ポイント②
『多読によってジャンルの幅を広げる』
自分の職業につながる分野を、ある程度、深く掘っていけるようになってきたら、合間の時間や休憩時間、休日など、いつでもよいのですが、気分転換の気持ちで、自分の専門とは違う分野の本を少しずつ少しずつ読んでいって、ジャンルの幅を広げていくのです。
そういう本は自分の専門分野ではないので、それほど詳しく丁寧に読み込む必要はありません。だいたい意味がつかめれば十分であり、「自分にとって必要な情報があれば、それをキャッチしよう」という気持ちで読んでいってよいと思います。
そうしているうちに、だんだん読書速度が上がってきて、しだいに多読もできるようになります。
「情報を適当にピックアップしていく」という読み方であれば、ある程度の速度で、幅広く読めるようになってくるでしょう。
ポイント③
『精読と多読を両立させる』
しかし、多読だけでは本当の意味で読書人にはなれません。
多読だけをする人は、だんだん、読む本が軽い内容のものになってきます。SFものや推理小説、あるいは、マンガに近いレベルのもの、ハウツーものぐらいしか読めなくなってきます。
そういう軽いものばかりを読むようになってはいけません。精読と多読の両方ができなければ、やはり、読書人としても、一流とは言えないと思います。ただ、精読と多読は相矛盾するものであり、両方やるのは、なかなか難しいことです。
ポイント④
『繰り返し読むに値する本を探す』
また、多読には、「情報を得るために速く読む」という読み方以外に、「繰り返し読むべき本を探す」という読み方もあります。関心のある本をいろいろと一通り読んでおくと、「繰り返し読むべき本はどれか」ということが分かってきます。
ある程度の数の本を読んでみないと、繰り返し読むに値する本がアンテナに引っかかってこないのです。「この本こそが、自分にとっての名著であり、必要な一冊である」と、最初から一発でスパッと当てることなど、そう簡単にはできません。
繰り返し読むに値する本を探すためには、ある程度、多読をする必要があるのです。
「これは良い本だ」と、自分のアンテナに引っかかってきた本があったら、その本を折に触れて繰り返し読むことです。すぐに連続して読まなくてもよいのですが、一年後か、二年後か、何年かの期間を置いて繰り返し読むとよいのです。そうすると、本の中身が自分のなかに入ってきます。
五回から十回ぐらい読み込むと、だいたい、著者の思想が自分自身のものになって染み通ってきます。
そして、物事の判断をしたり、意見を述べたりするときに、いつの間にか、その深く入った思想が自分の力となって影響してくるようになるのです。
以上、「ハングリー精神」について考えながら、自助努力の大切さや、知的鍛錬を中心とした自分づくりの方法などについて述べてきました。
うまずたゆまず努力を積み重ねていくことによって、あなたの知的レベルは確実に上がっていき、実力として蓄えられていきます。
どうか、何歳になってもハングリー精神を失わず、知性を鍛え続けることで、人生をたくましく生き抜く勇気を養っていただきたいと思います。
---owari---
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