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国民にポジティブな魅力が伝わる野党共闘へ ― 新春対談 ②

2020-01-05 | 市民と野党共闘で政治を国民本位に変えよう

日本共産党委員長 志位和夫さん

市民と野党の共闘の発展

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(写真)なかの・こういち 1970年生まれ。上智大学国際教養学部教授(政治学)。「立憲デモクラシーの会」呼びかけ人。「市民連合」メンバー。主な著書に『つながり、変える 私たちの立憲政治』『右傾化する日本政治』など。

 志位 野党共闘をめぐっては、2014年の総選挙の前に、中野さんたちにお会いした際に、「志位さん、野党共闘はどうですか?」とお話をいただいたことがありましたね。

 中野 ええ、よく覚えています。印象深いやりとりでした。

 志位 そのとき、私たちの党は衆院で8議席で小さいこともあり、「もうちょっと待って」という話をしました。(笑い)

 中野 そうでしたね。

 志位 そのあと2015年9月に安保法制=戦争法反対のたたかいのなかで共闘の方向に踏み出しました。それから4年間、3回の衆参国政選挙をやり、一定の成果をあげてきたといえると思うのですね。とくに参院選についていいますと、16年の選挙で、32ある1人区のうち11選挙区で野党統一候補が勝利し、昨年19年の選挙では10選挙区で勝ちました。この二つの参院選で11と10の1人区での勝利が積み重なったことによって、改憲勢力を3分の2議席割れに追い込み、自民党を参議院で過半数割れに追い込んだ。大きな成果をあげてきたというのは間違いなく言えると思います。

 しかし、ここでどうしても、もう一歩、野党共闘をバージョンアップする必要があると考えまして、昨年8月8日の党創立97周年記念講演のなかで、市民と野党の共闘の4年間の成果と到達点を踏まえて、さらにすすんで野党連合政権を実現するために力を合わせよう、そのための政治的合意をしっかりつくり、野党連合政権が実行する政策を国民にしっかりと示していくことが、野党共闘が発展するうえでどうしても必要な時期に来ているのではないかと提案させていただきました。

 その後、立憲民主党、国民民主党、社民党、れいわ新選組の4野党の党首と会談を重ねてきました。立憲民主党代表の枝野幸男さんとは、「安倍政権を倒し、政権を代え、立憲主義を取り戻す」という点で一致しました。国民民主党代表の玉木雄一郎さんとは、「立憲主義の回復」「格差をただす」「多様性を大切にする」という三つの方向で一致し、政権交代のために協力していくことで合意しました。社民党党首の又市征治さんとは、安倍政権の打倒と政権交代で協力することで合意し、れいわ新選組代表の山本太郎さんとは、野党連合政権を協力してつくっていこうということでの合意が得られました。重要な前進だと思います。

 4党首のみなさんとの合意は、いろいろな色合いの違いもあるんですけれども、私の実感として、「野党連合政権をつくろう」という呼びかけをさせていただいて、一歩一歩、その方向に向かって前進してきたという間違いのない手ごたえはあるのです。ですから、ぜひ、これを総選挙に向けて実らせて、国民のみなさんに自民党に代わる政権はこうだというものをしっかり示せるような共闘にしたいと考えているところです。今年はぜひそういう年にしたいと決意しています。

 中野 安倍首相が2014年12月、解散権を乱用して消費税増税を先送りすると、恩着せがましく言って解散・総選挙をやった。その選挙の前です、私たちは無理を承知で志位さんに野党共闘のおうかがいをしました。その時に、志位さんがおっしゃったことを私はよく覚えています。

 その時の話が、本当にその通りになっていきました。非常に心強いところでもあります。また、4年前、「しんぶん赤旗」の新春対談でお話しさせていただいたときも、無理やり安保法制は強行採決されてしまったけれども、われわれはまだまだ抵抗してこれを変えていく、そういうたたかいが力強く続いていて、次の局面に移っていっているという手ごたえを感じていたと思うんです。

 そこから、おっしゃったとおり3回の国政選挙があって、紆余(うよ)曲折を経ながら、市民と野党の共闘への逆流がすごい勢いできたときも、体を張って共産党にも止めていただいたということがありました。2020年に関していえば、政権構想を提示していって、有権者がもう一回希望を持てるような選択肢を提示できるようにしていく。この間の市民と野党の連携をより強く、より広がりができるものにしていきたいと思っていますし、十分可能だと思っています。

