マイmy巷話

マイMy巷話(かんわ)は「私にはそう見える!」ものを儘に書いているだけの話です。

さよならベッコウマイマイ その2

2012-11-28 | いきもの(かたつむり)

あな惜しいかな鬼籍のヒト…いやマイマイになってしまったベッコウマイマイ。。。


と、いうわけで約2ヶ月間このオモシロマイマイを見てきて私が思ったことを今回は勝手に書いてみることにしますね。





その1:とにかく最大の謎は尾っぽの突起だった!
…突起自体ピンと角状に尖っていたり、小さくヘコんで見えにくくなるのも興味深かったが、休んでいたり起きた直後は殻よりも先にこの突起を舐めて(きれいに磨いて)いたことから、身体のなかでも最もデリケートで大切な部位であるのは間違いないと思う。以前、博物館の方が「なにかのセンサーかもしれない」と言っていたように確かに生存するうえでとても重要な役割があの黒いトンガリには潜んでいるに違いない。





あわせて、突起から出てきたあの衝撃の白い露状の液体はいったい何だったのか。
状況としては、いじったり、写真を撮ろうとしてる最中に興奮して(あわててが近いか?)動きが活発になったときに出てきたことから、もしかしたら早く進むことで腹足からの水分(もしくは体液)が最後部の突起に集まって排出されたのかもしれない。
というのも、突起を後から見ると溝状のスジが垂直にあることからなんらかの水分がそこを通ることはあり得そうなのだ。






その2:飼育するうえで、エサが最後までなんだかわからなかった。
…いろんなエサを与えたがあまり食べず、それでも糞はだいたい黒かったことから、野菜よりも樹木もしくは朽木や腐葉土を好むとは思う。もともと山育ちのマイマイなのでそれもそうだが。






その3:行動面では、よく言われるように、ベッコウの長い尾っぽは自在に動く…といった姿はいちども見受けらず、この関東ベッコウに限ってはあくまでもフツーのかたつむり同様、腹足の一部としか見えなかった。
…もちろん尾っぽを上げた威嚇行動など皆無で、どっちかというと野生のマイマイらしく読みにくい気質でヒトが怖い~!といった印象。
ただ、他の小型のマイマイに比べてかなり俊足だったのは印象的で、もともと山岳地に生息することから平地の都市型マイマイと比べて活動範囲が広く自然と早足になり、おまけに殻がかなり薄く(指で持ち上げようとすると潰してしまいそうなほど)防御の役割を果さない一方、山には自分の脅威となる対象も多いことからますます逃げ足も早くなったのかもしれない。


そして、これも最後まで謎だったが、このマイマイが完全に殻に籠って寝るのを見たことがなかった。


このように仮眠程度に軽く寝ることはあったが、常に尾っぽの部分は先を丸めて表に出したままで、全体的にはフック状のかたちで寝ているのをよく見かけた。気配に敏感なため残念ながらその写真は撮れなかったけど…。
もしかしたらベッコウマイマイは他のマイマイより身体に比べて殻の割合が小さいことから、身体全体を殻に入れることができないのかもしれない。
じゃあかたつむりの最大の弱点、「乾燥」はどうやって防ぐか? …というと自らの殻を頼らず、生息する環境に依存をしているのではないか。
ベッコウのこの種は山岳地のなかでも特に湧水地周辺で岩場のある広葉樹か混合林が主の尾根(林床に絶えず水分量の多い)のような場所を好むはずだから。
また、自らの殻を頼らず…とは書いたが、じつはベッコウの殻の表面は他のマイマイと比べてかなりツルツルヌメヌメしていたため、これもより脱水状態を防ぐ工夫かもしれない。

そんなこんなで夏場の乾燥は問題ないかもしれないが、厳冬期の山ではいったいどんな風に過ごすのか。。。




……そこなんですよ!じつは今回観察していたヤツもいよいよこれからの季節どんな風に寒い冬を過ごすのかい?なんて楽しみにしていた矢先にこんなことになっちまって…ヨヨ。。。


ここまで勝手に書いてるので最後にもうひとつ。
もしかしたら…関東ベッコウって…越冬はせず、寿命に完全なサイクルがあって寒い冬場は生息してないんじゃないんでしょうかね~!?だから木枯らし1号と共に逝っちゃったとか…?


