TANEの独り言

日々の生活の中でのつぶやきだから聞き流してネ

山岳会入会、その後… <第10話>

2021-10-18 12:04:00 | 山岳会
さすがにベテラン組だけあって、この日の沢登りは滝を幾つも登りました。

滝が現れるとトップがロープを引っ張り上げながらルートを作ります。



登る途中に手がかりや足場がない場合でも、腰からぶら下げている登攀具や帯状の紐(スリング)、カラビナ等を用いて登ります。

滝を登ったトップの人はスリングとカラビナを用いて自分の身の安全を確保した後に、滝下にロープを投げ下ろし、次に登ってくる人を援助するのです。






滝の下にもロープを少しずつ送り出す役割の人がいます。



登る人は、投げられたロープを自分のハーネスにカラビナを使って繋ぐのですが、このロープの結び目の作り方も特殊です。



更には、滝の上下で援助する人も自分のハーネスにカラビナを使ってロープを繋いでいるのですが、ロープを弛みなく取り込んだり送り出せるよう特殊な繋ぎ方が使われるのです。

この結び方を初沢登りの前日に、会長さん宅で集中講義を受けていました。

この猛特訓のお陰で、“連チャン” の沢登りで困ることはありませんでした。



        <つづく>













山岳会入会、その後… <第9話>

2021-10-17 10:09:00 | 山岳会
ベテラン組の構成は、私より少し若い男性2人、若い女性2人、会長さんの5人です。

女性の1人は前日もこの沢を登ったとのことでした。

『この人も “連チャン” … しかも同じ沢… そんなに沢好き?』

明らかに昨日とは年齢層も気合いも違っていました。

車を止めた場所から5分ほど歩くと目の前に大きな滝が見えてきました。


高さは20mは超えていそうです。

最初からこんな滝登るの?』

と、半ば慄きながら滝を見上げました。

ベテラン組の人たちもみな滝を見上げ何か話をしています。

滝壺に落ちる水の音が凄すぎて、どんな話をしているのか私の耳には届きません。

『この滝のどこを攻めるかルートを探しているんだ… 』

私の胸の高鳴りはますます大きくなっていきます。

そんな私の想像とは裏腹に、ベテラン組の人たちはしばらく言葉を交わした後、クルッと方向を変え、滝を背にして登山道のある方へ歩いて行ったのでした。

『そうだよなぁー、初心者にこんな滝登らせるわけないよなぁー… 』

私はホッと胸を撫で下ろしました。


沢登りは水の流れる沢の中を遡るものなのですが、全ての滝を登って行く訳ではありません。

登るルートが見つけられなかったり、滝を流れ落ちる水量や登るメンバーの技量によっては、一旦流れから離れて遠回りして滝の上に出ることもあります。

このことを “滝を巻く” と言うのです。


私たちは最初の大きな滝を巻き、滝の上に出たところから沢登りを始めました。


明らかに昨日の沢登りとはペースが違いますし、難易度も違いました。

ベテラン組の人たちは大きな岩を軽々と乗り越え、スイスイと傾斜のある沢を遡って行くのです。

トップは私より1歳若い男性です。

次は、昨日も沢登り研修でこの沢を登った女性、その後ろに私、もう一人の女性、会長と続き、最後はガッチリした体型の男性です。


ベテラン陣にしっかりガードされながら、昨日とはひと味違うランクアップした沢登りを体験させてもらうことになります。




       <つづく>











山岳会入会、その後… <第8話>

2021-10-16 13:13:00 | 山岳会

話は沢登り第2部に移ります。

『山岳会入会、その後… <第⑦話>』は、

「✖️✖️さん、明日も沢登りに行くバィ!」
と、会長さんの口から驚きの言葉が飛び出したのでした。

で終わっていましたね。

女性陣3人とご一緒させてもらった私の初沢登り体験は、ワクワク感満載で、会長さんと握手を交わした時の私は充実感に満たされていたのでした。

まさか沢登りの “連チャン” なんて考えてもいなかったことです。

行きたい気持ちはありますが、やっと体調が戻ってきた連れ合いへの気兼ねもあります。

人の良い会長さんは、前回、雨でお流れになった沢登りメンバーと再度、本格的な沢登りに私を連れて行ってやりたいとずっと考えられていたようなのです。

やや強引とも思われる “連チャン” の沢登りになったのも、ベテランクラスのそのメンバーとの調整の結果のようなのです。

会長さんは、私を誘うからには自分も行かないわけにはいかないと考えられています。

実は、会長さんは前日にも山に登られていて、ご高齢にも関わらず明日も行くとなると “3連チャン” になるのです。

私にすれば、
『そんな無茶な… 』
と思わされる会長さんのお誘いでした。

しかし、その唐突な言葉の背後には、会長さんの深い思慮や私への細やかな心配りやベテランメンバーとの複雑な遣り取りがあったのでした。

私は、帰りの車の中でその日の事や山岳会入会から今までの事、そしてこれからの事をグルグルグルグルと考えていました。

会長さんの家に着く頃には私の気持ちは決まっていました。

あとは、連れ合いにどんな風に話すかです。


ずるい私は家に帰り着くと、
「 … あのね、会長さんがね『明日も沢登りに行くから一緒に来い!』だって… 」
と、あの人の良い会長さんを “悪者” にしてしまいました。

