Siamo tutti un po' pazzi.

~我々は皆少しおかしい(イタリアの慣用句)~

普段色々考えていることの日記です。

「助六由縁江戸桜」

2008年02月02日 | 歌舞伎・文楽・能
ケーブルテレビを買ってからというもの、録画したい番組が増えてしまって……
とにかく、これを見たいあれを見たいと録画していると、どれどれ録画したか分からなくなったので、リストを作っていました。
と、ラベルを貼っていないDVDなんかが出てきまして…

で、その中に歌舞伎の「助六由縁江戸桜」を録画したものが出てきました。
歌舞伎はあまり見たことがないので、面白いと思える時とあくびが出そうなぐらいつまらない時があるのです。
この「助六由縁江戸桜」もつまらないの域に入っていたので、開始10分で見るのを止めて放って置いたのです。
しかし、いつまでも見ないのもなんだということで、コーヒーを飲んだりお菓子をほおばったりしながら見ていると

これが面白いの何の
爆笑させて頂きました。

 親の敵討ちを誓った曾我兄弟ですが、兄はまじめに働いているのに弟は遊郭でケンカ三昧。実は敵討ちのための刀を探すために、わざとケンカをして相手に刀を抜かせていたのですが、それを知らない兄が弟の悪い噂を聞き込んで注意しにやってきます。
 この時、兄と知らずに偉そうな口を利いていた弟が、兄と分かったとたんに気まずそうにするのが、おかしいの何の。そして兄にケンカを咎められると、本当は敵討ちのためなのにとすねるところも可愛いです。
 敵討ちのためと知った兄はすねる弟をなだめすかして、その弟からケンカの仕方を伝授してもらいます。お兄さんはケンカが苦手なので、教える弟の得意満面な姿がまた可愛いのです。
 と、そんなところへやくざ風の男が二人やってきます。それ実戦とばかりに弟は男二人に「俺の股をくぐれ!」と言います。男は弟の強面におびえて大人しく股をくぐります。弟の真似をして兄も「股をくぐれ!」と言います。男たちは兄が優男なので一瞬カッと来ますが、強面の弟が後ろで睨んでいるのでこれもまた大人しく股をくぐります。
 弟に付き合っている兄が良いお兄ちゃん過ぎます!そして、弟のように格好良くできないところがまた笑えるのです。もう、お兄ちゃん最高!
 次にやってきたのは遊郭に遊びに来た通行人。またもや弟は「股をくぐれ!」と言います。
 この時、この通行人がアドリブで色々言うのですが、これが時事ネタを取り入れてのギャグ連発で。「どんだけ~」とか「そんなの関係ない」とか。こういう流行ギャグは下手な人がすると寒いだけなのですが、もう爆笑の渦です。

弟「股をくぐれ!」
通行人「うそぉ~」
兄「股をくぐれ」
通行人「どんだけ~」
 この遣り取りで笑ってしまいます。

 兄役の人も弟役の人も恐い顔して立っていなくちゃいけないのに、通行人がギャグを連発するたびに吹き出しそうになっていて、それがまたおかしかったです。
 そして通行人が去った後、
 「変わった人だったな」

爆笑。 

 涙出てきました。
 歌舞伎ってコントだったんですね。

 そしてこの後、遊郭から弟の恋人の花魁揚巻と笠をかぶって刀を差した侍風の人が出てきます。
 こいつにもケンカをふっかけようとして、弟が足を踏んだといちゃもんをつけますが、笠のうちをのぞいた瞬間突然コソコソと逃げ出します。
「どうした?お前がやらないのなら私がやるぞ」という兄の袖を引っ張ってやめとけと言うのですが、二回の「股くぐらせ」にいい気になった兄は様になるんだか様にならないんだかの口上を述べて侍風の人物を殴ろうとします。
 ところが、ふと笠のうちをのぞくと自分たちの母親ではありませんか。
 大慌てで逃げ出し隠れようとしますが、母の目はごまかせません。

 敵討ちに出たというのに二人してこんなところで何をやっているんだと母親に怒られて、シュンとなる兄弟が可愛すぎます。
 あんたまで一緒になって何しているのと怒られるお兄ちゃん。事情を説明しようとしますが、調子に乗って悪ふざけしているところを見られているので上手く説明できません。で、
 「弟。お前が事情を話せ」


あっはっはっは

 まぁ、この後も色々あるのですが、弟よりお兄ちゃんが面白すぎて、いなくなると途端につまらなくなりました。


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