僕ら甥っ子同士(つまり従兄弟ね)も大人を通り越して立派なオッサン。
親も次々と天国に行ってしまいました。
母と叔父の新盆となる今夏、我が家式法事がこれ「慰霊登山」。
誰も行かなくたって僕は行く、そう決めていたけれど、我も我もと集まってくれた従兄弟同士。
こんな時いつも肩を叩き合い、握手を交わしてきた僕ら。
おのおの練習したりしながら準備を進めてきました。
今回は僕以外の全員が八合目の一泊としました。
休みが一日しかない僕は当然日帰りです。
出発時間を早めに設定したいので、仕事が終わり次第そのまま出発する方法を選択しました。
仕事は長引いて、予定より1時間遅れでの出発になりました。
前日に山で食べようと思っていた「カスタードの今川焼き」をしっかり自宅の冷凍庫にしまいっぱなしにしてしまう、うっかりミスも犯しつつペットボトルホルダーも忘れて来る始末でした。
よくやる「帽子」「ペットボトルホルダー」「ストック」「ヘッドライト」の予備は車に入っています。
カスタード今川焼きはあきらめて、ペットボトルホルダーだけザックに取り付けます。
普通の山は準備が簡単、アクセス簡単でいいですねー。簡単すぎてうっかりしました。
思いのほか首都高速が空いていて、22時過ぎに水ヶ塚駐車場に到着しました。
駐車場は7割ぐらいの駐車率でした。
さっさと寝床を用意して寝ます。
寝ようとすると若者の騒ぎ声が耳に触ります。
他の山ではありえない富士山現象です。
めんどくさいので睡眠導入剤を半分だけかじって服用します。
一応1時に目覚まし時計をセットして3時間の睡眠時間を確保します。
ところが何故か0時に目が覚めました。
こういう時は素直に起きた方が身体がだるくならない事が多いのです。
コーヒーを沸かしてポットに詰めます。
そしておにぎりを1つ食べます。
ふとタクシー乗り場を確認すると、なんと行列が出来ています。
そこにいた係の人に待ち時間を聞くと「約2時間」だと言います。
まずいです。非常にまずい。
とりあえずザックを最後尾に置き、最後尾のグループに声をかけておきます。
準備を整えて列に並び直します。
タクシーがなかなか来ませんでした。
このままだと集合時間に間に合わないです。
係の人に『相乗りさせないんですか?』と聞くと『お金の問題もあるので⋯』と言うだけ。
『それでは僕が交渉するので少人数のグループがいたら相乗り可能かどうか聞いていただけますか?』と言っておきました。
タクシー1台入りました。
4人乗りました。出発しました。
係『お次の方は何名様ですか?』と聞いています。
『3人です』と言っています。
きた!
ところが係の人はそれっきり相乗りの話はしてくれません。
ちょっと頭に血がのぼって係の人にアピールしに行きました。
『次の方3人ですよね、相乗りの交渉してOKだったらよろしいですか?』 と優しく強く。
すると『はい、そりゃぁもうどうぞ』と。
3人は家族連れです。
『申し訳ありません、相乗りさせていただきたいのですがよろしいでしょうか』
するとお父さんが『ああ、構いませんよ』と言ってくれました。
係の人に登山口までおいくらかかりますか?と聞くと『5000円ちょいというところでしょうか』と言います。
『では僕が2000円出します』と言いました。
お父さんは『あ、すみません』といっていましたが、ちゃんと計算して4人の割り勘に計算してくれました。
もちろん僕はそれを断りました。
『本当は全額僕が持ちたいぐらいです』と本当にそんな気持ちでした。
子連れ登山なようで、小さな女の子を連れていました。
小学二年生だそうで、なんと日帰りするんだとか。
いろいろお話しましたが、最後はその女の子が一番速いと言っていました。
