次々と生み出される新しいカメラに新しい機材。正直、ふだん仕事しながらだとついていくのが精一杯で、情報を溜め込んでおいて何かの拍子にアイデアとしてつながるといいと思って頑張って追いかけているが、昨今はほんとうに矢継ぎ早に現れて大変だ。これというのもVimeoや YouTubeのおかげだと思う。撮って見せる場があるからだろう。今回はそんな中でもおお!と思ったやつをいくつかまとめておく。
1)マトリックスで有名になったBullet Timeをたった1台のカメラで再現する方法
これはびっくりした。コロンブスの卵というか。
バレットタイムというと、スチールカメラを何台も何台も被写体に向けて数珠繋ぎに並べて、せーのでパシャっと撮る手法。それをパラパラ漫画的に動かすとあら不思議、被写体をぐるーーっと回る動画が撮れるというアレです。タイムスライスともいう。
世界初なのかはどうか分からないが有名なのはAcceptのMidnight Mover。80年代のメタルキッズなら必ず見たことあるはず!!これ、ノンリニアじゃない当時のリニアビデオでどうやって編集したのか知りたい。。
ACCEPT - Midnight Mover [HQ]
ちなみに弊ブログでも昔書いたが、これの世界初はアニメ「マッハGoGo」という説があるのご存知?このオープニングの最後、決めカットのところがバレットタイムしてる!
【アニメ】 マッハGoGoGo_OP.mpg
さて、この撮影技法はとにかく大変で、カメラが何台も要るしセッティングはめちゃんこ時間がかかるし、尻込みしてしまうものだが、たったの数千円+GoPro×1台で実現してしまう方法があったのでびっくりした。
とにかくご覧あれ。んなアホな!!と馬鹿にしながら見たらビビった。
EPIC Matrix effect w/ a ceiling fan & 1 GoPro (ghetto bullet time)
もう見れば一発で分かるのだが、使うのはシーリングファンだけ。いや、あたま良いというのはこういうことをいうよね。。。
やってみたい!!
2)タイムラプスをモーターコントロールなしでパン&ティルト する方法
一時期、超流行ったタイムラプス。カメラと三脚さえあれば誰でもできるんだけど、固定だとよほどおもしろい映像でないと飽きる。で、カメラに動きをつけようと、ポスプロでただズームしたりパンしたりしても、リアルなカメラワークじゃないし、なんか安っぽい。
で、スライダーとかパン/ティルトヘッドを使う手法が編み出されたんだが、スライダーやパン/ティルトヘッドは機材高いし、山の上とかに持っていったりも大変だし、そもそも現場のセッティングが大仰になってめんどい。
そんなとき、3DCGの環境用に使うHDRIパノラマ写真と同じような考え方でやっちゃえっていうのがこれ。動くHDRIパノラマ写真というか。
その名もPanolapse !!
Panolapse -add panning motion to time-lapses (Vimeo)
これは専用のソフトウエアでレンズのゆがみを補正しつつ、そのゆがみを利用してパン/ティルトしちゃおう!!っていう手法。似たようなことはAfter Effectsでもできるけど、このPanolapseは撮影時のレンズの焦点距離を検出し、1クリックでレンズの焦点距離を変換設定出来ちゃうっていうのが素晴らしい!
これを見て思いつくのが。。。。そうGoPro!あの魚眼レンズを利用すれば完璧!
GoProをリグで固定してタイムラプス撮影すれば、パン/ティルトヘッド使ってお金かけて撮ったがごとくのタイムラプス映像が出来上がり!!
3)長距離移動タイムラプスを自動化
例えばこういうタイムラプスしながら長距離移動するやつ。
NOVALAPSE - Timelapse Showreel 2011 (Vimeo)
これ、最初どうやって撮ってるんだろうと思ったら、意外にアナログで、単純に三脚を数センチずつ移動させる、、、という手法だと分かったときは「なるほどね、確かに」と感心したものだった。
が、さすがにそれはしんどいやろと。。1秒24コマとして、10秒のフッテージを作るのに240回移動しなきゃいけないわけで、よくやるよというのが率直な感想。
これを簡単に自動化できないか、というのがコレ。
IN MOTION- Amazing Moving Time Lapse Video
まあ、実は簡単じゃなくてそうとう試行錯誤してできたマシンだったそうなんだが、基本的にはKesslerのElektraDriveモーターで駆動させるDIYの車にKesslerのRevolution Headを載せてコントロールする、、というものだそうだ。
ウチのElektraDriveモーターで一番遅い500。上記動画ではさらに遅い1000を使っている。
Kesslerのサイトにこれを可能にした張本人、Chris Bedykさんという方のインタビューと写真 が載っている。マルチ・ラプス=Multi Lapseという言葉を作って、この手の撮影を請け負っていらっしゃるそうな。ただ真っ直ぐに進むだけじゃなくてリモコンでステアリングできちゃうっていうことろこもすごい。
これ見て、おおこれならウチにあるモーターで真っ直ぐ進むだけならできるかもーーーとちょっと思ったんだが、まあ自分では永久に作らないだろうな、、、そのうちKesslerから似たような製品が出てくるに違いない。
いかがでしょう。ぜひやってみたいと思いません?さっそくシーリングファンを価格コムしているわたくしでございました。
ただ自分で出来るのは(2)くらいですかね…。(1)はGizmodeで紹介してたのをみましたが、遠心力のせいでどうしても限られてしまいますよね…。ただアイデアには脱帽でした。
コメントありがとうございます!
じつは1)は編集の方法がイマイチわかんないんですよ。。。あれ、60fpsで撮影して、twixtorしてるのかなあ。。
物凄いスピードで回っているものがあんなスローになるのはそれしか方法がない気がするんですがどうなんでしょうか、、、分かりますです??
3)に関してはGoProと合わせてやってみようかな、、なんて考えてます。それこそ2)と合わせればRevolution Headなんて要らないし。。。RCカーを改造してGoProつければそれっぽいものが出来る気がして、、、、
そんな簡単じゃないんでしょうけどね!(笑
twixtorでやってるのと変わんないけど、NO TWIXTOR!ってのは最近それが錦の御旗のようになってるので。って白状してるのは愛嬌あります。(笑
Black Editionだと120fpsできるみたいなのでAEで倍の240fpsにしたんでしょうね。
解説欄見逃してた!そうか、GoPro Hero 3は 120fpsまでいけるんだ。んで、After Effectsのフレームブレンドを使ってるんだな、きっと。
これでFS700が載せられらたら最強だなあ。。。でもきっとこれを大きなカメラでやろうとする人出てくるだろうな。ほんと。
あとは「何撮るか」の面白いのを考え付いた人が勝ち!!ですね~
今までのAE作業を越えるブレークスルーをいただいたようなきがします。。。
私も海外の動画をみて、どーやって撮ってんだろーと不思議に思っていたことが納得できました。
いつも拝読させてもらってますが、非常に有益な情報を掲載されていて勉強になります。
そうなんですよ。ときどき「はあどうやって撮ってるの?」っていう映像が出てきて驚くのですが、あまり「隠そう」っていうひとは少ないですね~
すごく勉強になります。
いずれやり方は誰かが見つけるんで、そうなる前に先駆者として、、って考え方なのかもしれません。
便利な世の中になりました。。ほんと。。。ほんの数年前では考えられなかったですし、、
またいらしてくださいー