羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

うしおととら 4

2015-08-15 22:44:36 | 日記
とらのヤツに喰われてたもんなぁ。だから、不気味な槍なのに怖いなんて気がしないのかなぁ)と思ってると紫暮に蹴り飛ばされた!「この馬鹿もんがぁッ!! この槍はなぁ、ありがたい槍なのだぁッ!!! それをお前はカップ麺の重しにするわソーセージ切るわ」といいつつ、槍を踏んでしまい慌てて槍に平謝りして一人で大騒ぎする紫暮。「親父、今日こそ母ちゃんのこと話して貰うぞ」「わかった、夕飯の後でな」紫暮は槍を潮に返し、そう答えた。
夕飯はいつも通り、しっかり二人で食べて済んだ。縁側で降り出した雨を見ている紫暮。「なぁ、潮。母さんのことなんて聞いて、どうする? 死んだということじゃダメなのか?」「俺は母ちゃんのことなんて知らないし、どうでもいいって思ってた。でも、違うんだよ。例え俺がガキでも、本当のことはちゃんと受け止めなきゃなんないんだよ! 本当のことを教えてくれ親父!!」紫暮は札束の入った封筒を投げ置いた。「何だよ?」「120万ある、取っとけ」「何の冗談だよ?」紫暮は立ち上がった。「いくらテメーの都合があるからって、金やって黙らすってのは酷過ぎんじゃねぇのか?! 俺はマジなんだぞぉッ!!」激昂して紫暮を殴る潮! 紫暮は笑った。「おっちょこちょいめ。勘違いするな、そら旅費よ」「旅費?」「母さんのことが知りたくば、お前は旅をしなければならない。母さんがどういう人か、どうしているかは、お前が自分の目と耳で確かめてこい」まず北海道の伯父を訪ねろと紫暮は言った。「母ちゃんは、そんなややこしいことになっているのか?」「ああ、考えられん程にな。おそらく辛いぞ」「俺、しばらくの間に、随分強くなったんだぜ?」潮は言って見せた。
それから紫暮は白装束に着替えた。「お前も結構、強い打ちを打てるようになったなぁ、気が付かなかったな」潮は戸惑った。「愚僧は諸国を周り、
     5に続く

最新の画像もっと見る