑賞・イベント】

暑さもまだまだ続いている昨今。外に出かけるのも億劫な今年の9月ですが、そんな中で地元東海地方で足を運んだ美術展のレビューをしたいと思います。

今回訪れたのは愛知県のメナード美術館、愛知県美術館、名都美術館、豊田市美術館の4館での美術展をレビューします。

先ずは、いつも僕が仕事途中によく訪れるメナード美術館の額縁のむこうのFRANCE


メナード美術館のフランス画家の所蔵品を中心に展示された本展。ポスト印象派やフォービズムやキュビズムの有名画家たちの作品を美術拠点であったモンマルトルとモンパルナスにスポットを当て画家たちの隠れたエピソードも交えながら、構成されていて楽しい展示でした。

愛知県美術館のアブソリュート・チェアーズは椅子本来の機能からとどまらない現代美術家の椅子作品が並ぶユニークな展覧会



現代美術の先駆者であるマルセル・デュシャンや草間彌生、岡本太郎などの有名作家や現代美術を代表する座ることを拒否した作品群は圧巻です。また、ジョン・レノンの妻であるオノ・ヨーコの美術家時代の作品など展示されていて、世代を超えて楽しめる現代美術展でした。

名都美術館の旅する堀文子展は100才の長寿を全うした女性日本画家の作品展


旅を愛した画家のスケッチや旅が困難となりアトリエの庭にある身近な草花を描いた作品など。日本画の新境地を開いた造形的な作品と女史独自の色彩感覚に心和む展示です。女性に人気の高い画家だけに会場には数多くの女性ファンが訪れてました。こちらの展覧会は9月29日まで開催中です。

最後は愛知県での巡回展では最も注目度が高いエッシャー 不思議のヒミツ



だまし絵、トリックアートの元祖として一般的にも知られているエッシャー。幾何学的に構成され、厳密さを追求した作品は、身近なモチーフを用いて解読され現代人にも視覚的に強く問いかける作品が網羅された大規模なエッシャー展です。美術館の敷地内に新設併設された豊田市博物館と共に楽しみが倍増されています。

今回の展覧会レビューは直近での鑑賞となり会期も迫っていますが、予定がない方をぜひ訪れてみてはどうでしょうか。どの展覧会も新しい発見があると思います。

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映画 愛に乱暴 :繰り返す性

2024年09月11日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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今回の映画レビューは、江口のりこ主演、吉田修一原作の「愛に乱暴」です。

無表情さの中に独特な存在感が光る女優、江口のりこ。ドラマではユーモラスな配役が多い彼女ですが、今回はじわじわと来る恐ろしさを持つ主婦を演じています。一方、共演の小泉孝太郎は真面目で冷静な役柄が多いですが、今回は優柔不断で妻に無関心で愛人と二重生活を送る夫を演じています。さんかく窓の外側は夜の森ガキ侑大が監督を担当しています。

母と別世帯で暮らす元キャリアウーマンの妻、桃子は、口数が少なく無関心を装う夫の真守との間で子供を授かることを願いながら日々の料理や趣味の石鹸教室の講師として生活を送ってます。そんな中でゴミ捨て場の不審火や愛猫が行方不明になるなどの事件が起こり、夫の告白により日常が崩れていきます。

吉田修一原作の映画「悪人」や「怒り」などの犯罪小説をベースにしたヒューマンドラマは衝撃的で今も記憶に深く残っているのですが、今回の作品はまったく異なる日常を舞台にした主人公の乱暴さが描かれています。作品の全般は桃子の日常だけが描かれているだけで表面には退屈です。しかし、夫の告白から、桃子の感情がむき出しになっていきます。

そのキーワードとなるのが、産婦人科の通院、現れることのない猫、そして桃子がスマホで見る不倫アカウントです。そのキーワードが結びつくことで彼女と夫との間にある隠された過去による性が現れてきます。実は二人の愛憎劇が隠されていることに気付き繰り返す性にこの映画の面白さを感じます。そして江口のりこだから更にその面白さが増すのです。

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映画 キングダム 大将軍の帰還 圧倒する存在感が光る

2024年09月02日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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本日の映画レビューは、シリーズ最終章「キングダム 大将軍の帰還」です。

公開から一か月を過ぎて、そろそろ余裕で鑑賞できるかと思っていたのですが、台風一過の状況にも関わらす結構鑑賞者で賑わってました。キングダムの人気を伺えます。

さて今回の大将軍の帰還は、みなさん知っての通り、山崎賢人演じる飛信隊の信が中心ではなく、信が尊敬崇拝する秦国の大将軍、大沢たかお演じる王騎が主役です。前作で突如現れた趙軍の総大将、吉川晃司演じるほうけんとの因縁を中心に描かれ、壮絶な戦いがくり広がられていきます。

王騎とほうけん、二人のキャラクターは正に原作から飛び出したようなキャラクターで、まさに総大将にふさわしい存在感です。二人は正に陽と陰。さらに二人の因縁が徐々に浮き彫りになると否応なしにヒートアップしていきます。また、その戦い方も相反しお互いの持つ動の部分が全く異なり魅力的です。しかしながら、やはり王騎の力量と人心掌握術、更にリーダーとしての言葉の魅力とすべての面で大将軍としての要素を備え、その姿を見事に大沢たかおは演じています。

巷では原作の王騎を越えたと称賛されてますが、原作の持つ圧倒的な存在感あってこその演技であると感じます。原作を読み観ているファンには、今回の作品がひとつの区切りとなるのは確かですが、春秋戦国時代の壮大な歴史ロマンを知るにつけ、まだまだ魅力的なキャラクターをいかに実写に結び付けてくれるか期待するところです。

最近では、東京リベンジャーズやゴールデンカムイなど人気コミックの実写化が進んでいますが、僕は少し違和感を持ちました。キングダムシリーズはコミック原作の実写版史上、この作品を超えるものは当分の間出てこないと思います。最終章として区切りをつけても僕は新章へと続くことを信じて待ちたいと思います。

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