山岳会の会長さんからは、その後2度ほど連絡があり日時や移動方法、携行品等を教えてもらいました。
登山前日は30ℓのザックに雨具やウインドブレーカー、コンロ等々を入れたり出したりしながの準備になりました。
『ハイ、ではザックの中身を確認します!』
とか言われた時でも合格点を貰えるようにと、少し神経質になっていたように思いますが、何とかまとめる事ができました。
ベッドに入っても、目覚ましタイマーの事が気になったりして、まるで遠足の前の日の小学生になった気分でした。
登山当時の朝はいつもより早い目覚めです。
連れ合いが作った豚汁をスープジャーに入れ、梅干しと高菜漬けが入ったお握りは自分で握りました。
山岳会の会長さんの車に、会長さんご夫婦と入会2年目の山岳会メンバーの女性、それに私の4人が同乗して脊振山山頂近くにある駐車場に向かいます。
車の中では全員がマスク。
私にとっては皆さん初対面の方ばっかりでしたが、その日歩くコースの話やこれまで互いが登った山の話をしているうちに駐車場に着いていました。
脊振山頂には自衛隊のレーダーや気象庁のレーダーもあるため山頂まで10分という所まで立派な舗装道路が通っています。
山頂付近はガスがかかっており肌寒くはありましたが、天気図からも必ず天気は回復すると確信して、脊振山頂は最後に登ることに。
今回の登山は普段の登山と違い、最初の2時間ほどはひたすら下り坂です。
そして、再度、峠まで登り返し、あとは快適な稜線歩きをして駐車場まで戻る計画です。
舗装されたアスファルトの道を20分ほど降って行ったところが矢筈峠。
道路右側に案内板があり、『車谷登山口』の文字が急な谷を指していました。
谷の下の方はガスの中に消えて見えません。
ステンレス製の梯子を降り、谷をどんどん下って行くとそこは谷川の水音が響く、苔と花の谷でした。
残念ながら私は花の名前に詳しくありません…
名前は知らずとも、人知れず谷間に咲く可憐な花の凛とした美しさはわかります。
一人で行く登山と違い、みんなで行くと優しい気持ちになれるみたいです。
<つづく>