カンボジアで捕まった21人の詐欺グループが移送されてきたとのこと。詳細はまだ分からないものの、21人は、警察官を装った振り込め詐欺の掛け子をしていたらしい。なんでも、大手の求人サイトに応募したところ、航空券を渡されてカンボジアに渡航し、中国系管理者の元で軟禁状態に置かれていたとのこと。
大手の求人サイトに応募ということが事実であるなら、その求人サイト側の、人材募集業者に関するチェックが甘かったと言わざるを得ないが、私の十数年前の経験で言うと、地方の名の知れた求人雑誌に載っていた求人広告でも、実際に応募したところ広告に掲載されていた勤務条件と大きく異なっていたという苦情が寄せらることがあったと聞いたことがあった。
まして、ネット詐欺が蔓延し、外国からも詐欺を仕掛けてきている今の世の中にあっては、巧妙な手口でお人よしの日本人を騙そうという情報が氾濫していると容易に想像される。昨今は、日本国内においても貧富の差が拡大し、貧困家庭に生まれた者は、生活維持に忙しい親などから、日常常識や、生きて行く上での注意も満足に受けることが出来ず、ネットを利用した詐欺などに安易に引っかかっているとも考えられる。
また、ホストクラブは諸悪の根源であるが、若い女性がホストのスケコマシ的手口に引っかかって多額の借金を負わされて売春婦として地方の風俗店や外国にまで売られたりしているが、人身保護の観念に甘さの残っている我が国では、行政当局による適切な対応がなされていないことが多い。一種の賭博であるパチンコや公営ギャンブルが公然と認められており、ネットカジノも横行しており、ギャンブル依存症で借金苦となる若者も増えているが、某政治団体はIRという名前の公営カジノの開設を企図し、万博の隣接地では、今まさにその工事が進行中でもある。ギャンブル依存症の有効な対策も実施されていない現状で、ギャンブルが原因での生活苦の若者を増やそうという計画に思えてならない。
そのような生活苦に陥った人々を狙い、ネットを通じて、有利な稼働先があると騙し、外国を拠点とする特殊詐欺の掛け子などを募集するグループがいる。一旦、カンボジアなどに渡ってしまうと、パスポートなどは取り上げられ、詐欺グループの拠点で軟禁状態に置かれ、中国人管理者などから暴力的支配を受けることになり、いわば、奴隷状態に置かれてしまって、逃げ出すことも出来にくい。場合によっては、人知れず殺害されてしまうこともあり得る。ホストに騙され売春婦に陥ってしまう女性も哀れであるが、ギャンブル依存症となって借金苦に陥り、ネットで有利な就職先があると騙され、外国に誘い出されて奴隷生活を送っている若者も哀れでならない。
今の我が国には、巧妙な手口で近づいてくる詐欺師やリクルーターがいて、闇バイトだけではなく、普通の就職先と思っていた会社が、実は詐欺会社であったという例も多い。これも、近年の貧富の格差の拡大という社会情勢が大きく関わっている。セレブの家庭に生まれた子どもは、その後の人生においても、貧困になることはほとんど無い。東大生の親は、一般に高学歴で収入も多い。親ガチャということが現実となっている。
ところで、このところの株価は大きく高騰しており、日経平均では史上最高値を記録し、その後、若干の値下がりはしているものの、ここ数か月で数百万円以上の儲けを出した投資家は多いことだろう。これも、余裕資金を株式投資に回すだけの余裕があるかどうかにかかっている。政府も新NISAなどを宣伝しているが、30年以上続いたデフレから、諸物価高騰のインフレが常態化してきて、利息の高い預け先を選ぶか、それとも、リスクを承知で株式投資を選ぶかの選択が必要とされてきている。投資も、先物投資とかリスクの高い商品は、大きな損失を出す可能性が高い、少しずつ、リスクの低い安定した投資が将来の生活の安定に寄与することになる。それと、経済評論家などの言に惑わされることなく、世の中の流れ、経済の流れを見抜く目を養うことだろう。
だから、私は、証券会社からの勧誘電話には原則として出ないことにしている。用があれば、当方から掛ける。相手からの電話は全て着信拒否をする。