 志位 政策的な一致点でいいますと、昨年の参院選で市民連合のみなさんと野党で交わした13項目の合意がありますよね。野党各党の間ではこれがベースになると思うんですが、少なくとも次の三つの点は、安倍政治からの転換の方向で一致できるのではないかという提案を、この間行ってきたんです。

 一つは、憲法にもとづき、立憲主義、民主主義、平和主義を回復する。

 二つ目は、格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治に切り替える。

 三つ目は、多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を築く。

 立憲主義の回復、格差是正、多様性の尊重――これらは当たり前のように見えるけれど、すべて安倍政治にはないものです。安倍政権はこの3点においてまったく正反対のことをやっているわけですから、安倍政治からの転換の内容になるし、野党共闘の理念の提示になる。この三つの転換の方向で大枠一致して、政策を詰めていく、そして政権をつくるということがしっかりと示せれば、国民のみなさんからみて、一つの新しい希望のもてる方向が見えるんじゃないかと思って、こういう提案をしてきました。

 中野 なるほど。玉木さんとの会談では、3点とも合意されたそうですね。

 志位 ええ。おそらく他の野党のみなさんとも話し合えば、「当然だね」と一致すると思うんです。よく安倍首相は、野党共闘について「理念なき野合」といいますが、野党にはちゃんと立派な理念があるということを示しながら、政策を詰めていくことが大事じゃないかと。

 中野 「理念なき癒着と支配」をしているのは自公政権ですからね(笑い)。おそらく自分たちのイメージを野党に投影したいということなんだとは思いますが(笑い)。いまおっしゃった3点は、われわれ市民連合としても、13項目を提示したときのエッセンスがそこにあると思うんです。13項目のときのスローガンは、「だれもが自分らしく暮らせる明日へ」です。そこに込めた思いは、憲法が体現する価値を踏まえたうえで、暮らしの意味でも自分たちらしく暮らせる、ディーセントワークなども含めてです。

 多様性ということでいえば、ジェンダーの問題とか、日本のなかで一緒に暮らしているいろんなルーツをもっている人たちや、セクシュアルマイノリティーの人たちとのつながり、世代間でもうまくつながっていくということで。

 志位 それが13項目に入っているんですよね。

 中野 そうなんです。いよいよそれをさらに普遍化し、どうやってより多くの人に届くような伝え方をこれからわれわれがやっていくことができるのか。大きな課題なんじゃないかと思っています。

多様性の中の統一

 志位 よく安倍首相などが野党共闘に対して、「枝野さんと志位さんとは自衛隊の問題では立場が違うのに一緒にやっているのはおかしい」と批判するんですよ。それこそおかしい。野党は、それぞれ別の党なんだから、それぞれの党の個性があっていいじゃないですか。別の政党だから、独自の政策があって当然でしょう。違いがあっても、お互いに尊重して、リスペクト(尊敬)して、一致点でしっかり協力する。「ユニティー・イン・ダイバーシティー」、多様性の中の統一です。これが一番強い。安倍首相の方は多様性ゼロですから(笑い)。よっぽどこちらの方が魅力的だという姿を野党共闘のなかで見せていくことが大事じゃないかと思っていまして、私たちならではの独自の政策も大いに語っていこうと思っているんですよ。

 消費税廃止を目標にしつつ緊急に5%に減税する。国民多数の合意で日米安保条約を廃棄する。さらに私たちは社会主義・共産主義社会をめざしていますから、未来社会の展望を大いに語っていこうと思います。私たちは日本共産党としての魅力を大いに語って伸びていく。ただ、共闘のなかでは一致点でしっかりやる。それは当たり前の民主的なルールだと思うんですね。

 中野 おっしゃっていることは、まさに世界の常識だと思っています。いま、安倍さんたちは野党に対する印象操作をやって、「野党はバラバラだ、理念がない」というレッテルを貼る傾向がある。しかし、だれでもよく知っているのは、非常に苦労しながら話し合って共通点を見いだして、選挙協力につなげていく、そして合意できる政策をあぶり出していくことは、世界の多くの国で当然のこととしてやっているということです。だから、選挙のときには話し合って選挙協力をし、政権をつくるということになれば共通政策をつくって、一緒に政策を進めていく。これは当たり前です。

