じいじのコンパス

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飯盛山(1042m)の不動さん

2010年10月03日 | 登山

愛鷹山の地図を眺めていると、いつも視野の片隅にポツリと気になる卍印がある。裾野市下和田川の上流、前岳の手前の小さな頂の上である。
 ここは、登山ルートからは離れているし、目測で考えても、林道から一時間は歩く距離だ、しかも標高が1042mもある、ぶらりと行ける場所でもない。
 ものの本によると、この卍印、「飯盛山(めしもりやま・いいもりやま)の不動さん」といって、下和田のでは古くから信仰されているもので、山は名前のとうおり「強飯」式のときに椀に盛る飯のように円錐形をしており、まつられている不動明王は、小田原城の守り神として乾(いぬい)の方向にまつったものであるといわれる由緒ある不動さんである。この不動さんの祭日は毎年三月二八日で、戦前まではムラの多くの人達が飯盛山に登って参拝したそうで、今でもその祭礼行事が地区に残っている。
 さて、地図をみていただければ判るとおり、飯盛山は下和田川の上流の小高い頂である。道筋は、最近造成されたばかりの「呼び子ニュータウン」をぬけて、下和田川に沿った下和田林道を「おおいし」橋まで行き車を停める

橋から20m位歩き林道からから西方向に暗い杉林を直登する、ここには道標がないので、とにかく尾根とおぼしき辺りを上に上に登れば、笹の中にけものみち程の登山道が見つかる、朽ちた道標やテープがあればもう心配ない、橋からあえぎあえぎ一時間と少し登れば、杉の大木と明るく開けた頂上、お堂にたどり着く。しかし、残念なことに、ここから先にはルートがない。目の前には前岳(1336m)その後ろの位牌岳(1457m)がある。
 お堂は近年建て直されたもので、間口一間半奥行き2間ほどのトタン葺きの建物である。中には祭壇があり手作りの不動明王の厨子の中に、70cmほど泥岩に彩色された不動明王が二童子を従えている。そして堂内の壁面には祭礼の際の代参人の名を書いた木札や地元の参拝者達が記した名前がいちめんに書かれており、古い木札には大正15年の日付が残されていた。
 弁当を食べたり写真を撮ったりしながら、若葉を楽しみ、一時間ほどで下山した。帰路では筒鳥がポポ・ポポと道案内でもするかのように路の先々で鳴き、ギンリョウソウの硝子細工のような花々が暗く湿った路にわずかに彩りを添えていた。
 以前登った愛鷹山の飯盛山

 


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