小さなナチュラルローズガーデン

木々の緑の中に、バラたちと草花をミックスさせた小さなイングリッシュガーデン風の庭。訪れた庭園や史跡巡りの記事もあります!

NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の旅・桐生黒保根編 その二

2015年12月04日 | 旅行記

今日は前回に続いて、桐生市黒保根町の水沼地区に行った時のお話です。
水沼製糸場跡を見学した後は、星野・新井兄弟を紹介したコーナーがあるという黒保根歴史民俗資料館をちょっとのぞいてみました。

館内で最初に印象的だったのは、写真左のかっこいい制服でした。説明がなかったのが残念ですが、日露戦争当時の軍服と軍刀のようです。帽子飾りもお洒落ですね!



他にもこのような素敵な民俗資料が所狭しと展示され、まるで昔話の世界にタイムスリップしたかのようです。


星野・新井兄弟のコーナーに展示されていたこちらのお写真は、かつて1960年代のアメリカ駐日大使であったエドウィン・O・ライシャワー氏と奥様のハル・松方・ライシャワーさんです。
ライシャワー氏はキリスト教長老派教会宣教師の次男として東京で生まれ、築地のアメリカンスクール・イン・ジャパンで学んだそうです。最初の奥様が召された後、アメリカンスクールの後輩だった松方春子さんと再婚しました。
ハル・松方
さんは明治政府の元老・松方正義氏のお孫さん(父方)であり、母方は新井領一郎氏のお孫さんでもあります。


ハル・松方さんから、お花のお礼として黒保根村の皆さんに贈られた色紙。「この花はきっといつも私に黒保根村とアメリカとの強い絆を思い出させてくれると思います。」と書かれています。
ハルさんは生涯を通じて日米交流につくされ、国際平和を願ったそうです。明治7年に渡米し、まさに日本とアメリカの架け橋となった祖父、新井領一郎氏の志は孫のハル・松方さんに立派に引き継がれてゆきました。


ハル・松方・ライシャワーさんの名著「絹と武士」
「絹」とは、渡米して一人で日本の「絹」を売り歩き、ビジネスの成功を遂げ日米貿易のはじまりを築いた母方の祖父・新井領一郎。
「武士」とは薩摩藩出身の日本の「武士」、明治になっては内閣総理大臣を二度務めた父方の祖父・松方正義。
ハルさんの二人の祖父を中心にして綴られた家族の歴史、また祖父たちの生きた幕末~明治の時代が描かれた壮大なストーリーになっているようです。


ハル・松方著「絹と武士」の中には、新井領一郎氏が渡米の前に星野長太郎氏とともに楫取邸を訪れた時のエピソードが語られています。
その際、楫取素彦氏の奥方、寿子(ひさこ)夫人から領一郎氏に、夫人の兄・吉田松陰の形見の短刀が贈られました。今を思えば、幕末に黒船に乗船し渡米を企て夢破れた松陰でしたが・・・寿子夫人は「この品には兄の魂がこめられているのです。その魂は、兄の夢であった太平洋を越えることによってのみ、安らかに眠ることができるのです。」と、松陰の魂を領一郎氏に託しています。
この感動的なシーンは「花燃ゆ」の中で再現され、
楫取素彦氏ゆかりの前橋公園には、近い日にこの四人の姿を象った銅像もできるようです!

最後はこの漫画で締めくくろうと思います。イラスト、漫画とも水沼製糸場跡に建つ案内板から複写させていただいたものです。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