私が結婚する時は反対もせずに
孫の誕生も喜んでいた。
あの父でも、孫を抱っこして
可愛がっている姿は少し驚きである。
増して、孫が子供を産んで
曽孫を連れてきた時には
それは、すごく可愛がっていた。
父もベッド生活になっても
曽孫との学校ごっこを楽しんで遊んでいた。
病院嫌いな父を説得して
母の介護負担軽減をするために
介護保険を利用し社会から
支援してもらう手続きを行った。
その時の父は、足が動かないので
逃げることもできないが
娘に排泄介助してもらうのに
抵抗があったと思う。
ある時、私がパッド交換していると
「情け無い」と呟いたことがある。
私は聞こえていない振りをしたが
介護を受けるということは
諦めとの戦いなのかも知れないと思った。
父が本当に小さく感じた時がある。
私の息子、父にとって孫から
バカにしたような言い方をした時がある。
私はドキドキした。
昔の父なら
怖い顔で殴っていただろう。
父の顔を見ると、なんとも言えない顔で
黙り込んでいた。即座に私は息子を
叱ったが、父が小さくなったと感じた。
この介護、いつまで続くのだろう？と
疲れた時もあった。
結婚して３３年働いて
お金は全て家族へと流れていく。
息子、孫、両親へと
父からの最後の言葉。
会話となったのが
亡くなる1日前
「お前も頑張れよ」
その言葉が、身に染みて仕方がない。
お葬式でも泣かずにいたのに
父が火葬場へ入る時
さすがに泣いてしまった。
本当に父がいなくなる実感が
込み上げてきた。
「お前も、頑張れよ！」
