al baritono

アマチュア声楽家の独り言 ~ 歌ときどき仕事(笑)

雑味(ざつみ)

2012年01月10日 | もろもろ
商売柄(まだ醤油屋やってます)、時々「利き味(ききみ)」をします。酒の場合は「利き酒(ききざけ)」と言って、官能試験=味見のことです。

大体が人間の味覚(感覚)なんて極めていい加減なもので、体調によってまちまちですし、脳(イメージ)に大きく左右されます。その証拠に、ラベルを伏せて試飲したワインの評価・・なんて番組で有名人が随分と恥をかいてますよね(笑)

ところが、音楽で言うところの「絶対音感」のように、極めて正確に味や香りの強さを判定できる舌を持った人も居ます。濃度の微妙に違う塩水や砂糖水を使ってテストをすると、驚くほど正確に判定できる人が。大手食品メーカーでは全社員を対象にこの試験をして商品の試食判定者の資格を与えたりしています。

ただし、美味い不味いはこの能力とは全く無関係で(笑)、個人の嗜好に大きく左右されます。同じものを、ある人は旨いと言い、別な人は不味いという。というか、美味い不味いではなく好きな味か嫌いな味か?ってことでしょう。だから、最近は美味い不味いよりも「好みに合ってる」という表現をするようにしています。

って・・前置きが長いがな(汗;

さて、その味ですが、表題にある「雑味」ってのが結構重要な役割を果たします。雑味とは極端に言うと不純物の味(笑)
例えば、純粋に水の味ってどんなんでしょう。蒸留水?純水(酸素と水素を反応させたH2O)?どちらにせよ、飲むと不味いです。いや旨くないです。

では旨い水ってどんなんでしょうか?硬水とか軟水とかミネラルウォーターとか天然水とかいろいろありますが、俗に言う美味しい水は純水な水ではなく、何かしらのミネラル成分が含まれています。このミネラル成分の味が「雑味」にあたります。

塩も純度の高いNaclよりもニガリの入った海水塩の方が美味しいし、岩塩もそうですね。
と、純度の高い物、純粋なものが価値があるか?と言うとそうでもないんです。

長野県の松本に「もとき」という吟醸蕎麦の店があります。全国的にも有名で、蕎麦の実を50%くらいまで研いで、その中心部だけを製粉した蕎麦粉で打った蕎麦を吟醸蕎麦として提供しています。普通の蕎麦と違って半透明の乳白色の蕎麦。確かに純粋で雑味のない蕎麦ですが、どうも好きになれません。一方で「田舎そば」これは殻まで挽いた蕎麦粉ですね。だから黒っぽい。荒く挽いてあればブツブツと黒い斑点が見える。雑味たっぷり!でも力のある蕎麦の味。どちらが旨いか?ではなくどちらが好きか?の問題なんですけど。

話は変わって、ここ2日間くらいはソニーの音楽管理ソフトで高音質でCDの取り込みをしています。まだウォークマンは届いていないのでパソコンのスピーカーで再生しているんですが、これがなかなかイイんです。オーケストラのライブ録音などは、ステージの上で発生したと思われる雑音がよく聞き取れます。譜面をめくった音かな?あれ?何か落としたの?とかね?一番目立つのは観客の咳払いですけど(笑)

これらも雑音の部類ですが、この雑音のお陰でスタジオ録音では感じられない臨場感というかライブ感というか、音楽が息づいている・・という感覚を味わうことが出来ます。


って訳で、今年は雑味いっぱいの、味わいのある一年に・・


って・・・オチかいっ!(爆)

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