タクシーが入ってきました。
僕が前に乗りました。
僕『今日はだいぶ混んでいますが、最近そうなんですか?』
運転手『いや、珍しいです』
僕『今日は2時間待ちと言われました。タクシーが何台出るというのは決まってるんですか?』
運転手『ガスのタクシーは燃料の補充が難しいので無くなるとおしまいなんですよ。この車はガソリンなので一旦降りてどこかで給油してくるっていうのが出来ますけどね。何台出るかはドライバーの気分によることが多いですね』
なるほど。
富士宮ルート五合目に到着しました。
相乗りさせて下さった家族連れにお礼を言って登り始めました。
時刻は2時になろうかという所でした。
この時間はいつもまわりに人はいないのですが、最近はなんだろう降りてくる人もけっこういました。
しかもほとんどが外国人です。
中にはビニール袋に水が1つ入っているだけの人もいました。
驚くことにヘッドライトを持っていない人もいます。真っ暗ですよ。
ビニールのポンチョで防寒している人、キラキラのレスキューシートを巻き付けている人、タンクトップにショートパンツの人。そして登山靴の人はほとんどいません。
驚きました。
そしてゴミがすごいです。
普通に空になったペットボトルやお菓子の袋、中には破れた衣類なんかも捨ててあるんです。
もちろん吸殻は当たり前です。
山小屋の前なんかゴミだらけです。
一番驚いたのはくわえタバコで登ってくる外国人グループ。さすがに注意しましたが、まったく通じていません。
日本人はやらないのに「世界遺産」になってから富士山は変わってしまったのです。
もうこの変化はきっと止められないです。
外国人入山者に対しての入山税を検討するべきだと思います。日本人にばかり協力金を求めても限界があると思います。
世界遺産になる前は登山者どうし挨拶もしました。
今は日本人かどうかわからないアジア系の人も普通に大勢いるので、挨拶はほとんど無しです。
山そのものが外国人に占領されてしまったように感じました。
そんな事を感じながら、悶々と登り続けていると先発隊が泊まっている八合目に到着しました。
ちょうど「郷ひろみの弟みたいな顔した従弟」が出てきたところでした。
今回の先発隊リーダーです。
話によると、登るのに時間がだいぶかかっている者が2名いたとのことです。
それでも初日は天気も良く、登山日和だったと思いますし、山小屋初体験でこれまた面白かったのではないでしょうか。
やがてメンバーが揃い、全員と握手を交わして健闘をたたえました。
午前5時をすこし回った頃、山頂に向けて出発しました。
僕は仕事疲れと寝不足からか、幾分身体が重いです。
ここまでようやく登ってきた弟と山頂を目指すことにしました。まさか弟と富士山に登れる日が来るなんて思いませんでした。
ここからはカッパ装着の雨山行となります。
結局この雨は上がらず、山頂での法事も辛い雨の洗礼を受けながらとなりました。
剣ヶ峰(3776m)に続く馬の背を登りきった時、従兄弟同士それぞれの熱い血潮が燃えたぎった瞬間でもありました。
叔母の時も辛い風雨の中でしたが、またもやこうなるとは⋯。
もしかしたらお盆で帰ってきた天国の母親たちの表現方法がこれなのかもしれません。不思議と誰も雨に文句を言いませんでした。
楽しみにしていた山頂での食事もあきらめ、下山することにしました。
いつの間にか雨もやみ、あんなに冷たく凍えた指先もいつの間にか温かさを回復していました。
カッパを脱ぎ、また楽な格好に戻りました。
のんびりゆっくり。
結局、全員が下山出来たのが16時過ぎでした。
みんなよく頑張ってくれました。そして、全員その達成感を噛み締めていました。
さあ、風呂!
入りたかったんだよー風呂!
