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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

映画 ユリゴコロ

2017年09月29日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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吉高百合子、松山ケンイチ、松坂桃李が共演のミステリー映画「ユリゴコロ」を観賞

イヤミスの三大女王の一人、沼田まほかるの原作による今回の作品、イヤミスと言えば嫌な後味の悪いミステリーを指すそうですが、三大女王の一人湊かなえ原作の映画化は数多くあって、僕もほとんどの作品を観賞してますが、今回のユリゴコロは、初の映画化で青春映画に定評のある熊澤尚人監督が脚本も手掛け、今までの作品にないおどろおどろしさで迫っています。

物語は、松坂演じる余命宣告を受けた父親の看病をしながらレストランを営んでいる亮介が、恋人の失踪と父親の部屋にあった「ユリゴコロ」の手記を観たことで、亡き母親が連続殺人鬼であることを知り、同僚の女性により恋人の過去を知る中で、母親と同じ殺意の衝動が揺り起こる様と手記による父と母の過去を描いています。

前半は、殺人鬼に変貌していく吉高演じる母美沙子の行状が毒々しく描かれていて、目を覆いたくなるような時間が進みます。そのシーンで、鑑賞中に若いカップルが席を立ってしまうほど身の毛がよだつ時間でした。中盤には松山演じる亮介の父との運命的な出会いの中で、美沙子の平穏な生活がもたらされますが、後半では再び壮絶で凄惨なラストに転換、サイコパスにラブロマンス、そして運命の糸によるミステリーの巧妙さと見ごたえのある内容でした。

ユリゴコロとは、医師が少女、美沙子に診断を下したヨリドコロのない精神状態をさすのですが、彼女の一生のユリゴコロの変化に焦点をあてて観ると興味深く楽しめるのかなと思います。

来月10月には、白石一彌監督、蒼井優、阿部サダヲで「彼女がその名を知らない鳥たち」も公開される沼田かほるこ作品、湊かなえの映画化ブームに続き、沼田まほるこも加わってイヤミス作品に目が離せません。


DVD 皆さま、ごきげんよう

2017年09月23日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、オタール・イオセリアーニ監督による人生讃歌「皆さま、ごきげんよう」です。

グルジア出身のイオセリアーニ監督作品は、自伝的作品の「汽車はふたたび故郷へ」の鑑賞記憶から、何となく手に取って観賞してみました。

今回の作品の主人公は二人の老人。アパートの管理人で武器商人の男と骸骨集めが趣味の人類学者。二人が住むパリでアパートの住人、窃盗グループ、ホームレスなどの人々が織りなす日常に、覗きが趣味の警察署長と警察当局との対立を組み合わせて、エスプリの効いた人間模様が展開する内容です。

街並み、公園、アパートメントなどパリの持つ魅力で、日常が魔法のように彩られ自由な息吹が全体であふれています。悪友でもある二人の老人の持つ理性と本性の対比が何とも言えず、優雅さと滑稽さを併せ持つ豊かな人間性にあふれています。また、監督の持つ権力への静かな抵抗も作品の随所に現れていて自由と尊厳に対する崇高な一面も見て取れました。

こうした作品は、過剰な刺激を求める方には退屈に思えるかも知れませんが、こうした作品も映画の魅力を伝わる部分で大切な存在です。肩ひじ張らずに、時に転寝しそうになりながら、のんびり気分で観賞してみてください。


DVD 哭声/コクソン

2017年09月22日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、チェイサー、哀しき獣のナ・ホンジン監督によるサスペンススリラー「哭声/コクソン」です。

今回の作品、カンヌ映画祭でも話題となり、事件の鍵を握る日本人を國村準が演じ、その骨太の演技が大きく評価され、韓国の青龍映画賞で助演男優賞を受賞。主人公の警察官には、クァク・ドゥオン、祈祷師には、ファン・ジョンミンが演じてます。

村に起こる猟奇連続殺人、その犯行はすべて狂人となった身内によるもの。いつしか、山奥に住む謎の日本人による仕業と噂が広まります。主人公の警察官の娘が事件に巻き込まれ狂人化。祈祷師による悪魔祓いを家族が依頼し、日本人が悪霊と確信し、ついに仲間と彼を仕留めようとします。主人公の警察官には、事件現場を目撃する女にチョン・ウヒが演じ、それぞれが、重要なカギを握るフィクサーとなって、観る者を混乱に渦に巻き込んでいます。

今までに味わったことがなく身の毛もよだつ恐怖が真正面から襲い来る狂気の世界。事件の真相が、現実の事象と不可思議な事象が交錯し犯人が二転三転し、最後まで事件の真相がつかめないまま複雑に絡み合うラストなど。ナ・ホンジン監督の新作は、サスペンススリラーの枠を超えて、ホラー映画とパニック映画を巧みに組み込んだ新種の作品のように思えました。


