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素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

仮面ライダー龍騎 第48話「最後の3日間」

2016-12-09 07:00:00 | 仮面ライダー龍騎
優衣の誕生日まで、あと3日。タイムリミットを宣言した神崎士郎は全ライダーを召集し、最後の決着をつけることを求める。20歳の誕生日とともに、消えゆく優衣の運命を覆すために。そして、明かされていく優衣の過去。12年前、幼い妹と兄に、何が起こったのか?


ライダーバトルの中止を求めて神崎邸で叫ぶ優衣ちゃんは27話の再現だし、
それができないならいっそ自害すると叫ぶ優衣ちゃんは劇場版で見た姿で。
もう、いろいろなシーンが思い返されて胸熱です。

「やっぱり優衣ちゃんを連れ戻そう!」と叫ぶ真司くん。

なんかね、もう、真司くんがそう判断したなら、
それがたぶん正解だと思うくらいに真司くんの直感を信頼してます。

「無理やり黙らせて、新しい命を与えれば、それでいいのかよ!」
「無理やりでも生きている方がいい!」

優衣ちゃんの話をしてるんだけど、
勢い余って蓮さんにも斬りかかってるような感じになってる。

「このままじゃ・・・優衣ちゃんかわいそうだ」

真司くんの言葉に、目を伏せる蓮さん。
蓮さんがやろうとしてることも、神崎士郎と同じだからね。
そう考えると、蓮さんがやろうとしていることを知りながら
反論せず、「それが蓮さんの希望ならば」と受け入れてる恵里さん、超すごくない?

「言ってることはわかるよ。だから、お前は恵里さんを助けようとしてるわけだし。
 俺、それを否定するつもりはないから」
「お前はそうやって!・・・なんでも飲み込もうとするから、迷うんだ」

この一言が、すごかった。
ていうか、蓮さんにそれを言わせたことがすごかった。

今まで「俺は俺」の姿勢を貫いてきた蓮さんが。
真司くんが何を選ぼうと「それがお前の出した答えか」と干渉しなかった蓮さんが。
ここへきて、自分を見失いかけてもなお、蓮さんの在り方を受け入れようとする真司くんに
「自分のために戦う」と決めた覚悟を揺るがされてる。

あの一言は、自らの痛いところを突かれた蓮さんが、苦し紛れに返した悲鳴じゃないか。

北岡センセ、脱落。
生きていてくれて良かったという気持ちと、
でももう助かる道は残されていないんだという気持ちと。

「城戸のヤツ、どうなったのよ」
「・・・まぁ、元どおりと、いったところか」
「へえぇ〜、やっぱり、バカは立ち直りが早いねぇ」
「確かにヤツはバカだが」

「俺やお前よりマシな人間、でしょ?」

14話だよ。狂った常識で支配されたライダーたちの中で、
たった一人、命あることに感謝し泣き崩れる真司くんの人間らしい姿が、
こうしてちゃんと、蓮さんや北岡センセの心に響いて、いまも残り続けてる。
このセリフ、まさか北岡センセの口から聞けると思わなかったなぁ。感無量。

「ヤツがライダーだったのは、俺たちにとって良かったのか、悪かったのか」
「・・・さぁな」

人間のルールを捨てて戦う覚悟を決めた人間たちの中に、
意地でも人間のルールを持ち込もうとした男。
人間らしさを捨てて鬼となって戦えば、あるいは楽だったかもしれないのに
それを最後まで許さなかった男。

人の心を持ちながらライダーを続けることが、
果たして幸だったのか不幸だったのか、それはわからないけれど、
この終盤、北岡センセが自分と蓮さんを指して「俺たち」と言った、奇妙な連帯感は
真司くんがいたからこそ成立した、奇跡みたいなものじゃないかなと思ったり。

いや、考えてみたらアレじゃないか。
北岡センセが弱くなったのって、私がそうと感じたのが23話だったので、
吾郎ちゃんを見捨てられなかったのが、センセ弱体化の原因?と、納得できなかったんですが、
そうじゃなかったんだ。センセ弱体化の原因は、14話の真司くんの姿だったんだ。

「ヤツがライダーだったのは良かったのか悪かったのか」と、
いまここで語るセンセの穏やかな口調は、
鬼となりきれなかった自分、弱くなってしまった自分を、
「それでも悪くはなかった」と、受け入れているんだなと。
真司くんのおかげで、ちゃんと救われた人間がいるよ。こんなところにも。

ともかく。脱落宣言を受けて気力なく笑う北岡センセですが、
そんな彼を求めてその名を吼える男がいます。そうです浅倉です。
おとなしくリタイヤなんて許してくれないんだろうなぁこれ。


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