花咲く丘の高校生

平成時代の高校の授業風景を紹介したり、演歌の歌詞などを英語にしてみたり。

愛は線香花火

2019-08-05 | 日記
「考えてみれば、永遠なんてものは存在しない。『Never forever.』なんだなあ」
「せんせい、愛は永遠です」と茜が言った。
「そうかなあ、愛だって線香花火のようなものだと思うけどなあ。暗闇にぽっと燃えて、火花が弾けて、すぐに散ってしまう。大切に、大切にしていたものだって、いつかは無くなる。儚いなあ。無常だなあ」
「今日のせんせいはちょっと変ですよ。どうしたの?奥さんと喧嘩ですか?」
「えっ? う~ん。というよりも、あの3.11以来、オレの価値観が崩れちゃってさ、人間不信というより、自分不信状態なんだよ。でも、線香花火って好きだなあ。闇夜を密やかに点してくれて、ぱっ、ぱっ、と美しく弾けて、もう少し待ってくれと思っている間に消えてしまう。愛も人生も線香花火なんだよなあ」
「あたいはスターマインがいいです。やっぱ、花火はスターマインです」と
いつも、いつも前向きな茜でした。

 『花咲く丘の高校生』(p.150)より




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 予習は夜習 | トップ | Smile, and Save the World »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事