ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる筑摩書房このアイテムの詳細を見る |
ウィンドウズ95が登場して爆発的にパソコンブームが到来したのが1995年。
同時にインターネットも普及してITブームが起こりました。あれから約10年。
ネット社会はずいぶんと様相が変わりました。
もうどこかで耳にしていると思いますが。ウェブ1.0→ウェブ2.0への進化です。
意味合いについては色々言われておりますが、
マニュファクチャーから産業革命を経て大きく工業化され、
経済や社会構造が変化していった時代を思わせるほど進化している
ということでしょう。
もっと具体的に言うと1つは「チープ革命」です。
あらゆるIT関連製品は「より高い性能」、「より使い易さ」という
顧客ニーズに応え、さらに高性能で使いやすいものへと向上していきます。
そしてそれが顧客にとって必要十分な機能になってしまうと一気に
価格が下落してしまうのです。安価なパソコン、無料ソフトウェア、
回線コストの下落、検索エンジンのような無料サービス。
その方向性は、なにがしか自分を表現したいという人が数億人現れれば、
コストを意識せずにハリウッドに勝る映画が出てきたり、世界ヒットの
ミュージシャンだって現れる可能性が増えるわけです。
もう1つに「不特定多数無限大」というものがあります。
「1億人の人から1円ずつ集めたら1億円になるなぁ・・」という考えは、
非現実に思えます。それは1人1人から「1円を下さい」と歩いて回っていた
のでは労力とコストがかかってしまうからです。
しかし、ネットを利用して1円貰うコストが1円よりも安ければビジネスとして
成立してしまうのです。
「オープンソース」はこの不特定多数無限大を利用し、Linux(リナックス)、
ウィキペディアなどを作り上げてきました。
よく言われるパレートの法則。20:80の法則とも言われます。
例えば全商品の20%が80%の売上を作るとか、税金を納める上位20%が
税金総額の80%を負担している・・・とか。
最近Webの世界ではこの20%を恐竜の首、無視される残りの80%を「ロングテール」
と呼んでいます。ここで注目したいのは「ロングテール」です。
現実世界では無視される80%ですが「チープ革命」と「不特定多数無限大」の
力を借りると可能性は無限大です。
在庫にかかるコストの心配が無いので売れない商品でもキープしておくことが
可能になります。売れない商品はヒット商品と違い価格競争が起きないので、
それを欲しいと思う人にだけ売ることになります。だから利幅があります。
塵も積もれば「恐竜の首」を凌駕することになるのです。
それを現実にしているのがアマゾンドットコムやituneミュージックストアなどの
ネット流通なのです。