エリザベスと4人のクイーン・メアリー。二人目はエリザベスの姉・メアリー1世です。ちなみに彼女もメアリー・テューダーと言うので一人目のメアリーとややこしくて仕方がありません。一応ここでは、一人目は「メアリー・テューダー」と言い、二人目は「メアリー1世」と言います。
二人目のメアリー:メアリー1世
エリザベスの異母姉でイングランドの初代女王メアリー1世です。
母親はアラゴン王フェルナンド2世とカスティーリャ女王イザベル1世との娘キャサリン・オブ・アラゴン。メアリーの父親、ヘンリー8世の兄の婚約者としてイングランドに嫁いできました。しかしヘンリー8世の兄はキャサリンとの結婚後わずか数ヶ月で亡くなってしまいます。彼女を国へ帰せば莫大な持参金を返さなければいけなくなることを渋ったヘンリー8世の父ヘンリー7世は弟のヘンリー8世と結婚させます。
しかし、実は兄嫁と結婚することはキリスト教の法で近親婚となるため、この結婚にはローマ教皇の特赦がありました。このことが後に大きな問題となります。
さて、最初は仲睦まじかったキャサリンとヘンリー8世ですが、キャサリンがメアリーしか産めないと分かると、若いアン・ブリーンという女性に心変わりしてしまいます。そして、アン・ブリーンと結婚するためにキャサリンとの離婚を考え出します。
ところが、この話に激怒したのが先にキャサリンとヘンリー8世の結婚に特赦を与えたローマ教皇です。
そりゃあ、自分が特別に許した結婚をやめると言われたら、教皇じゃなくても怒ります。ましてや教皇なら沽券に関わってくるので、「離婚するなら破門じゃぁ~」とばかりの大激怒です。
しかしヘンリー8世の返事は「破門できるもんならしてみやがれ。こっちはカトリックと手切って、プロテスタントになってやるわ!」でした。そして本当に英国国教会を作り、自らがその長となり、キャサリンと離婚してアン・ブリーンと結婚しちゃうのです。ちなみにこの辺の事情を映画にしたのが『我が命つきるとも』です。
離婚されたキャサリンとその娘メアリーの生活は一変します。キャサリンは王妃(クイーン)の地位を剥奪されます。同時にメアリーも王女の地位と王位継承権を剥奪されます。
つい先ほどまでは王女様、未来の女王様とちやほやされたのに、いきなり新しい継母とその子供の召使い扱いです。さらに、メアリーの父ヘンリー8世はキャサリンが離婚に応じなかったので半監禁状態にし、メアリーには母親の面会はおろか文通さえも許しませんでした。
新しい継母は自分の母親から奪った地位で王宮を我が物顔にのし歩き、異母妹はつい先頃自分がいた場所で「王女様」、「未来の女王様」とちやほやされているのです。メアリーが「シンデレラ」よろしく「いつか私の王子様が」と思っても仕方がないでしょう。そして彼女にとっての王子様は「カトリック」と「スペイン」だったのです。
ところでこの継母、アン・ブリーンが女王エリザベス1世の母親なのです。
ここからメアリー1世とエリザベスとの確執があるのですね。
参考文献:キャサリン・オブ・アラゴン関係
森護「英国王室史話」
キレーン『スコットランドの歴史』
大野真弓『新版英国史』山川出版社 1984年
石井美樹子『薔薇の冠』朝日新聞社
小西章子『スペイン女王イサベル』
ダイクストラ好子『王妃の闘い』
アントーニア・フレイザー『ヘンリー八世の六人の王妃』創元社
二人目のメアリー:メアリー1世
エリザベスの異母姉でイングランドの初代女王メアリー1世です。
母親はアラゴン王フェルナンド2世とカスティーリャ女王イザベル1世との娘キャサリン・オブ・アラゴン。メアリーの父親、ヘンリー8世の兄の婚約者としてイングランドに嫁いできました。しかしヘンリー8世の兄はキャサリンとの結婚後わずか数ヶ月で亡くなってしまいます。彼女を国へ帰せば莫大な持参金を返さなければいけなくなることを渋ったヘンリー8世の父ヘンリー7世は弟のヘンリー8世と結婚させます。
しかし、実は兄嫁と結婚することはキリスト教の法で近親婚となるため、この結婚にはローマ教皇の特赦がありました。このことが後に大きな問題となります。
さて、最初は仲睦まじかったキャサリンとヘンリー8世ですが、キャサリンがメアリーしか産めないと分かると、若いアン・ブリーンという女性に心変わりしてしまいます。そして、アン・ブリーンと結婚するためにキャサリンとの離婚を考え出します。
ところが、この話に激怒したのが先にキャサリンとヘンリー8世の結婚に特赦を与えたローマ教皇です。
そりゃあ、自分が特別に許した結婚をやめると言われたら、教皇じゃなくても怒ります。ましてや教皇なら沽券に関わってくるので、「離婚するなら破門じゃぁ~」とばかりの大激怒です。
しかしヘンリー8世の返事は「破門できるもんならしてみやがれ。こっちはカトリックと手切って、プロテスタントになってやるわ!」でした。そして本当に英国国教会を作り、自らがその長となり、キャサリンと離婚してアン・ブリーンと結婚しちゃうのです。ちなみにこの辺の事情を映画にしたのが『我が命つきるとも』です。
離婚されたキャサリンとその娘メアリーの生活は一変します。キャサリンは王妃(クイーン)の地位を剥奪されます。同時にメアリーも王女の地位と王位継承権を剥奪されます。
つい先ほどまでは王女様、未来の女王様とちやほやされたのに、いきなり新しい継母とその子供の召使い扱いです。さらに、メアリーの父ヘンリー8世はキャサリンが離婚に応じなかったので半監禁状態にし、メアリーには母親の面会はおろか文通さえも許しませんでした。
新しい継母は自分の母親から奪った地位で王宮を我が物顔にのし歩き、異母妹はつい先頃自分がいた場所で「王女様」、「未来の女王様」とちやほやされているのです。メアリーが「シンデレラ」よろしく「いつか私の王子様が」と思っても仕方がないでしょう。そして彼女にとっての王子様は「カトリック」と「スペイン」だったのです。
ところでこの継母、アン・ブリーンが女王エリザベス1世の母親なのです。
ここからメアリー1世とエリザベスとの確執があるのですね。
参考文献:キャサリン・オブ・アラゴン関係
森護「英国王室史話」
キレーン『スコットランドの歴史』
大野真弓『新版英国史』山川出版社 1984年
石井美樹子『薔薇の冠』朝日新聞社
小西章子『スペイン女王イサベル』
ダイクストラ好子『王妃の闘い』
アントーニア・フレイザー『ヘンリー八世の六人の王妃』創元社
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