絵本の時間

小学校で よみきかせをしています。
毎週月曜日の朝の読書の時間は、
読み手にとっても 心温まる時間です。

サッカーボーイズ

2010年08月09日 | 本の紹介
『サッカーボーイズ』 はらだみずき/著

文庫本だったらいいかなぁ・・・と、ちょっと消極的な気持ちで読み始めた1冊。
息子がサッカーやっていなかったら、手にすることもなかったと思うのだけれど・・・
スポーツ少年団に手や足を突っ込んだことのある人なら、「この人(作者)よく知ってるなぁ!」と感心
してしまうような、スポ少の細かいことまで書かれていて、なんだか気恥ずかしいような笑えてしまう
ところもある。 各学年でなかなか11人揃わないこととか、試合中にコーチの座ってるパイプ椅子は
卒業生の卒業記念品だとか・・・。
それもそのはず、この作者は、スポ少サッカーのコーチ経験者なのでした。あー、なるほど。

スポ少にもいろいろあると思うけれど、ボランティアのコーチたち、試合の審判で走り回ってくれる
コーチやお父さん出身のコーチ。 ほんとうに たくさんの人たちに支えられて成り立っている。
子どもたちも、Jリーグの選手になる夢を持って、草サッカーながらテクニックを持った子だって育って
いる。 気になるのは、自分を含め、自分の理想や憧れを子どもに押し付けていやしないか・・・という
こと。 スポ少以外にもサッカーを習いに行って、言葉の端々に「あんたにはお金が掛かってんのよー」
なんて耳に届いたら、好きなものも嫌いになってしまいかねない。第一、好きなものを楽しみたい気持
ちが萎えてしまうに決まっている。
この小説の中ほどの熱意はないにしても、子どもたちが純粋にサッカーを好きな気持ちがあるのなら、
それを支えていくのが、親や関わる大人たちの務めなのだろうとひしひしと感じる。
なんだか、最後の試合のシーンを読みながら、泣きそうになってしまった。技術は未熟でも、気持ちは
大人にはわからないくらいに高ぶってること、きっとあるんだろうなー。
息子たちの先日の試合では、最下位を争う試合でPK勝利を収めたとき、傍から見たらまるで優勝した
ような喜びようだった。ジャンプして歓声を上げ、抱きつき一塊になった。
大人たちは苦笑してしまうのだけれど、それでいいんだよなぁと思う。嬉しさを素直に体で表現して
負けても負けても、好きで楽しいから続けているからこそ、ここから将来につながっているのだもの。

コメント
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