富士山の山小屋に割引券が置いてあった『花の湯』に行きました。
JAF割もありますが、富士山でもらった割引券の方が割引率が良いそうです。
水ヶ塚駐車場から20km以上ありますが、とても良いところです。色々なお風呂があり、そこで富士山談議に花が咲きました。
その後食事会となり、サラダバーとドリンクバーが一緒になったメニューで乱れ食いしました。
一番年長のボスの言葉でこの2日間を絞めくくりました。いつも彼の行動はほかの甥っ子達のお手本です。
『いつまでも今の関係を絶やさずに行こう⋯』とボスが言いました。
みんな深く頷いていました。
おしまい。
親も次々と天国に行ってしまいました。
母と叔父の新盆となる今夏、我が家式法事がこれ「慰霊登山」。
誰も行かなくたって僕は行く、そう決めていたけれど、我も我もと集まってくれた従兄弟同士。
こんな時いつも肩を叩き合い、握手を交わしてきた僕ら。
おのおの練習したりしながら準備を進めてきました。
今回は僕以外の全員が八合目の一泊としました。
休みが一日しかない僕は当然日帰りです。
出発時間を早めに設定したいので、仕事が終わり次第そのまま出発する方法を選択しました。
仕事は長引いて、予定より1時間遅れでの出発になりました。
前日に山で食べようと思っていた「カスタードの今川焼き」をしっかり自宅の冷凍庫にしまいっぱなしにしてしまう、うっかりミスも犯しつつペットボトルホルダーも忘れて来る始末でした。
よくやる「帽子」「ペットボトルホルダー」「ストック」「ヘッドライト」の予備は車に入っています。
カスタード今川焼きはあきらめて、ペットボトルホルダーだけザックに取り付けます。
普通の山は準備が簡単、アクセス簡単でいいですねー。簡単すぎてうっかりしました。
思いのほか首都高速が空いていて、22時過ぎに水ヶ塚駐車場に到着しました。
駐車場は7割ぐらいの駐車率でした。
さっさと寝床を用意して寝ます。
寝ようとすると若者の騒ぎ声が耳に触ります。
他の山ではありえない富士山現象です。
めんどくさいので睡眠導入剤を半分だけかじって服用します。
一応1時に目覚まし時計をセットして3時間の睡眠時間を確保します。
ところが何故か0時に目が覚めました。
こういう時は素直に起きた方が身体がだるくならない事が多いのです。
コーヒーを沸かしてポットに詰めます。
そしておにぎりを1つ食べます。
ふとタクシー乗り場を確認すると、なんと行列が出来ています。
そこにいた係の人に待ち時間を聞くと「約2時間」だと言います。
まずいです。非常にまずい。
とりあえずザックを最後尾に置き、最後尾のグループに声をかけておきます。
準備を整えて列に並び直します。
タクシーがなかなか来ませんでした。
このままだと集合時間に間に合わないです。
係の人に『相乗りさせないんですか?』と聞くと『お金の問題もあるので⋯』と言うだけ。
『それでは僕が交渉するので少人数のグループがいたら相乗り可能かどうか聞いていただけますか?』と言っておきました。
タクシー1台入りました。
4人乗りました。出発しました。
係『お次の方は何名様ですか?』と聞いています。
『3人です』と言っています。
きた!
ところが係の人はそれっきり相乗りの話はしてくれません。
ちょっと頭に血がのぼって係の人にアピールしに行きました。
『次の方3人ですよね、相乗りの交渉してOKだったらよろしいですか?』 と優しく強く。
すると『はい、そりゃぁもうどうぞ』と。
3人は家族連れです。
『申し訳ありません、相乗りさせていただきたいのですがよろしいでしょうか』
するとお父さんが『ああ、構いませんよ』と言ってくれました。
係の人に登山口までおいくらかかりますか?と聞くと『5000円ちょいというところでしょうか』と言います。
『では僕が2000円出します』と言いました。
お父さんは『あ、すみません』といっていましたが、ちゃんと計算して4人の割り勘に計算してくれました。
もちろん僕はそれを断りました。
『本当は全額僕が持ちたいぐらいです』と本当にそんな気持ちでした。
子連れ登山なようで、小さな女の子を連れていました。
小学二年生だそうで、なんと日帰りするんだとか。
いろいろお話しましたが、最後はその女の子が一番速いと言っていました。
タクシーが入ってきました。
僕が前に乗りました。
僕『今日はだいぶ混んでいますが、最近そうなんですか?』
