羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

俺物語!! 4

2015-07-09 23:03:31 | 日記
(現実か)水路のトンネルの向こうに明かりが見えた。このアトラクションももう終わりらしい。(そうだな、そうなんだな。大和と付き合ってから、楽しいことばっかりで、俺はそういう当たり前の現実を忘れていたのかもしれない)終着点で、大和が愛や織田や、他の客達と待っていて、大和は手を振っていた。そこへ悪魔バージョンのMMが上から落ちて来た!「どぉわわぁーッ?!!」緩和と緊張のテクニック! 猛男は絶叫した。
「猛男君の声、めっちゃ聴こえたぁ」「突然出てくる系に弱いんだぁ」水辺の道を歩きながら大和にボヤく猛男。「なーんか、お腹空いたよねぇ」二人の間に入ってきた織田。「猛男くーん、何か買いに行こう?」隙を突かれ、危ぶむ愛。「なんスか? なんスか? 猛男君と二人なら、文句無いでしょ? ははんっ」織田は猛男を連れて行った。「猛男君と彼女はさ、どっちから先に告白したの?」絶体高い上に謎肉のホットドッグ屋の前に並ぶ織田と猛男。織田は問いだした。「大和だな、結果として」「へぇ、そうなんだ。俺ね、砂川さんにも、告白させてあげたいんだよね。ずっと好きだった気持ち、相手の男に知らせてやりたいんだ。じゃないとなんか、砂川さん報われないじゃん?」(なるほどな、あっ?!)「もしそれで姉さんが相手の男と上手くいったら、どーなる?!」聞いてしまう猛男。(織田さんは姉さんが好きなんだろう?)「上手くいったら、それが一番いい。俺がちょっと泣くだけだよ」(そうかぁ)
「それ熱くね?!」猛男はデカ過ぎて近くの子供に指差されつつ、両手に温かい飲み物の入った全員分の紙コップ抱えていた。「手の皮厚いんで!」「はは、すっげぇ!」織田は全員分のホットドッグの包みを抱えていた。「おーいっ」手を振る大和、一同は合流した。「混んでた?」「混んでた混んでた」
     5に続く

俺物語!! 5

2015-07-09 23:03:25 | 日記
(そうかぁ)愛に迎えられてペラペラ喋りだす織田を見る猛男。愛は猛男を見上げた。一同は屋外席に座り、食事を取ることになった。「あんた、猛男に余計なこと吹き込んでないでしょうね?」「もう、諦めましたよ。もうね、めんどくさいんで、素直に砂川さんと普通に楽しむことにしました。砂川さんと思い出作って帰りますよ」「織田」「砂川さんも楽しんでくだ、あっ」差し出したホットドッグを愛の上着に落とす織田!「だぁ?!」愛の上着にケチャップが付いてしまった。謎肉ホットドッグがッ、織田、貴様ぁッ!「あっちに、トイレ有りましたよね?!」「ウチ、タオル濡らしてきます!」立ち上がる織田、慌てる大和。「ああ、いいよいいよ。自分で行く」愛は一人でトイレに向かった。織田は瞳を輝かせた!「なぁッ!、アレいいなぁ!!」織田は子供の持っているポップコーンに注目してみせた。「大和さん、砂川君、買いに行くの付き合ってよ? 猛男君はそこ、動かないてね? 目印だから」「ウッス!」織田は呆れ顔の砂川と単純にポップコーン楽しみな風の大和を連れて行ってしまった。
「あれぇ?」ケチャップを落として愛が持って来ると、姿勢を正して『目印』になりきっているらしい猛男しかいない。「皆は?」「織田さんと、ポップコーンを買いに行った」「へぇ、ポップコーン」ここで、愛のスマホに着信が入った。織田だ。『これから3人でメルヘンゾーンに向かうんで、砂川さんはそこで告白してくださいね ちなみに大和さんのケータイは俺が預かってるんででんわしてもムダでーす』とある、件名は『砂川さんのおひとよし』(うわぁあッ?!)動揺する愛。「ごめん、猛男。大和さんとハグれた、かも」「何?!」「メルヘンゾーンにいるらしいから、探そ」「おうッ!」愛達はメルヘンゾーンへ向かった。
「あのポップコーン、フューチャーゾーンのヤツだ!
     6に続く

俺物語!! 6

2015-07-09 23:03:19 | 日記
こっちだよぉ」織田は砂川と大和をフューチャーゾーンへ先導した。「ありがとーございましたぁ!」全員分のポップコーンを買った織田達。「この辺の建物面白いよねぇ」早速ポップコーンを食べる織田。首に猛男と愛の分のポップコーンを吊るされた砂川は事態を傍観するより他無かった。「ちょっと、グルッて見て回ろうよぉ」「あの、でも戻らないと」「うん? フューチャーゾーンで待ち合わせしたから大丈夫!」織田はにっこりして大和の方を振り向いた。「あの、ありがとうございます。織田さんのおかげで、猛男君とMMランドに来られて、凄く楽しいです」笑顔で言ってくる大和。さすがにバツが悪くなる織田だった。
「そっちどうだった?」メルヘンゾーンを探し回っていた愛と猛男。「いやぁ」「ごめん、猛男。ほら、織田が泊めてもらったり、色々、迷惑」「いや、そんくらい別に迷惑じゃねぇ、織田さん、いい人だったぞ?」「まう、悪いヤツではないよね」「大和に電話して見るかぁ」猛男はケータイを取り出した。「ん? 電池が無ぇ」画面も点かない。(ええ?!)驚いていると織田からメールが来た。『あーそれから猛男くんの電池昨日夜寝る前に抜いときました』とある。「ものスッゴい悪いよあいつッ!!」愛は警告した。『2人っきりなったって告白なんかしないよ!合流しよう』と返信する愛。『なんで告白しないんですか? 猛男くん、ずっと砂川さんが好きだったこと知らないから、お姉さんみたいに接しているけど、知ったらどうなるかわかんないですよ? 知りたくないですか?』遠巻きに砂川に見られながら、織田は愛の返信に返信した。呆然と文面を見ている愛。「どおした姉さん?」息を吐く愛。(知ったら、どうなるか?)猛男を振り返る愛。
「猛男君とお姉さん、連絡取れました?」物思い耽っていると、
     7に続く

