羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

うしおととら 2

2015-12-05 21:03:24 | 日記
『石』で何度も殴って九印のトゲを破壊しようとする潮。「余計な真似すんじゃねぇ!! ワシゃ人間に借り何か作りたかねぇぜぇっ!」「石喰いの時もっ、あやかしの時もっ、中国じゃ白面から守ってくれた!」「このっ阿呆チビッ! みんな、おめぇが喰いたくてやったんだよッ!!」トゲを殴ることをやめない潮。「行動に妥当性と一貫性が欠けている。よくもまぁ、そんな様で伝承者を名乗れたものだ」(グゥアアッ! 潮! チッ、本当によぉ。何でかなぁ)『心』がざわつくとら。
「どうした? 異論も無いところみると、君も愛想が尽きたかッ!」九印は外套状のトゲを潮に放った。とらは、全身と髪に力を込め全ての九印のトゲを打ち砕いた。(愛想なんざとっくに尽かしてるさ)地に降り立つとら。「なぁ、九印。霧雄はたった一人で化け物と闘ったことはあるか?」「戦術的不利を招くようなことを霧雄はしないッ!」九印は気弾をとらに放った。「でぇうッ!」これを腕で弾き、突進して髪をトゲと化して九印に連続で打ち込むとら。九印も外套状のトゲで応戦する。
「じゃあ武器を持って無ぇのに仲間を助けるとかのクソみてぇな訳で、化け物と殺り合うかよッ?!」「霧雄はそんな原因で闘うことは無いッ!」互いの両手を組み合い、力比べの形になるとらと九印。「なら、潮の方が強ぇかもなっ!」九印の手を握り潰し始めるとら。「失望だな、九印ッ! おめぇも、弱ぇぜぇッ!!!」頭突きを九印の仮面の頭部に打ち付けるとら。仮面がひしゃげて割れた。「ぐぅああっ?!」仰け反って後退する九印。「ほんっとに、何でかな? アイツにおめぇのこと言われると、妙に腹が立つ。ケッ、おめぇ何かでぇ嫌いなのによぉっ!」「とら」呟く潮。即、持ち直した九印とまたトゲの打ち合いになるとら。「コイツはワシが遊んでやらぁ! とっととやることやってこいッ!」
     3に続く

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