『待つわ』(A Time for Waiting)-2
著者H.L.Welchはニューヨーク在住の主婦。1952年にShort Shortコンテストで一等賞を獲得した作品。(BEST SHORT SHORT STORIES 南雲堂より)
ジーンはデートの後の火照った額をいつまでも勝手口の窓ガラスに押し当てていたかった。
②母さんが寝ていてくれれはいいのだが・・・しかし台所から微かな声が聞こえてきた。そんな台所へは入って行たくなかった。夕暮れに体験したあの貴重な魔法の潮(うしお)はもはや消えてしまいそうだったが、それを失ってしまうなんて彼女には耐えられなかった。まだ消えないで、まだ、もう少しの間だけ。デイック、デイック・・・(続く)
原文:②If only her mother had been in bed... but she could hear the murmur of voices from the kitchen. She hated to enter that kitchen. Already some of the precious magic of the evening had ebbed away and she couldn't bear to lose it. Not yet, not for just another moment. Dick, Dick...
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