先月、「メディアの信頼度」をブログに取り上げたばかりなので、メディアについて書く予定はなかったのですが、NHKのあまりにもSNSやネットへの攻撃的な姿勢と民放テレビも報道が偏向しているので、再び取り上げることにしました。
公共メディアに偏向報道やフェイクニュースがあると人びとから揶揄されても、NHKはその原因を探ることなく、検証する姿勢もないままに、先月と今月でBS放送も含め、SNSやネットの「フェイクニュース」を8本も放送したのです。
その主なタイトルは、「“フェイク・ニュース”の脅威」「フェイクニュース特集 あなたは被害者?加害者?」「フェイクニュース特集“トランプの時代”真実はどこへ」などでした。
ここでは、詳しく放送の内容をご紹介できませんが、一例として、事実ではないことを発信するにせのニュース、「フェイクニュース」がフェイスブックなどのSNSを通じて拡散する状況を取材したものでした。
NHKはアメリアでフェイクニュース制作の舞台裏を取材したり、スタンフォード大学のワインバーグ教授の言葉、「SNSなどで出回る情報の信頼性を見極める教育をいますぐ始めるべきだ」とのコメントを紹介していました。
確かに、ネットにはフェイク情報が多いかもしれません。情報の真偽を確認しないまま、拡散する人もあるでしょう。しかし、私たちはそのことも分かっていてネット情報を利用しているのです。発信源のソースを確認しながら、どのような情報が正しいのか、複数の情報を参照しながら真偽を見極めているのです。
だから、ネット情報には清濁混じっているのは、現状では致しかたないわけです。ほとんどが、言論の自由の範囲内だと思います。しかし、私が問題としているのは、日本の放送法を遵守し、公共放送を担うNHKや民放が、ネット情報を「フェイク情報」「フェイクニュース」と攻撃し、自分たちが報道しているニュースは健全であるというような立場で放送していたことです。
「フェイクニュース」の事の発端は、トランプ米大統領が主流メディアの情報をウソと公言したことからです。日本のメディアはその真意を探ろうとすることなく、ネット情報を「フェイクニュース」と攻撃して、問題の本質をすり替えたのです。ここに問題が潜んでいます。
なぜ、日本のメディアは真意を探ろうとしないのでしょうか。
それは、真意を探れば主流メディアに「フェイクニュース」があると分かってしまうからなのです。
それでは、その事例を最近の報道からご紹介します。
先日の大統領就任式に集まった人数について、メディア報道が嘘をついているとトランプ氏が非難しました。テレビ映像や写真は不正確だと述べ、一部メディアの参加者推定25万人という報道に強く反発し、「150万人くらいに見えた」と述べたのです。
米ABCニュースによると、2009年のオバマ大統領就任式には約180万人が、2013年には約100万人が集まった。トランプ大統領の就任式に参加した人数については議論が続いているが、参加者は推定25万〜60万人と報じたのです。
いずれにせよ、正しい写真で比較すると明らかに少ないことがわかると公表したのです。
その比較した写真をお見せしましょう。これが、米メディアが報じた写真であり、これがメディアの嘘、ねつ造の証拠なのです。トランプ氏はこの比較写真を否定したのです。
連邦議会議事堂前に集まった人々の写真です。左側の写真が今回の就任式、右側が2009年のオバマ前大統領の就任式です。09年の参加者は180万人です。
しかし、今回の就任式の写真をよく見て頂きたいが、議事堂前の「ナショナル・モール」公園の中央より少し下に白い建物が立っていて、その下側は白いテントが張ってあるので、この場所には立ち入ることはできない。それを、あたかも人がいないような写真に見せかけたのでした。
しかし、この点についてはねつ造ではありません。少なく感じさせるようなアングルで写真を撮っただけのことで、問題ではありません。今回の就任式の写真には撮影した時間を掲載しているのですが、その時間は午前12時1分となっています。まさに、トランプ氏が大統領宣誓を行った時間です。
よく見ていただきたいのは、今回の写真で「ナショナル・モール」公園の中央より少し下に白い建物が見えますが、その上(連邦議会議事堂側)の1ブロックにはほとんど人がいません。そして、写真の左側ブロックは3ブロックぐらいまで、人はスカスカのように見えます。この写真がねつ造写真なのです。ワシントン記念塔から撮影されたこの写真は、聴衆がそのはるか手前で途切れている様子を写し出しています。
