「キツネノカミソリ&タヌキノカミソリ」
どちらもヒガンバナ(リコリス)科ヒガンバナ属」の仲間で多年草(球根)です。
花型には二つのタイプがあり 「キツネノカミソリ」などのようにユリに似たラッパ状のものと、「ヒガンバナ」のように花弁が反転するものとがあります。
「キツネノカミソリ(狐の剃刀)」(L. sanguinea)
名前の由来は、細長い葉が剃刀にように見え、葉が無い状態で花が咲くので、その姿が狐に化かされたようだという説があります。
8月中旬頃になると花茎を 30〜50cmほど伸ばし、先端に橙色の花を咲かせます。
花弁は6枚。葉の形や花と葉を別々に出すところは、「ヒガンバナ」と共通しますが、花の形および葉と花を出す時季は異なります。
「タヌキノカミソリ(狸の剃刀)」(L. incarnata)
別名:リコリス・インカルナタ 花期:8月~9月
「キツネノカミソリ」より花がやや小さく、外側に紅紫色の筋が入り、白い部分が多い。
「キツネノカミソリ」に似ている仲間としてこの名が付けられたと思われます。
同時期に大型でピンクの花が咲く「ナツスイセン(夏水仙)」(L. squamigera)にも似ています。(花期:8月)
「ヒガンバナ(彼岸花)」(L. radiata)は見た目も違うし、花の咲く時期が9月下旬頃なので区別が容易です。
別名:マンジュシャゲ(曼珠沙華)
「シロバナマンジュシャゲ(白花曼珠沙華)(L. x albiflora)
別名:シロバナヒガンバナ ヒガンバナの雑種で花期は8月~9月。
「ショウキズイセン(鐘馗水仙)」(L. aurea)
花期:9月下旬~10月上旬。黄色い花は普通のヒガンバナよりも一回り大きくとても鮮やかです。
「ムジナノカミソリ(狢の剃刀)」という「キツネノカミソリ」に酷似し、少し小さな花もあるようですが、お目にかかったことはありません。(※現在、長崎県のみでしか存在が確認されていません。)
いずれも花の時期に葉がないので「マジックリリー」とも呼ばれます。また、鱗茎にアルカロイドを含む「有毒植物」です。