記憶鮮明、文章不明

福祉は権利。平和こそ最大の福祉。保育なめんな、子どもなめんな、保育士なめんなです。

恐いけれど大事な事

2004-11-21 | 本棚(まんが)
「リュウの道」(石森章太郎)読みたさに毎週少年マガジンを読んでいたおりがみ。
久々に「よまなきゃよかった、こわいよこわいよ。」になってしまった作品についてかきます。

よみきりで、「原爆」を扱った作品でした。
例によって題名忘れ、作者忘れです。(もしかして、さいとうたかおさんかもしれないのですが自信なし。)
〈お話し〉
現代の若者が、古本屋で一冊の本を立読みする。戦争末期の広島、原爆投下の前後のある男性の体験が書かれていた。若者は、読み進むうちに涙をぼろぼろ流す。そして、マンガに書き記そうと決意する。
本の主人公の男は妻と2歳の男の子の3人家族。
最初の悲劇はこどもの死。シャープペンの先を謝って飲み込んで気管に詰まらせてしまう。食糧事情の貧しさから口寂しかったので、おもわず舐めているうちの出来事。夫婦が病院に担ぎ込むが手術に必要な薬品や設備もない。麻酔無しでの手術の結果こどもは亡くなってしまう。戦争が間接的にこどもを死なせたのだと男は嘆くがそれを口にはだせない。
深い悲しみのうちこどもの葬式を済ませた夫婦にさらに原爆がおそいかかる。
その日の朝、妻は建物疎開の動員のためふかし芋を弁当に包んで早朝出掛ける。残った男が空を見上げたとき閃光が起こる。瓦礫から這い出した男は廃墟と化した町をみて愕然とする。閃光の方角に向かった妻はもう生きてはいないだろうと悟る。
崩れた建物の下から幼い兄弟が助けを求めているのを見つけ駆け寄るが、1人ではどうすることもできない。そのうち火の手が迫ってくる。
弟は「いたいよー、熱いよー」と泣き叫ぶ。兄は「がんばれ、がんばれ」と健気に励ます。男は泣きながらこどもの形見のハーモニカを吹いて励ます。「うさぎおいしかのやま」ととぎれとぎれに歌っていたがやがて兄が静かに言う「うう、おじさん、もういいんだ、早く逃げて」兄弟の髪に火が燃え移る。男は幽鬼のように町を彷徨っていく。
だいたいこんなあらすじでした。

男の子が生きながら焼かれて死んでしまう描写が恐くてたまりませんでした。

この出来事が本当にあったことを元にしてかかれているというのも恐怖心を強くしました。

後に高校生になって「はだしのげん」を読んだ時は「知識としての戦争、原爆」がだいぶこなれていたので、むしろ「うん、うん」と悲惨なコマにも共感したり考えたりするいい意味でのゆとりがあったように思います。しかしこのときはもう、マガジンに触るのも嫌と言うくらいの衝撃で、「こんな恐い思いはしたくない」としばらくの間、マガジンを買うのをやめていたほどでした。

ガンも恐いが戦争はもっと恐い、とおりがみ思ったものでした。

でも今は、もう一度あのマンガを読んでみたいと思っています。

母の実家、仏壇には戦争で亡くなった2人の伯父の軍装の遺影がありました。
1人はシベリア、1人は南方、遺骨はありません。いつまでもわかいまんまの2人です。

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