俺物語!! 7

2015-07-09 23:03:14 | 日記
顔を上げる織田。「ああ! なんか間違って、リゾートゾーンに行っちゃったみたいで」「え?」「リゾートゾーンって反対側だよね?」「ごめんねぇ、俺がポップコーン食べたいって言ったばっかりに」「あ、大丈夫です、キラキラパレードまでには会えますよぉ。リゾートゾーンってあっちですよね?」疑わない大和に、織田は暗い表情だった。
ガシャンッ、直角急降下アトラクションの頂点部分で軽く死にそうな顔をする愛。落下始まると猛男は眼下の景色の中から大和達を探そうとしたが、愛はそれどころではなかった。「んぁああああッ!!」落下後、「メルヘンゾーンいなかったなぁ」と猛男が呟くと「ええ?! 見えたの? あの一瞬でッ!」愛は驚いた。ここでまた織田メール。『今、フューチャーゾーンに着きました!』「フューチャー?! ちょっと!」頭に来た愛。『そこから動くな!』愛は返信した。だが、(なんつって、実はリゾートゾーンに到着ぅ!)織田のブラフだった。
やがて2時になった。(物凄ぇ、人だなぁ)人混みを早足で歩き回る猛男。「猛男! ちょっと待ってぇ!」愛が後ろから駆けて来た。少々ヘバっている。(お? そうかぁ、俺の歩幅に合わせててたから、疲れたんだなぁ)鞄けらペットボトルの飲み物を取り出し、開けて飲んで一息つく愛。「よし、OK! 行こうか?」「姉さん、なんかゆったりしたヤツに乗ってからゆこう!」猛男は誘った。「ええ? いや、早く大和さん」「大丈夫だ」慌てる愛に猛男は鷹揚に頷いた。コーヒーカップに乗る愛と猛男。狭く、猛男と近くて硬直する愛。猛男は単純に狭過ぎて硬直していた。「ちょ、ちょっとぉ」「なんだ? どおした姉さん?」「どおもしない、けど」(そうか、俺がデカいから、狭いんだな。しかし、これ以上詰められねぇ。申し訳ねぇ)猛男はなんとか詰めようとしたが、
     8に続く

俺物語!! 8

2015-07-09 23:03:09 | 日記
拍子に膝がハンドル当たってしまい、カップが急回転した! 猛男は愛のいる側のカップの縁を両手で掴み、愛に迫ったような形になった。「はぁッ?!」(遠心力! 姉さんが潰れる!)猛男は遠心力についてやや誤解してる風だったが、愛は赤面し、俯いた。コーヒーカップから降りると、「思ったより激しかったなぁ」猛男は呑気なものだったが、愛はもうフラフラになっていた。「大丈夫か? 姉さん!」「顔が近い!」「おっとすまん」近付けた顔を引っ込める猛男。赤面したまま顔を背ける愛。「姉さん、次はあれはどうだ?」「ええ? 3Dドーム?」「ゆったりしてそうだ」「いや、大和を」「いいんだ、もう。楽しかった。後はキラキラパレードまでに会えればいい」「いいの?」愛は戸惑った。
「はっはぁッ!」上機嫌の織田。「俺、これめっちゃ乗りたかったんだよね!」織田は大和と中空を旋回する鳥型のアトラクションに乗っていた。砂川は後ろの鳥に一人で乗っている。「そうなんですか」「楽しいねぇ!」大和は眼下の園内に猛男がいないか探していた。「ごめんね」織田は小声で呟いた。
3D眼鏡を掛ける猛男と愛。画面をトリケラトプスが突進してくる!「ぶつかるぅッ!」仰け反って避けようとして愛を笑わせる猛男。翼竜が飛び掛かって来た!「いやぁッ」思わず目を伏せる愛。(姉さんに当たる!)手を拡げ庇おうとする猛男。愛は自分の前に出された猛男の手にときめいた。猛男は全身で愛を守る構えを取った!「あのさ、猛男。これ3Dだから!」「そうかぁ!」(姉さんに恥ずかしい思いをさせてしまったかも知れない!)愛は嬉しくて、困っていた。
(昔から俺はこんなんばっかだな、いかん)いつか、夕方になっていた。ハグれたらしい子供が泣いていた。「ママぁっ!」猛男は子供を持ち上げて掲げた。すぐに母親が見付けて駆けて来た。
     9に続く