ベルギー奇想の系譜 Bunkamuraザ・ミュージアム

2017年09月19日 | 【美術鑑賞・イベント】

東京アート旅のテーマは奇想。このテーマにふさわしい二つの美術展が期せずして同時期に開催されたからです。

先日は、イタリアの奇想画家・アルチンボルドを紹介しましたが、今回は奇想の画家が目白押しのベルギーに焦点をあてた「ベルギー奇想の系譜」展を鑑賞に渋谷東急百貨店併設のBunkamuraザ・ミュージアムに。

今回の展覧会、ボスやブリューゲルに代表される16世紀フランドル絵画から19世紀の象徴派、表現主義、20世紀のデルヴォー、マグリットなどシュルレアリスムの画家など、個性あふれる奇想の作品が歴史と共に網羅された展覧会です。

今回の目玉は、ポスターやパンフにも取り上げられたボスの「トゥヌグダルスの幻視」でしょう。10号サイズ程の板に描かれた細密の油彩画は七つの大罪の地獄図を幻想的な夢の世界として描かれていて、地獄図の懲罰の様子がどこか滑稽で返って優しくを感じる不思議な情景でした。

また、宗教改革により画家たちのキリスト教への解釈が異なり、その表現方法も多彩で、奇想の系譜の形成が大きく影響してたかが手にとってわかり、時代と共に画家たちの内面の想像力につながっているかが理解できる有意義な展覧会でした。ともすれば、イタリアやフランスの絵画に目が向けがちになるヨーロッパ絵画、今回のベルギーの画家たちの個性的で多彩な表現力を観ると改めてベルギー地方の美術の偉大さがわかりました。

兵庫県立美術館の巡回から今回の東京での展覧会も、9月24日でラスト、ベルギーの至宝と奇想を十二分に楽しんでみてください。

 


アルチンボルド展 国立西洋美術館

2017年09月18日 | 【美術鑑賞・イベント】



台風が縦断する中で、前から予定していた東京アート旅に出かけて来ました。

今回のアート旅での展覧会は、国立西洋美術館のアルチンボルド展とBunkamuraミュージアムのベルギー奇想の系譜展。
どちらも、古典絵画における異端で個性的な画家たちの展覧会です。

先ずは、アルチンボルド展から。今日の若冲ブームにより江戸絵画を中心に奇想の画家が注目されるなかで、西洋絵画におけるアルチンボルドの存在は、一般にはあまり知られていませんでしたが、本展覧会の開催を機にメディアに紹介されアルチンボルドの存在が急速に知られるようになりました。観賞した9月17日も台風が近づくあいにくの天気の中でも、開館前から鑑賞者の列が続き、会場内は活気にあふれていました。

アルチンボルドは、16世紀後半に活躍したイタリア・ミラノ出身の宮廷画家で、ウイーンとプラハのハウスブルク家の支援の基で、肖像画はもとより、その卓越した写実の技術から動植物をモチーフに生物学者にも多大な影響と評価をうける、その時代でも異彩を放つ画家です。

個人的には、花々により構成された肖像油彩画「春」が美術ファンには代表作として画家のイメージを印象付けていますが、今回、その作品に関連する「秋」「大地」「水」「冬」の4作品の油彩肖像画が一堂に介し、その卓越した生物への描写力と巧みに組み合わされた人物像は時にグロテスクな一面を持ち、観るを寄せ付けない凄みを持っています。しかしながら、その作品をじっと眺めていくうちに組み合された生物に豊かな生命力が宿り、不思議な魔力を持って見る者を惹きつけていきます。

そこには、並び比較されるトリックアートの世界とは一線を画すアルチンボルドの芸術に対する探求心と全ての生きる者への深い慈愛を感じまます。

今回は科学者の側面を持つダヴィンチのデッサン画やアルチンボルドの継承者の作品、パトロンであるハウブルク家の豊かな鑑識眼による美術工芸品なども展示され、アルチンボルドの芸術活動の歴史がうかがえる日本初の展覧会と言えます。

残り6日と迫った本展。東京での展覧会に足を運ぶ大きな価値のある展覧会を必見あれ。

※入口には、アルチンボルドの春をモチーフに自画像をCGで作ることができるコーナーが設置されています。写真はアルチンボルドな俺(笑)です。


DVD グレートウォール

2017年09月17日 | 【映画・ドラマ・演劇】

 

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、万里の長城を舞台に繰り広げられる、チャン・イーモ監督、マットデイモン主演のアクション大作「グレートウォール」です。