運転手『いや、珍しいです』
僕『今日は2時間待ちと言われました。タクシーが何台出るというのは決まってるんですか?』
運転手『ガスのタクシーは燃料の補充が難しいので無くなるとおしまいなんですよ。この車はガソリンなので一旦降りてどこかで給油してくるっていうのが出来ますけどね。何台出るかはドライバーの気分によることが多いですね』
なるほど。
富士宮ルート五合目に到着しました。
相乗りさせて下さった家族連れにお礼を言って登り始めました。
時刻は2時になろうかという所でした。
この時間はいつもまわりに人はいないのですが、最近はなんだろう降りてくる人もけっこういました。
しかもほとんどが外国人です。
中にはビニール袋に水が1つ入っているだけの人もいました。
驚くことにヘッドライトを持っていない人もいます。真っ暗ですよ。
ビニールのポンチョで防寒している人、キラキラのレスキューシートを巻き付けている人、タンクトップにショートパンツの人。そして登山靴の人はほとんどいません。
驚きました。
そしてゴミがすごいです。
普通に空になったペットボトルやお菓子の袋、中には破れた衣類なんかも捨ててあるんです。
もちろん吸殻は当たり前です。
山小屋の前なんかゴミだらけです。
一番驚いたのはくわえタバコで登ってくる外国人グループ。さすがに注意しましたが、まったく通じていません。
日本人はやらないのに「世界遺産」になってから富士山は変わってしまったのです。
もうこの変化はきっと止められないです。
外国人入山者に対しての入山税を検討するべきだと思います。日本人にばかり協力金を求めても限界があると思います。
世界遺産になる前は登山者どうし挨拶もしました。
今は日本人かどうかわからないアジア系の人も普通に大勢いるので、挨拶はほとんど無しです。
山そのものが外国人に占領されてしまったように感じました。
そんな事を感じながら、悶々と登り続けていると先発隊が泊まっている八合目に到着しました。
ちょうど「郷ひろみの弟みたいな顔した従弟」が出てきたところでした。
今回の先発隊リーダーです。
話によると、登るのに時間がだいぶかかっている者が2名いたとのことです。
それでも初日は天気も良く、登山日和だったと思いますし、山小屋初体験でこれまた面白かったのではないでしょうか。
やがてメンバーが揃い、全員と握手を交わして健闘をたたえました。
午前5時をすこし回った頃、山頂に向けて出発しました。
僕は仕事疲れと寝不足からか、幾分身体が重いです。
ここまでようやく登ってきた弟と山頂を目指すことにしました。まさか弟と富士山に登れる日が来るなんて思いませんでした。
ここからはカッパ装着の雨山行となります。
結局この雨は上がらず、山頂での法事も辛い雨の洗礼を受けながらとなりました。
剣ヶ峰(3776m)に続く馬の背を登りきった時、従兄弟同士それぞれの熱い血潮が燃えたぎった瞬間でもありました。
叔母の時も辛い風雨の中でしたが、またもやこうなるとは⋯。
もしかしたらお盆で帰ってきた天国の母親たちの表現方法がこれなのかもしれません。不思議と誰も雨に文句を言いませんでした。
楽しみにしていた山頂での食事もあきらめ、下山することにしました。
いつの間にか雨もやみ、あんなに冷たく凍えた指先もいつの間にか温かさを回復していました。
カッパを脱ぎ、また楽な格好に戻りました。
のんびりゆっくり。
結局、全員が下山出来たのが16時過ぎでした。
みんなよく頑張ってくれました。そして、全員その達成感を噛み締めていました。
さあ、風呂!
入りたかったんだよー風呂!
富士山の山小屋に割引券が置いてあった『花の湯』に行きました。
JAF割もありますが、富士山でもらった割引券の方が割引率が良いそうです。
水ヶ塚駐車場から20km以上ありますが、とても良いところです。色々なお風呂があり、そこで富士山談議に花が咲きました。
その後食事会となり、サラダバーとドリンクバーが一緒になったメニューで乱れ食いしました。
一番年長のボスの言葉でこの2日間を絞めくくりました。いつも彼の行動はほかの甥っ子達のお手本です。
『いつまでも今の関係を絶やさずに行こう⋯』とボスが言いました。
みんな深く頷いていました。
おしまい。
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