首相が全力で応援していた横浜市長選で、小此木氏が大差で敗北した。ＩＲは、いわば、博打場を作って市を活性化しようという根性で、どこかで間違っていると思うが、複雑なのは、首相が、当初はＩＲ誘致に賛成していたはずなのに、恩人の息子である小此木氏がＩＲ反対として立候補したのに対して、突然、その小此木氏を応援する側に回ったことであった。但し、この選挙戦では、ＩＲ誘致問題よりもコロナ対策が主な争点となったようで、その意味では、コロナ対策で失敗を続ける首相の応援は、小此木氏陣営にとっては有難迷惑とでもいう結果になってしまった。この選挙結果を受けて、早速、政局が動き出そうとしているとも報じられている。自民・公明与党も、野党がだらしないせいで政権の長期維持が出来て来たが、これだけ、危機対応能力に疑問を持たれて、果たして、政権を保持して行けるのだろうか。
ともあれ、ＩＲについて言えば、コロナ禍が続く間はＩＲが開設されたとしても、インバウンドの海外客の来場はあまり見込めないだろうし、中国本土の政治的動向次第では中国からの訪日客の有無も変わってくる。その点では、大阪の万博を絡めた経済構想も危ういものと思われ、サービス業に重点を置こうとする日本の産業政策も根本的な見直しが必要なのではなかろうか。
