(エゴイストに注意を与えるときには「遠回し」に)
少し前に「ものの見方や感じ方は人それぞれ」と題してお伝えしました。「アルコールを飲めば、お腹(なか)のなかの虫はみんな死んでしまうため、お腹の消毒ができてよい」と考えた人のお話でしたが、実際に、人と付き合っていて問題になるのは、このアルコール中毒患者(かんじゃ)のように考えるタイプの人、つまり、エゴイスト(利己主義者)です。こういう人との付き合いがいちばん難(むつか)しいのですが、これを避(さ)けられないことも多いのです。
このタイプの人の場合、考え方が非常に強く固まっているため、考え方を変えさせるのは、とても難しいと言えます。また、このタイプの人は基本的にプライドの塊(かたまり)です。そのため、自分で自分の間違いに気づかせないと、なかなかうまくいきません。
他の人から、「あなたは、ここが間違っている」と注意されたとき、「そうですか。分かりました」と言えるようなタイプの人は、そもそもエゴイストではないのです。
曲がった考え方を必ずするタイプの人は、エゴイスティックな傾向(けいこう)を持っており、真正面から批判(ひはん)されても、自分の間違いをなかなか認めようとしないため、こういう人に対しては、遠回しに注意を与え、本人に気づかせるようにすることが大事です。
つまり、自分自身で間違いを発見し、考え方を変える分には、別に構(かま)わないわけです。したがって、その人が、「ああ、こういうことをしたら、ちょっとまずいかもしれない」というようなことを、自分自身で気づくように持っていけばよいのです。そうすれば、誰も傷(きず)つきません。
しかし、そういう人を強く説得し、「すみませんでした。以降、二度とこんなことはしません」と謝(あやま)らせて、小さな子供のように頭を下げさせるようなことをしたならば、その後の人間関係がうまくいかなくなることが多いのです。
特に、プライドが高い人に対して、そこまでさせてしまうと、その人があとで“暴(あば)れる”ことがあるため、「なるべく、自分自身で間違いに気がつくように、遠回しにヒントを与えてあげる」というやり方をとるのがよいでしょう。
これは、なかなか高等なやり方ですが、実際に、こうした接(せっ)し方をしなければ、プライドの高い人と付き合うのは難しいものです。
---owari---
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