羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

ルパン三世 4

2015-12-04 20:41:49 | 日記
離れた場所でそれぞれニヤリと笑うレベッカと不二子の顔を見比べた。『恋煩い豚』を呑んだカップルは必ず結ばれるという噂があった。しかし10年前、ミミが失踪したのを機会に、ワイナリーは倒産し『恋煩い豚』は生産されなくなり、今ではボトル数本しか存在しないとされているという。「その『恋煩いの豚』が『樽』ごと手に入る! こんな機会、2度と訪れませんよぉっ!」煽る司会の男。伯爵が保管している『樽』は倒産直前の物だという。
「狙いはコレか?」不二子に耳打ちするルパン。「やっと気付いた?」「恋に落ちるワインに興味があるなんて、ロマンチックじゃなぁい?」「だって、高く売れそうじゃない?」「え?」不二子は『媚薬』効果を調べようとしている者達に売り付けるつもりでいた。「ロマンより金か」ルパンはレベッカの元にも向かい、聞いてみた。「お前も金が目当てな訳?」「『も』って何?」切り返しに慌てるルパン。レベッカはスイス銀行以上というワイン庫のセキュリティを突破してみたいだけだった。「金よりスリルな訳ねぇ」呆れるルパン。
照明が付き、オークションが始まった。「どっちもオークションで真っ向勝負するつもりは無い」ルパンが呟くと「そういうこと」レベッカと、気付かぬ内に来ていた不二子がルパンを挟む格好で同時に言った。それから会場のソファに座った3人。真ん中にはルパン。「不二子、こちらがレベッカ」「知ってる」「ああ、そうかぁ。レベッカ、こちらが」「女泥棒、峰不二子」「あーらぁ、私のこと知ってるのぉ?」「勿論、泥棒の大先輩だもん」「えーとぉ、お二人さん?」動揺するルパン。「ダブルブッキングなんて、酷いことするのね?」見てくる不二子。「あたしが気付かないとでも思ったぁ?」そっぽ向くレベッカ。笑うしかないルパン。
「でもまぁ、あなたのおかげで会場に入れたし」
     5に続く

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