羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

いつかこの恋を~ 4

2016-02-24 21:26:49 | 日記
仕事の後で、朝陽は音をレストランに連れて行った。「手、洗った?」神部の真似をする朝陽。「洗いました」返事を再現する音。二人は笑い合った。音は静恵からもらったネックレスを身につけていた。「ネックレス、珍しいよね?」「静恵さんにもらって」「似合ってる」「やめてよ、緊張するから。だからファミレスにしようって言ったのに」落ち着かないらしい音。「これくらい普通だよ」「普段来ないじゃんっ」「それはだって」もう2年付き合っていたが、音はいつも忙しく、クリスマス等も一緒に過ごせていなかった。「仕事」「音ちゃんが引き受けちゃうからでしょ?」「だって、皆、彼氏と約束があるって」そこまで言って、目の前の『彼氏』が苦笑しているのに気付く音。
と、音のスマホが振動した。「どうぞ」朝陽に促され、鞄からスマホ取って確認すると船川からだった。音が席を外し、船川と話しにゆくと、朝陽は知り合いらしい店員と打ち合わせして、デザートを注文したタイミングで照明を落とす等して、プロポーズをアシストしてもらうことを確認した。指輪の箱を見て緊張している朝陽。「デザート何にしよっか?」音が席に戻るとやや焦って朝陽は段取りを進めようとしたが「船川さん、困ってるみたいで」音に船川が朝陽に相談に乗ってほしいと頼まれたと持ち掛けられ、戸惑わせされたが「わかった」プロポーズは一旦諦め、引き受けることにした。
音の家で朝陽が随分暗くなった船川から話を聞くと、受け身の姿勢に突け込まれ、船川は派遣先で相当な残業を手当て無しで強いられ、精神的に病み、診断書まで医者に出してもらったが、甘えていると毎日反省文を書かされていると訴えた。「なるほど、わかった。上に相談してみるよ」やや困惑しつつ、朝陽は答え、船川を一先ず安心させた。船川が帰り、音と二人になり
     5に続く

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