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羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

探偵の探偵 3

2015-08-14 21:00:02 | 日記
伊根達以外の野次馬はスッと席に戻ったが、伊根達は近付き過ぎて逃げ遅れ、出入り口辺りで顔を逸らした。やや離れた所
で伺っていた桐島が「大丈夫か?」と問うと、琴葉は頷き、玲奈からの依頼を伝え、桐島は引き受けた。
玲奈は恋人を装い、ホテルのフロントで升瀬の部屋番を簡単に聞き出したがフロントに升瀬を呼ばれそうになり、「待って下さい! 明日、彼の誕生日で、サプライズでお祝いしたいんです」と回避し、さらに隣室も偽名で取った。升瀬の部屋の階へゆくと、ちょうど清掃員が升瀬の部屋に入り、入れ違いに升瀬がカードキーを1枚部屋に残したまま部屋を出た。「お客様、カードキー!」「もう1枚あるんで」清掃員に指摘されたが、2枚目のカードキーを示して升瀬はだらしない格好でエレベーターに乗って行った。玲奈は清掃員が風呂場で作業している隙に、素早く自分のカードキーと升瀬のカードキーを差し替え、升瀬の部屋を出た。清掃員は一瞬電気が消えたことを不思議がったが、差されたカードキーのナンバーまでは確認しなかった。
隣室に残る1枚の自分のカードキーで入ると、玲奈は腕に付けるタイプのウェアラブル端末を身に付けた。その頃、窪塚と長谷部は裏掲示板にDV被害者を探す加害者達の書き込みらしいのを見付け、掲示板の運営会社へ、調査に向かうことを決めていた。間を置き、玲奈はノックして清掃員や升瀬がいないことを確認すると、升瀬のカードキーで中へ入り、差し替えてカードスイッチに戻した。室内を軽く漁り、升瀬のスマートフォンを見付けると、『お待たせしました。本日夕方お呼びだし申し上げます』と『野放図』からメールが着ているのを見た。「野放図」玲奈は呟き、アカウント登録して升瀬のスマートフォンと自分のウェアラブル端末を同期させた。玲奈が続けて部屋を調べ始めると、
     4に続く

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