美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

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どんな絵を描くかは、どんな旅をするのかということ

2012年03月13日 22時34分27秒 | 日記
エスキース(効率:計画性レベルの高さ)
「イメージを具現化する・思い描く理想を実現するための構想」

エスキースとは、具体的な「夢」を具現化するというよりは、内なる欲求を吐き出す作業と言えるでしょう。
体を動かした方が、喋りやすかったり、考えがまとまったりした経験がありませんか。
エスキースは本番に失敗しないための練習ではありません。下書きとも違います。作業する手先と脳とは連動して機能するので、エスキースは脳を活性化させるための手先の運動と考えた方がいいでしょう。
頭の中で想像するよりは、実際に紙面に絵を描き、視覚で確認していった方がイメージの画像(空間)を修正し、理想の画面に近付けていくことができます。
スポーツ選手がテニスラケットやバットを振りながら自分の理想のフォームに調整していく行為と同じです。また、完成された状態を画面に描きながら段取り(プロセス)の計画をたて、目的(コンセプト)を確認していく面は、旅行前に行き先を下調べし経費を考えて交通手段を検討したり、またどういう目的の旅行なのかを確認したりするような作業に似ています。

長年の経験でこのような作業(思考)に慣れてきて、瞬時に頭の中だけで構想する人もいますが、制作(プロジェクト)の規模が大きくなった場合には特に必要になってきます。しっかりしたエスキースをすることで作品制作が無駄なく安定したものになります。
作品制作においてエスキースは必要がないという人もいますが、旅行に例えるのならその人は「放浪好き」といえるでしょう。いい旅と思える状況を想像してみて下さい。
ガチガチに計画された旅行も楽しむ余裕がなくリラックスすることができないし、逆に無計画すぎても無駄な出費が嵩み、貴重な時間を無意味に過ごすことになるかもしれません。人によりますが、まずは目的を明確にし、事前に下調べ(観察)した上で適度に放浪というバランスがいいのでしょう。しかし、大金を掛けた大きなプロジェクトとなるといき当たりばったりというわけにはいきません。リハーサルを重ね、あらゆる事体を想定し想像力を働かせシュミレーションしていくことが成功に繋がっていきます。

あなたなら一枚の絵を描くとしたら、どんな「旅」をしたいですか?また、旅することでどんな「絵」を仕上げていきたいですか?
夢をもつ人、理想の状況を思い描いている人はたくさんいるとはいえ、具体的に行動に移す人、移し続ける人の数は絞られてきます。行動に移せるということは未来へのビジョンが浮かぶということです。そのビジョンを基にエスキースは組み立てられていきます。
成功するためには元々そういった道を開いてくれるバックグラウンドがあると考えがちですが、何もないところから思い描くビジョンを実現するためにとった行動が、次の仕事へのバックグラウンドになっていきます。また成功するための重要な要素の一つとして「エスキース力」など、将来も続くであろう’展開(変化)’に対応していける力が大切になってくるのでしょう。

いつも活き活きとして生命力に溢れた前向きな人は、目的を実現するためのエスキース力がしっかり身についているのではないのでしょうか。

絵の基本は、イメージ力

2012年03月13日 22時09分44秒 | 日記
イメージ(制作意図:何を望むのか)
 「意図するイメージ・浮かぶイメージ・沸き上がるイメージ」

「イメージ」という言葉は便利で色んなとらえ方で活用されています。
「男のイメージ、女のイメージをもって…」「イメージをもって試合にのぞむ」「この土地のもつイメージとは」「イメージしなきゃ」、その言葉の意味をその用途にあわせていつも理解し適確にとらえられているのかあやしいものです。
イメージには、必要な時に意図的に想像力を使って自分自身の中から引き出していくことと、対象物(場所、相手、物など)に関わった時に自然に浮かんでくる感触、感覚と、また全く無意識にいつ何時関係なく勝手に沸き上がってくる場合などがあります。
まず、意図的にするイメージの一例をあげます。スキーを習った時、滑る前日に上級スキーヤーの滑っている様子を紹介したビデオを鑑賞することや、経験者の話を聞くなどするイメージトレーニングをすすめられました。
たとえ初めて体験することでもその要領をつかめば、その行為に似ている過去のなんらかの経験を応用していけます。要は過去の経験で無意識に培ってきた潜在能力を引き出すということです。確かに上達がはやくなったということもあります。それは意図していずれ行動する自分のイメージをし、必要なことを意識して行動することでやるべきことが具体的にみえてきた効果の現れだと思われます。

浮かぶイメージの一例をあげます。デジャブに似た感覚を覚えたことがありますか?
初めて訪れたはずなのにその土地の薫りに郷愁を覚えたり、初めてあった人に親しみを感じたりする、それが浮かび上がる潜在意識です。日頃少しずつ蓄積された潜在意識が夢で繋がり、具現化された映像として浮かび出てくることもあります。それもまたイメージが起こす現象です。
次に湧き上がるイメージは感情と似ています。癒し、恐怖、不安、喜び、幸福な感情が何かと連動して突然突き上がってきます。そんなイメージがその時の自分のバロメーターになるのかもしれません。
哲学、宗教、及びあらゆる学問の関心事である「人は何処からきて何処へいくのか」という疑問と同様、表現のためのイメージを思考することも「何処からきて…」にあてはまります。
いずれにせよイメージがないまま行動に移した場合、作品制作でいえば技工だけに頼ることになったり、渾沌としたアイデアを繰り返したあげく、その表現にすぐにあきてしまったりしがちです。
たとえ、なんとか(いつの間にか)作品が完成したとしても次の表現制作のための展開ができずにいき詰まりを感じてしまいます。

豊富な’イメージ’をもつためには、豊富な’取材’が必要です。その時に求めているもの気になるものにアンテナをひろげて生活していると不思議と情報がみえてきて必要な資料が集まっていきます。

その時に何を望んでいるかでイメージできることも変わってきます。不思議です。