また、もし私の目の前にこの不思議マイマイが現れることがあれば…是非!もう一回観察してみたいものです。




「ベッコウマイマイの観察」はじめからは、ここから




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さよならベッコウマイマイ

2012-11-26 | いきもの(かたつむり)
先日東京に木枯らし1号が吹いた朝、ケース底の砂利のなかでベッコウマイマイが死んでいるのに気づきました。





その前日の写真がこれ。
このところ動きが鈍くなりじっとしていることが多く、しかも殻口から内側の身がはみ出てきたな…(ヒトと違いお肉がはみ出てくるのはかたつむりの場合、老化の証拠なのです)と案じていたら…翌日ポックリ死んでましたよ。



ホントに変わったヤツだったため、いろんな意味でとても残念なのです。。。
そして、どーいうところが変わっていたか…?は、次回書いてみたいと思っています。



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北丹沢・袖平山北尾根歩き

2012-11-23 | 山(丹沢)
初冬の北丹沢を歩いてきました。

山梨と神奈川をはさんだこのあたりの辺境の山へのアクセスは1日数本のバスしかないため、それこそ「ディープ丹沢」なのです。

今回目指すは袖平山。
そして、1度歩いてみたかった北尾根下り。。。


袖平山は丹沢主陵をパノラマワイドに眺める展望の素晴らしさと頂上がカラマツで囲まれてなんだか控えめな雰囲気漂うところが交じりあって、とても魅力的な山なのです。


ここを訪れるのは二度目。

しかも、あの辺にぐるりと見える有名無名の山を歩き尽くされている方と本日は一緒でして、ますます楽しい山行きになりました。



今回のコース
平丸バス停~登山道口~東海自然歩道・平丸分岐~黍殻避難小屋~姫次~袖平山~北尾根経路~東野バス停

…と、いろいろ見ながら話を聞きながら…のノンビリ楽しい7時間の山歩きでした。





麓から登りきったあたりのカラマツの冬木立。
平丸バス停からの上りは以外にもとても歩きやすい道でした。




東海自然歩道の朽ちた階段。
このような箇所もありますが安心して山道を楽しむことができるのが全長約1700kmの東京から大阪までの散歩道(どんな散歩よ!?)「東海自然歩道」なのです。





黍殻避難小屋手前の明地。突然このような山奥に広い空間が…。





黍殻避難小屋にて。
話には聞いていましたが避難小屋というよりもこれは山小屋ですね。ひょっこりと山小屋の主人でも現れそう…。。。



これめちゃくちゃデザイン性の高いストーブなのです!うちにあるジュークボックスをとっとと捨ててこれを飾っておきたい気分です。





東海自然歩道最高地点1433mに聳えるブナ。(ちなみに袖平山は1432mだからこっちのほうが高いのか!)
このあたりからブナの木がポツリポツリと目立ってきまして…その先、カラマツの木立が見え始めれば…。




開けた姫次に。
お天気良ければ正面に富士山と丹沢の主陵が眼の前に広がります。




そして袖平山はもうまもなく。残念ながらカラマツの紅葉はすでに終わってしまいましたけどね。
後ろに見えるのは大室山。北丹沢のシンボル的存在でしょうね。実際行ってみると集落のどこからでも一際目立っていました。




見晴らしのいい袖平山直下のベンチ。二年ぶりに眺める蛭ケ岳から檜洞丸への山並み。


そしてそこからカラマツ林を少しだけ登りきれば…。。。




袖平山に到着!
ウチからここに来るまでかれこれ7時間!次はいつ来れるでしょうか。。。



そんな思いを胸に…下山です。。。。





北尾根直下から見上げた袖平山山頂。
いつもと違う角度から見上げた山の「顔」はどんな山でも小さな感動があります。




カラマツ模様から一変。自然林の尾根へ。。。




その先P944からは標識の通りに進路を右にとり、地図上では切れた箇所の合間を縫うような尾根を落ちていきます。。。はい。「降りてく」んじゃなく「落ちてく」んです…。