マットデイモン演じるヨーロッパの傭兵が、万里の長城で盾となって怪物から王朝を守る衛兵たちと手を組んで怪物を作り出す女王の怪物を打つアクション作品。

巨額の製作費を投じ、アンディラウやジンティエンなどアジアを代表するヒーローやヒロインがマットデイモンと共に活躍する日米合作作品ですが、日米でその評価は分かれいますが、日本人にとっては三国志など、この時代を背景にした小説や最近ではコミックの人気などで、好感を持つ人も多いと思います。

着想は60年に一度現れる怪物軍団との戦闘という奇想天外なものですが、その様々な戦法が魅力的で、その美しい所作も、LOVERSやHEROなどの作品でも観られる、監督らしい美しい所作が魅力的で優雅さを感じます。

DVDでも十分にアクションの凄さがありましたが、映画館で観ていたら、その迫力もさらに倍増していたと思います。


映画 三度目の殺人

2017年09月15日 | 【映画・ドラマ・演劇】

「三番目の殺人」の画像検索結果

福山雅治主演、役所広司、広瀬すず共演の是枝裕和監督の「三度目の殺人」を観賞

そして父になるから再タッグを組んだ福山雅治と是枝裕和監督。今回は、殺人犯の弁護にあたる弁護士役を務め、役所広司演じる殺人犯と対峙し事件の真相に迫るミステリー作品です。

弁護士事務所の所長、福山演じる重森が、事務所の同僚である吉田鋼太郎演じる摂津が担当する、役所演じる殺人犯三隅の弁護に当たることに。摂津が匙を投げた三隅は、過去に殺人事件を犯し、出所後に勤務していた食品会社の社長を殺害し死刑は決定的。重森は三隅を無期懲役にするために、策を練る中で、社長の妻との共謀や虐待された娘のために殺害など、供述を変え、最後には、検事と摂津により殺人を強要されたと無実を供述。重森は、彼の最後の供述を信じ、法廷戦術を一転する。事件の真相とタイトルの三度目の殺人を推理する形となっています。

ドキュメンタリータッチの社会派ドラマのイメージが強い是枝監督が初めて挑んだ法廷心理ミステリーということで、注視してみていましたが、鑑賞後、直ぐには真相は解明できす、闇の中でした。しかしながら、振り返ってスクリーンでの記憶を追いながら自らが推理していくと、タイトルに隠された三度目の殺人というテーマが浮かび上がり、一度目の殺人が現実、二度目の殺人は異なる事実が、そして、三度目の殺人は第三者によるものと推理できました。

また、作品中やポスターに示されたあるイメージが二度目の殺人の結論を観る人に委ねているように感じました。観賞後、心に、わだかまりを持たせながら、その後に事件の真相への想像を掻き立てる。是枝ワールドの中に新しい境地を与えたと感じる作品でした。


映画 ダンケルク

2017年09月12日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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クリストファー・ノーラン監督が描く実話に基づく戦争巨編「ダンケルク」を観賞

この秋、巨匠監督による話題作が内外を問わず目白押し。どれを先に観ようか迷いましたが、今回はダークナイト、インターステラ―のクリストファー・ノーラン監督が実話に挑んだ話題作「ダンケルク」に。

今回の作品は、第2次世界大戦でドイツ軍侵攻によりフランス北部のダンケルクに追い詰められたイギリス・フランス連合軍の兵士40万人を救出するダイナモ作戦を描いてます。

空爆により軍艦による救出が困難になる中で、民間船と僅か3機のイギリス空軍による決死の救出劇を空と海、陸の三つの視点から描いてます。空での攻防は、トム・ハーディー扮する飛行士を、陸の救出劇は、イギリス兵優先の救出の中に紛れ込む二人のフランス兵、そして今回の作戦を勝利に導いた民間船の家族が中心に、行き詰まる攻防が同時系列で進み臨場感が半端ない作品でした。

また、それぞれの舞台で繰り広げられる人間模様も巧みで、極限下におけるエゴと正義、使命感なども細やかに描かれていて感動の場面の連続でした。

今回の救出劇を改めて知ることで、チャーチル首相による決断は兵士の救出に勇んで駆けつけた民間人の勇気ある行動による部分が大きかったことを、この作品が雄弁に語ってくれています。

 

 


映画 関ヶ原

2017年09月07日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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原田眞人監督による関ヶ原を観賞。

司馬遼太郎の歴史小説を基に、豪華キャストで天下分け目の関ヶ原を舞台に繰り広げられる戦国大作の関ヶ原、原田眞人監督により石田三成を岡田准一が、徳川家康を役所広司が演じ、西軍と東軍に分かれて豪華なキャストで描かれています。

今回の作品、賛否両論が沸き起こっていますが、僕は、好意的に今回の作品を捉えています。それは、2時間29分の短い尺の中で、いかにして原作を描き切るかに苦心されているからです。それは、今の日本映画界の抱えるシビアな実情とかつての連続ドラマや年末ドラマなど、原作に忠実になればなるほど、映画としての尺の限界があるからです。

