(自分のことを考えているうちは幸福になれない)
この章では、「将来、世の中に出て、成功していくための心構え」とでも言うべきものを、「熱血火の如くあれ」をテーマとして述べていきたいと思います。非常に強いテーマではありますが、若い人に限らず、広くみなさんに参考になる話をしたいと思います。
まず、若い人にとってのいちばんの関心事は、おそらく、自分の自己実現や将来の見取り図、あるいは未来への不安などでしょう。
二十歳前後のころの私自身のことを振り返ってみても、学生時代には、ある意味で、自己中心的なものの考え方をしていたと思います。「自己本位」という言葉をあえて使いますが、本当に自己本位だったと思うのです。
学生時代は、おそらくは、ほとんどの人がそうでしょう。八十パーセントから九十パーセントの人は、「自己本位の考え方」しかできません。それ以外の考え方ができる人は、子供時代に、何らかの思想や哲学、宗教、あるいは、もっと年齢を経た人の思想などを学び、それを自分のものとすることができた人に限られるでしょう。
自然のままで行けば、競争のなかを駆け抜けて、自己本位に生きているはずです。「自分はどうすればよいのか。どうすれば成功できるか。どうすれば自己実現できるか」という、自分の未来にのみ、一点、関心があり、本当は他の人のことには関心がないのです。自分の将来、自分の成功、自分の出世など、自分のことばかりを、一日中、いろいろと考えているはずです。
私もそうだったので、若い人を責める資格はまったくありません。同じように、私も学生時代は自分のことを考えていました。
もちろん、学生時代は勉強する時代であり、その勉強は自分のための勉強です。そして、その勉強が終わったときには、勉強したことが世間に還元されていくことになります。したがって、学生時代に自己のために投資をし、自分のために勉強することは大事なことです。それは、決して責められるべきものではありません。
ただ、若い人に言っておきたいのですが、私の場合、「自分が成功したい」と思っていたときには、どうしても幸福になることができなかったのです。
「自分が成功しなければ幸福になれない」と考え、自分の幸福や成功を求めていた学生時代の私は、どちらかといえば、傷つきやすく、劣等感や嫉妬心に悩まされていました。
---owari---
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます