羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

アルスラーン戦記 7

2015-06-03 22:40:13 | 日記
「パルスの愚民供は悔い改め、皆、イアルダボート教に改宗しなければならない」「もしも、私も主達の神を信じられなかったら? どうする?」「はぁ? そんなことは起こり得ない! イアルダボート教に触れれば、その偉大さがわからないはずが無い!」唖然とするアルスラーン。
王都でもナルサスがダリューンにイアルダボート教の解説をしていた。「イアルダボートとは、元々古代ルシタニア語で、聖なる鞭の意味だった。知ってるか、ダリューン。彼らがパルスに進行してきたのは聖典に、世界でもっとも美しく豊かな土地はイアルダボート教の信者の物であると書かれているからだそうだ」「勝手極まる話だな。それでルシタニア人供はその神の教えとやらを心から信じているのか?」「さて、信じているのか? 信じるフリをして、自分から侵略を正当化しているのか?」ナルサスにも判断つきかねた。
「人を平等というのなら、何ゆえ、エクバターナに攻め入ったのだ?」小屋の2階で、アルスラーンはまだエトワールと話していた。「何?」「パルスの奴隷制度を差別というなら、王都にいる民へのルシタニアの行いはなんと説明する」「何を訳のわからないことを言っている?! パルスは異教徒だから差別していいのだ!! イアルダボート教の教えに従わぬ者に、存在意味は無い!」「矛盾していないか?」エトワールはアルスラーンに詰め寄った。「なんだと?!」そこにエラムが入って来た。「見付けました! 殿、」エトワールとアルスラーンが振り向く、襟巻きで口許を隠しながらエラムは剣を抜いた。「まて!」エトワールも剣を抜いた!「この者は旧知の友人だ!」「友人?」「友人なのではない!」「ではない?」困惑するエラム。「とにかく敵ではない!」間に入るアルスラーン。両者構えを解いた。安堵するアルスラーン。
     8に続く

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