Thinking of you

旅行記や映画の感想など日々の暮らしを徒然なるままに残しておきます

エイブル(able)

2005-02-24 23:32:04 | 映画
テレビも面白くなかったので、雑誌を見ながら適当に衛星でもつけておこうと見始めた映画(ドキュメンタリー?)。
気づけば、思いっきり引き込まれておりました。
久しぶりに感動して、涙がチョチョ切れちゃった
最初の15分ぐらいを見逃したのが、本当に悔しいぐらい。
内容は、自閉症(知的障害者なのか。そこのところは良く分からなかったけれど)の仲の良い青年二人が、アメリカにホームスティするという話なのだ。
期間も、特定の場所も定かではないのだが、受け入れる夫婦は典型的な善良なアメリカ人。
日本の画一的なカテゴリーの中に括られるんではなくて、一人一人の人間性や性格を本当に尊びながら暮らしていく様は感動的ですらあった。
けれど、そのことに感動するということは、日本の教育がそれだけ劣っているのだということだと思う。本来は、普通に行われていなくてはならないのに……。

高校生のジュン。彼を受け入れる高校。彼の授業には都度、同じ校舎で学ぶ健常者の高校生が着く。彼らにとって、それは単位の一つであり、当たり前のことなのだ。
子供の頃の交通事故で脳に麻痺と身体が不自由になった青年が、ジュンのパートナーになった。彼は学校の人気者で、朝来るとずっと学校の扉を開けているのだ。それは健常者だけではなく、障害者も通う彼らが通れるように。それを手伝うように言われ、最後には自主的に開けるようになったジュン。
少し年上のゲンは、障害者の自立支援の学校に通いホテルで働くまでになったのだ。
そして、二人を支えたジョシカとマーク(名前、うろ覚えだけど)本当の両親のように彼らを支え、いろんなことにチャレンジし、最後には彼らにたくさんの事を学んだと言い切る彼らは凄いなと思った。
自分の息子だったら、誇りに思うという。
何よりも、アメリカの支援政策が素晴らしい。健常者と同じ高校。障害者を雇う企業。アフターファイブも、スペシャルオリンピック(知的障害者のためのものなのか?)のためにバスケットを練習する場所が用意されている。
家になんか、篭らない。本当に、外へ外へ出て行く国は、いろんなことを言われていても素晴らしいと思う。
彼らは学んでいないのではなくて、処理能力が少し遅いだけなのだと同じく自閉症の息子を持った中国系の女性は語っていた。
「フォルダーがたくさんあって、どこに仕舞ったか分からなくなるの。だけど突然フォルダーが開いて分かるようになったとき、教えたことが無駄ではなかったと思うのよ」
余裕のある生き方だなぁと思った。一つ一つ、本当に丹念に丁寧に生きている暮らしだと思う。
日本のように余裕の無い、時間に追われ時間を過ぎ去るように無駄に生きている国はやはり貧しいのかもしれない。
いろいろ思うところはあるし、全てが正しいわけではないが、それでもアメリカの懐の大きさというか精神的な豊かさを垣間見た気がする。

感情を余り表さないジュンが、学校最後の日に一人で泣いていたのが印象的だった。