連れ合いは、
「あら、そうなの…大丈夫?疲れてない?」
と、深く問い糺すこともせず、かえって私の体調を気にかけてくれたのでした。


という訳で、その日使った沢靴やらハーネスやらシャツやらパンツやら一切合切をすぐに風呂場で洗い、乾燥機で乾かし、バタバタと次の日に備えました。

翌朝、前日より1時間半も早起きし、おにぎりを握りカップ麺用のお湯を沸かし、ベテラン組の5人と共に脊振の沢に向かったのでした。


これは9月12日(日)の朝の様子です。



       <つづく>








準備万端、いつでも行けますョ!<その②>

2021-10-15 10:52:00 | 夢実現に向けて
公共交通機関を使って旅行したり、愛車に乗って一般道を走る旅と違って、一人自分の足で山に登るとなると荷物の軽量化が課題となります。

持っていく荷物をいかに軽くするかが悩ましい問題なのです。

例えば、テントや寝袋(シュラフ)や炊飯関連の道具や食べ物(調理器具やコンロ、食器や食料)、衣服、装備を厳選したり、軽いモノを選ぶにことになります。

当然、機能的で軽いモノは値が張ります。

どの辺りで糞切りを付けるかが難しいところです。

また、テント泊しないとなると山小屋を利用したり、又はビバーク(ブルーシートやフライ等をテント代わりに使い雨露を凌ぐ)しかありません。

小屋泊まりは食事付きですから金さえ出せば荷物は軽くできます。

ビバークはそれなりの知識と技量と覚悟が必要となるのです。

山は常に危険と隣り合わせなので、最悪の状況を想定しての準備と必要最小限の携行品との間で決断が求められるのです。


一昨年の穂高遠征を経験して、私がすぐにでも手に入れたかったのが軽いテントと軽いバーナー(コンロ)だったのです。

テントは新品を購入することも考えましたが、私も若くはないのであと何回使うことになるか分かりません。

得意の「メ⬜︎カリ」で、中古品の割に使用感の少ない掘り出し物を安い価格で手に入れることができました。

次はバーナーです。

軽さだけでなく、性能や扱いやすさも検討しました。

未使用品が定価よりも安く手に入れることができました。

コレが今まで使っていたバーナーです。




ボンベを外し、バーナー本体だけで比べてみると…


違いは歴然ですね!


袋に入れても新しいバーナーは手のひらに収まりそうです。

新たに手に入れた軽い装備をザックに詰めて、この秋、愛車を走らせ中部山岳地帯を目指すつもりでいたのでした。

しかし、この計画は現実のものにはならなかったのです…


『大丈夫、山は逃げませんから!… 


        <終わり>









準備万端、いつでも行けますョ!<その①>

2021-10-14 14:54:00 | 夢実現に向けて
2019年の3月をもって現役を退き、”自由人” となりました。

その頃は「コロナ」の「コ」の字もなく、私は自由に使えるようになった時間を旅行や登山、我が家のメンテナンスに充てることができました。

ところが、その年の12月中旬に北海道旅行から帰って間もなく、日本も新型コロナ感染症の渦の中に飲み込まれることになってしまいました。

春に東北6県の桜を観てまわるツアーに参加することにしていましたが、キャンセルせざるを得ず… 。

その後は、愛車を走らせて行く登山や釣り旅行も封印してしまいました。


登山や旅行は封印しましたが、コロナ禍後の遠征準備は着々と進めていったのでした。

車中泊を快適にするために愛車のカスタマイズにも着手しましたし、装備の軽量化もお金と相談しながら行ってきました。

私がすぐにでも手に入れたかったのが軽いテントと軽いバーナー(コンロ)でした。


一昨年の9月に1人で穂高を目指した時、憧れの涸沢で2泊・上高地で1泊テント泊をしました。



その時に持って行ったテントの重さは4kg以上、バーナーも旧式だったので約800gもありました。

この2つだけで5kg近い重さになってしまいました。

携行する水やザックの重さも全て入れて20kg以内を考えていたので、あまり金を使わずにできる限りの工夫をしてグラム単位で軽量化を行ったのでした。

例えば、ホームセンターからアルミの棒を使ってきてテントのペグを手作りしましたし、持って行く食料は全てドライフーズにしました。

あの時は必死になってグラム単位の軽量化を図ったのですが、テントを最軽量のものにするだけで3kg軽くできるのです。


コロナ禍で外出できない状況下で、複数のフリマアプリをほぼ毎日のようにチェックしていました。

そして、1年かけて手に入れたのがコレです!







設営が簡単な最新型の吊り下げ式ではありませんが、強い雨風にも耐え得るこのタイプにしました。

今年の秋、このテントをザックに詰めて南アルプスの北岳や甲斐駒ヶ岳か北アルプスの剱岳に行こうと密かに計画を立てていたのです… 


       <つづく>