こんなにきれいな紅葉も山のステキなアクセサリーなはずですが…。。





やっぱりここも「落ちていきます」。




そして植林のなか、2本の仕事道を横切れば…。





尾根歩きは終了。堰堤のある開けた場所に。足下には袖平山への道標が控えめに存在します。

ここからバス停まではだらだらと林道歩きが続きますが、ご一緒の方がいると時間が経つのも早いもの。。。







帰途はやまなみ温泉行きバスを乗り継ぎ藤野駅に。

やまなみ温泉バス停ではちょうど地元の小学生らの下校時間と重なり、子どもらは自分んち方面の小さなローカルバスが到着するたびめいめいに乗って帰っていきます。

それが、そのたびにバス停で見送る先生らが両手いっぱいに手を上げて、ずーっとさようならをしているんです…。
明日もまた会えるはずなのにもうあえないんじゃないかってくらいに、バスが走り過ぎるまでずーっと。。。

きっと毎日毎日この山のなかの小さなバス停ではこういう光景があたりまえのように続いているんでしょうね。
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ベッコウマイマイの観察 その2

2012-11-11 | いきもの(かたつむり)
尾っぽの長い関東ベッコウマイマイ。
特徴は本当にキレイで光沢のあるアメ色の殻と表面が黒い身体にこの長~い尾っぽ、そして尾っぽの先の不思議な突起!









枝の上を歩くベッコウマイマイ。。。
じっとみていますと…。





尾っぽの先から白いモノが…。



これは…??



絶対ありえないところからでているし~!?この白い液体はいったいなんだろう?




…というのも、通常かたつむりの肛門や呼吸孔などの排出口は殻の入り口に、そして口や生殖口は体の上部にあるため、尾っぽ(ホントは足だけど…)の先には穴のあいた器官などはけっしてない!はずなんです。。。だって図鑑にもそんなのないし…。



じゃ、この白い液体はどこからでてくるのか?そして成分はなんなのか。。。?


もしかして興奮すると敵相手に排出する毒素か・…とも考えて、他種のかたつむりに思わず試しに付けてみちゃおうか…とも。。でも止めたけどさ。。。



とにかくこのベッコウマイマイ。めちゃくちゃ興味深いいきものなのは間違いない!のです。



そして、結末に続く。。。





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フクロウの羽をいただく

2012-11-06 | いきもの(その他のケモノ)
週末、ご近所のフクロウ「くまちゃん」のご主人が自ら手打ちのうどんをご馳走して下さるというので、お邪魔させていただきました。

その日のくまちゃんは来客も多いことからお隣の部屋に入れられて、声だけがホーホーと💧
じぶんちなのに不自由させてゴメンね、、くまちゃん。。。



でも、ちょうどいまは羽の抜ける時期らしく、こんなにきれいで大きなくまちゃんの羽を思いもかけずにいただきました❗️

もしかして…これが「フクロウの風切羽」といわれる羽根でしょうか!?

ご存知の方も多いでしょうが、フクロウは飛ぶ時の羽の音が他の鳥と比較してはるかに小さい、もしくは無音だといわれています。



それは、この風切羽の構造によるそうです。
この羽根の縁のギザギザが空気を逃がして音を抑える役目を果たしているんですって❗️

しかもこの構造を研究して、ヒトは音を抑えるためのいろんな技術に役立てているそうです。
たとえば新幹線のパンタグラフ設計への騒音対策は代表的なはなし。



隙間からそーっと覗くと、まるで部屋の置物のようなくまちゃんがいましたっ笑

普段は半開きの眼で一日のほとんどはこうやってじっとしているそうですよ。。



フクロウの羽についての他の話は、ここから!


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