もし原作に忠実に描くためには、少なくとも前半、後半にわけて描く必要があり、今回の劇場で観賞してみて原作を知らない世代の人も観賞している事実を知ると、もし前後半に分けていたら、興行的には失敗することは明らかです。また、多彩な登場人物の関ヶ原の戦いにいたる、細かな心理描写に映画では限界があります。

そこで、関ヶ原の中心人物である豊臣秀吉と石田三成、徳川家康を中心に描き、戦国時代で石田三成が貫いた義をテーマに描いているところを、個人的には評価しています。

個人的には原田監督の描く社会派ドラマが好きで、その手法は多岐にわたっていますが、今回は司馬遼太郎という偉大な歴史小説家に敬意を評するがゆえに、あえて監督の特色を消し、登場人物の姿を役者の個性で再現している点では十二分に成功していると思います。

たとえば、義に生きる石田三成の姿は正義感あふれるイメージが定着している岡田准一、晩年、悪政により人間としての罪を背負い死に向かう秀吉をあくの強い個性派俳優の滝藤が、そして、今までの役者像を覆すように、狸の異名を持つ家康をその外見と内面を見事に演じた役所が、ままた伊賀の忍びには、初芽や阿茶に有村架純や伊藤歩をキャスティングし、また島左近の平岳大や大谷刑部の大場泰正など、次を担う中堅の俳優が演じ気を吐いています。

この作品を機に、時代劇の大作に対する認知が広がり新しいファンを取り込みながら、司馬遼太郎の原作への興味が高まれば、歴史ドラマの映画化に希望が見出されると思います。その意味でも自らの眼で見て評価することが大切です。

 


映画 新感染 ファイナル・エクスプレス

2017年09月06日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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高速列車を舞台に繰り広げられる韓国のサバイバル&ゾンビ映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」を観賞

日本でも数多くのゾンビ作品が生まれ、日本でもアイアムヒーローのヒットでゾンビ映画の評価も高まってきましたが、今回の作品、アメリカのゾンビ作品に匹敵する凄い映画でした。

舞台は日本タイトルの新感染でわかるようにソウルとブサンを結ぶ韓国の新幹線、韓国全土で原因不明の感染により暴動事件が起こり、戒厳令がひかれます。そこにひとりの感染者が列車に乗り込んだことで、乗員が次々に感染しゾンビ化。離婚寸前のファンドマネジャーの男と身重の妻を持つ男が、車内で格闘を続けるというものです。

韓国アニメの新鋭ヨン・ソンホが実写映画初監督、ファンドマネージャーにはコーヒープリンス1号店のコン・ユ、身重の妻を持つ男には、バイプレイヤーとして活躍するマ・ドンソクが演じ、二人の男の隠れていた正義が覚醒する姿が心地よく、ゾンビを次々と倒しながらも、パニック状態に陥った乗客のエゴにより窮地に追い込まれるなど、乗客の様々な人間模様が凝縮され、ラストには、涙すること間違いなしの感動作となってます。

また、パニック、サバイバル、ヒューマン、サスペンスと映画のジャンルが作品の中に組み込まれていて、ゾンビというアイコンがうまくかみ合うことで、観る人の嗜好を広げてます。

ゾンビ好きの人もまたゾンビにこだわりなく、必ず観れば大満足の作品です。劇場でぜひ見届けてほしい、この秋おススメの一本になりました。


DVD パッセンジャー

2017年09月02日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、移住計画の宇宙船でひとり目覚めてしまった男の起こすSFアドベンチャー作品「パッセンジャー」です。

世界にひとつのプレイブックのジェニファー・ローレンスとジュラシックワールドのクリス・プラットが主演を務め、アカデミー賞で2部門にノミネートされた本作。本来なら、劇場で観たかったのですが、タイミングを逃しようやくDVDで観賞しました。

120年後の未来をめざし、冬眠状態にある5000人の乗客を乗せた宇宙船の乗組員のエンジニアの男が覚醒、孤独の生活の中で、小説家の女性に恋心を抱き、彼女を覚醒させてしまう。その後に起こる二人のラブロマンスや真実を知ってしまったことで訪れる不信や宇宙船のトラブルなど、多彩な切り口で進む時間の流れがスピーディかつ魅力的でした。

主人公の男が起こす罪により翻弄される女の揺れ動く心、近未来の生活とラブスト―リーが前半では展開されロマンチックな時間が流れる中で、突然起こる破局、そして新しいミッションにより、アクションアドベンチャーへと進むラストへの展開。そして、ノアの箱舟的発想が、犯してしまった神の領域のように思え、その十字架を背負った男が贖罪により愛を得る。全編に流れるテーマが運命を受け入れ、未来に向かう希望のように思えてくる作品でした。

神秘的な宇宙の世界の中で、二人の選んだ選択に注目して観てください。