 いつまでに、どこまでだったら一緒にできるというのは、決して単一の政党にならなくてはいけないとか、みんなで同じ色に染まらなければいけないとか、大政党のいうことに小政党は全部つかなければいけない、ということではないと思っています。

 志位 世界という点では、ASEAN(東南アジア諸国連合)のモットーが「ユニティー・イン・ダイバーシティー」なんです。ASEANの国々は発展段階が違います。先進国もあれば、途上国もある。社会体制も違う。宗教も違う。まさにダイバーシティー(多様性)に富んでいる。ダイバーシティーに富んでいるわけですが、ユニティー(統一)が非常に強い。TAC(東南アジア友好協力条約)を土台として、地域の平和の安定のために協力し、あらゆる紛争問題を話し合いで解決する。このことを実践しています。

 中野 そうですね。

 志位 国家間の問題と政党間の問題は違うんだけれども、ASEANに何度もうかがって、「ユニティー・イン・ダイバーシティー」はいいモットーだなと思って、最近、野党共闘でも使わせていただいているんです。多様性を大事にしながら統一するっていうのは、世界ではいろんなところで、いま、当たり前になっているんじゃないかと。

 中野 さっきおっしゃった「安倍政治からの転換の三つの方向」の三つ目――「多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治」を掲げている以上は、そこにいたる道のりも、多様性を前提にしていくことが不可欠となります。安倍さんのもとでみんなが沈黙して、服従して、なんでもいうことを聞いていくというやり方に対して、われわれは、議論するときはしながら、そして合意をつくったならば、それを一緒に進めていくという作業を繰り返していくことが、まさにその多様性を尊重しながら、だれもが尊重される、だれもが自分らしく暮らせるような社会をつくっていくための政治の進め方が、必然的に求められるんじゃないかなと思っています。

 志位 それが、一番強いと思いますよ。しなやかで強い。向こうは多様性ゼロで、強そうに見えるけどもろいと思いますね。

 中野 私は市民連合も同じだと思っています。それぞれ違いがあるから、デコボコみたいになっているところがある。たとえていうなら、きれいに製紙された紙と違って和紙みたいにすいたような形です。しかし、かえって破れづらいところがある。

 お互いがお互いの強みを持っていて、お互いがお互い、ここはこだわりたい。しかしここは一緒にやっていこうというようなことが当然あって、安倍政権を倒したあとでは、さらに議論を活発化させて、いまのような時代、これから何をやるべきなのかということに関しては、一回話し合って決めてそこでおしまいとか、絶対権力を握っている人がこっちにいくからこれで決まるというような単純な時代じゃないと思うんです。だからこそ、それぞれの英知を持ち寄って、お互いを尊重しながら、リスペクトしあいながら、政策を前に進めていくという政治を、すでに野党にありながら、模索していただいていると思っています。

 志位 「リスペクト」という言葉も、もともと4年前の対談で中野さんが、メッセージの伝え方というお話をされたなかで語られたものでしたね。「メッセージを伝えるためには、相手をリスペクトして、相手の立場を尊重してこそメッセージが伝わっていく」と。とってもいいお話だなと思って、私たち心がけているつもりなんですけれども。(笑い)

 中野 いやいや、それはもう十分わかっております(笑い)。それこそ、この間、何度か折に触れてこうやってお話をさせていただいていますから。

「個人の尊厳」とジェンダー平等

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(写真)性暴力を許さないと、フラワーデモで訴える人たち=2019年11月11日、東京都千代田区

 中野 ジェンダー平等という課題ですが、だれもが自分らしく暮らせる、そして個人の尊厳というときに、これまで、日本社会においては、このジェンダー平等の視点が欠けていたと思うのです。そういった中で社会の制度設計がなされ、あるいは暴力や差別の構造がどんどん出てきていることは、特にわれわれ男性は、ともするときわめて無感覚に来ていた部分もあると思います。

 これだけ多くの女性が声を上げて、取り組みを始めて、お互いを支えあっている時に、遅ればせながらであっても、私たちにも何ができるんだろうかという思いは、これからの政治を切り開いていく上で、そして日本社会を変えていく上では、根本的なことだと思います。それは、一つの政策分野というよりは、視点としてすべての政策分野に及んでいくようなインパクトを持つべきものだろうと思っています。

