Sleepless Sheep

眠れぬ夜を闊歩する・・とりとめ無き戯れの記憶・・・

真夜中の天使

2017年01月08日 09時56分16秒 | peppermint lagoon
方向音痴の僕は


また夜の闇に迷ってしまった




地元の高校生に見える 

ひとりの少女に道を聴く




私ブラジル人なんです


唐突に君はそう言ったね




地場たに座る高校生かと思ったら


母子家庭の中学生だと



君は聞いてもいないのに話し続ける



マスクから溢れる目にアイシャドウが入っていたので


高校生かと思ったというと



素直な君の目は喜びを湛えた




中学生が小学生の妹の送り迎えをするの?




お母さんは仕事だから
 
 

少し淋しげな眼で



君はそう言ったね



道を聞くと後から走ってついてきて


駅まで送るという



中学生に送って貰うという現実に正直戸惑いを感じたが




君からは危機感が全く感じられ無いのは何故なのか


      
  
とりとめの無い話題を僕は話す



はきはきと答える君に僕は  



精一杯の笑顔で返す事しかできなかった



マスクから溢れる君の笑顔と共に  



結局駅の階段まで見送られてしまった



ありがとう



たどたどしくお礼を言う僕に




君は手を振って別れを告げる 



どうやら見えなくなるまで


君は手を振り続けるらしい


 


背中に君の笑顔を感じながら



最終列車へと続く階段を

  


僕は一歩一歩 





頼り無き歩みを進めた




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