ネットでは、聴衆が少なかった原因を、反対派が入口2か所を占拠したため、入場できなかったとか、トリミングした写真を掲載したとか論じられていましたが、アメリカではこの写真は就任式当日の午前8時頃の写真であるとネットニュースが報じたのでした。
その証拠となる写真をお見せしましょう。
これは、トランプ大統領が就任演説をしているときの写真です。大統領から「ナショナル・モール」公園側を見れば、人びとが埋め尽くしているように見えますね。「ナショナル・モール」の後方にあるワシントン記念塔まで聴衆で埋まったと主張したトランプ大統領の感想も嘘ではないと感じますね。
しかし、実際は公園内にある白い建物の後ろは人が入れないスペースですし、白い建物の後ろは見えなかったはずなので、少し言い過ぎの感はあります。
明らかに許せないのは、メディアが掲載した写真は正午の写真でないにも関わらず、午前12時1分と記し、今回の就任式は国民に人気がないように見せかけたことです。意図的に虚偽の報道をしたと言われても仕方がないのです。
ただ、この写真だけではメディアの疑惑がはっきりしないと言われる方は、次のパノラマビューをご覧ください。自分でカメラを動かして見てください。ズームもできますので、確かめたい場所の画像を見てください。白い建物の前まで人びとが埋め尽くしていることを確認できるはずです。
Gigapixel: The inauguration of Donald Trump
この画像は、米メディのCNN自身がうっかりギガピクセル写真を公開して、自らの捏造操作がばれてしまったものです。アメリカでCNNはウソニュースだと言われる所以でもあるのです。
「CNN自身が自分の作ったデマをすっぱ抜いた」という触れ込みの画像なのです。
CNNと言えば、就任式の9日前、1月11日のトランプ次期大統領の初めての記者会見で、トランプ氏は「あなたのネットワークはひどい」「偽ニュースだ」と言って、CNNのジム・アコスタ記者からの質問を受付けなかったのです。そのCNNが凝りもせずに、またねつ造の写真と記事を掲載したのです。
この比較写真は、日本のメディアでも数多く取り上げ、報道番組のコメンテーターやワイドショーの芸人までが、一目見たらわかることをなぜトランプ大統領は否定するのかと首をかしげているのでした。そして、トランプ大統領はおかしな人であるというデマをつくり出しているのです。
これらはみんなメディアの洗脳です。嘘でもいったん広がってしまえば、それだけで効果があると踏んでいる確信犯なのです。
日本のメディアを含め欧米のメディアは、トランプ大統領は強権主義で、自国のことしか考えない度量の狭い政権であると触れ回っているのです。しかし、読み違えてはなりません。トランプ大統領はすごく真っ当な大統領で、先日の就任演説は素晴らしい内容でした。
日本のメディアは一番重要な演説箇所を報じていません。大統領は演説のなかで、次のように述べています。
「世界中の国に友情と善意を求めていく。しかし、自国の利益を最優先することは、あらゆる国家の権利だという考え方に基づいている。われわれのやり方を誰かに押し付けるようなことはしない。われわれの生き方が輝くことによって、手本となるようする」
この演説はいままでの歴代大統領とまったく180度転換した方針を述べているのです。日本のメディアは今までのアメリカは自由と民主主義を守ってきた、ぜひ続けてほしいというのですが、それはもうアメリカはしないと言ったのです。それは今までのアメリカが内政干渉を行ってきたからなのです。内政干渉をしないと言ったことをメディアは無視しているのです。
就任演説の主旨は、日本はジャパンファーストをやりなさい、ロシアはロシア第一でやりなさいと言っているのです。これは戦後秩序の大転換なのです。ロシアはこの重要なフレーズに気付いていて、ロシアは「アメリカ第一」は好都合だと論評したのです。
トランプ大統領はいろいろな武器を持った人です。SNSで発信するのはメディアを信用していないからですが、これはトランプ氏の一つの武器になっています。
アメリカは超大国から一つの大国になる途上で、その分、日本が世界をリードするべき時代になってきたのです。そのシナリオが今、はっきりと見えてきました。
---owari---
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