 志位 ジェンダー平等は、中野さんが以前から大事な問題だと提起されていた問題ですが、この間、世界でも大きなうねりとなっていますし、日本でもジェンダー平等をめざすさまざまな運動が起こっている。フラワーデモなど性暴力を根絶していこうという流れも起こってきました。そういう運動に私たちも学びながら、今度の党綱領一部改定案に「ジェンダー平等社会をつくる」ということを書き込みました。

 全党討論のなかでは、「ジェンダーとは何か?」という疑問も出てきました。私の理解では、ジェンダーとは、一般に「文化的・社会的につくられた性差」と定義されるのですが、これは決して自然につくられたものではない、慣習でもない、個人の意識だけの問題でもない。時々の支配勢力が、自らの支配のために「女性らしさ」とはこうだ、「男性らしさ」とはこうだ、というような行動規範なり、役割分担なりを押し付けてきた。つまり政治的に押し付けられて、歴史的に形成されてきたというとらえ方が大事だと思います。

 ですから、この問題を解決する方法は、もちろん一人ひとりの意識を変えていくことも大事だけれども、政治を変え、社会を変えるというところが大事になってくる。こういうとらえ方が大切ではないでしょうか。

 もう一つ、中野さんの話との関係で言いますと、ジェンダー平等社会をつくるというのは、「男性も、女性も、多様な性をもつ人々も、差別なく、平等に、自分の能力を自由に発揮できる社会」をつくるということではないでしょうか。

 中野 そうですね。

 志位 つまり、今ジェンダーのいろんな縛り、「女性はかくあらねばならない」「男性はかくあらねばならない」という縛りの中で、自分の本当に自由な自己実現ができない。それを取りはらって、だれもが差別なく、平等に、自分らしく生きることができ、自分の力を発揮できる。「エンパワーメント」できる。これがジェンダー平等のめざすべき社会ではないかと思うんですね。

 ところが、日本はジェンダーギャップ指数121位という、世界で最も遅れた国になっています。なぜかと考えますと、二つ問題があると思います。

 一つは、財界の無分別で、節度のない利潤第一主義です。建前の上では「男女平等」というが、実際にはもうけのためには、ジェンダー差別を平気で押し付けている。女性には「安上がりの労働力」と「家族的責任」を一方的に押し付ける。男性には「企業戦士たれ」と長時間労働と単身赴任を押し付ける。女性にも男性にもジェンダー差別を押し付け、最大の富を吸い上げる。日本は、「ルールなき資本主義」の国と言われますが、こうしたルールのなさはジェンダーの問題にいちばん集中的にあらわれているのではないかと思います。

 日本経団連の役員名簿を見たら、会長・副会長の中に女性は一人もいないですよ。ILO(国際労働機関)総会でハラスメント禁止条約が採択されても、日本の経団連は棄権でしょ。先進国で日本だけですよ。利潤追求をジェンダー平等の上に置く恥ずべき態度です。

 中野 本当にそうですね。

 志位 もう一つは、明治期につくられた男尊女卑、個人の国家への従属――この政治思想がある。明治期になって、絶対主義的天皇制を頂点とする国家体制の末端に「家族」が位置付けられて、その中で男尊女卑、個人の国家への従属が末端まで国家によって強権的に押し付けられた。教育勅語、刑法・民法、すべてあの時代に徹底的にジェンダー差別――女性は「大和撫子(なでしこ)たれ」と、男は「勇猛果敢に戦え」と、こういう価値観がつくられた。戦後も戦前的な価値観を持った勢力が政権を担ってきたわけですが、安倍政権というのはその中でも一番悪い流れをくんでいる。戦前の日本を「美しい国」として逆行をはかる。「女は子どもを3人産め」などと平気で言う勢力がいまだにいる。財界の無分別と節度のなさ、明治時代の戦前的な価値観をいまだにもって押し付ける勢力、この二つを変えていくたたかいじゃないかと思います。

 中野 いま、おっしゃった点は、明治の時代につくられた父権社会の中での「動員」の発想ということだと思います。それは教育面では教育勅語にあらわれているわけですけれども、発想として男性も女性も国家の目的のために動員をするということです。それが、いまだにまかり通っています。

 1980年代には、それは見直していかなければいけないという流れが起きて、男女雇用機会均等法もそうですし、フェミニズムの新しい流れ、取り組みもあったと思うんですが、それに対するバックラッシュ(揺り戻し)が90年代の終わりごろから強くなっていったのです。そして今の政権では完全に先祖がえりしてしまっている

 それに対して私たちが、打ち立てていかなければいけないのは、抑圧や差別、暴力というものはだれに対してのものであっても許してはならない、もちろん性差別に関しても退けていくことに取り組んでいかなければいけない。

 もう一つは、そのような「動員」の発想でやっていくことの限界、破綻がこれだけ明らかになっていて、それは男性に対しても女性に対してもそうだと。われわれが目指していかなければいけない社会というのは、自由な個人が自分らしく暮らしていく、そのことの活力の中から、日本の社会や経済も底上げがなされていくという形で未来を切り開いていこうと言うことだと思います。

 志位 そうだと思いますね。先ほど中野さんが、ジェンダーの視点は一分野の問題じゃない、すべての分野に貫かなければならない視点だとおっしゃられましたが、大事な点だと思います。国連総会が2015年に採択した「持続可能な開発目標」(SDGs)では、2030年までに達成する17の目標を決めていて、5番目が「ジェンダー平等の実現」ですけれども、ジェンダー平等はSDGsのその他の目標達成にとってのカギということが強調されていますね。たとえば貧困に終止符を打つことは、ジェンダー差別をなくすことではじめて達成しうる目標とされている。平和の問題を考えた場合にも、ジェンダーに基づく暴力によって、多くの女性が平和への期待を抱けなくなっており、その解決が不可欠だとされている。あらゆる問題をジェンダー平等の視点で取り組んでこそ人類の進歩はあるんだと。国連でもそういう認識になっているのですね。

 中野 おっしゃる通りです。

 志位 私たち日本共産党が、この問題に取り組むさいには、自己改革がいると思っています。共産党は創立98年になりますが、結党当時から男女同権をずっと掲げてたたかってきました。地方議員の中で半数が女性です。そういう先駆的な取り組みを行ってきたことへの誇りはあります。同時に、私たちも日本社会の構成員であって、ジェンダーの行動規範なり役割分業に無意識のうちに縛られたり、浸透してきたりということが起こりうるし、現にあると思うんですよね。

 私は、ジェンダー問題を考える集会に出た時に、ある方から、「共産党の事務所に行ったら会議をやっているのは男性ばかりだった。女性は炊き出しをやっていた。『これはおかしい』とメールを送った。そうしたら共産党は勉強会に取り組んだので、最後はほっとした」という発言でした。そういうことはあると思います。そこは私たちも世界の到達点、あるいは運動に取り組んでいるみなさんの声に耳を傾けて学ぶ、そして自己改革をやっていく、共産党という組織自身がジェンダー平等を実践する、党外の人たちとの関係でもそれを実践することが大事だと思っています。

 中野 本当にそうだと思います。われわれ大学にいても、やはり差別はある、会議に行けば男性ばかりというのはよくある話です。それは変えていかなければいけない。「男性としても何ができるか」というのは常に、自分に批判的に、自分自身の立場も踏まえながら、考えていかなければいけないなと思っています。特に政党に期待される役割という点では、ジェンダー平等指数がこれだけ低い、さらに下がっていることの一つの大きな要因は、指導的な立場にいる人の中に、女性が日本の場合には極めて少ないという問題があります。

 志位 特に政治の分野で少ないです。

 中野 そうです。「男女共同参画」を政治でも実現すると言うことで、今回の参院選において共産党は本当に真摯(しんし)に取り組んで、数多くの女性候補者を出したのですね。50%くらい?

 志位 そう、55%です。

 中野 多くの女性候補を擁立して取り組んでこられていますから、さらに多く議員を誕生させることによって、日本の国会議員の中でも女性が増えていく。そうすればそこから閣僚になる人、首相になる人ということにできるだけ早くつなげていくということになります。それぞれの暮らしの場、職場で取り組むべきことと、政治の中でより大きく取り組んでいく。そういった連携によって、変えていくことができればいいと思っています。

 志位 政治の分野で、まずジェンダー平等を実践することは、意思があればできるわけですから。私たちとしても、最大の努力をすることをお約束したいと思います。

 中野 大事だと思います。いわゆる政治主導ができるとしたら、ここですよね。

 

 


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