末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

シェイクスピアの庭

2020-07-27 08:06:11 | PJ版:役者のはなし
主演&監督 ケネス・ブラナー
共演 ディム・ジュディ・デンチサー・イアン・マッケラン で描かれる、
シェイクスピアの晩年を主題とした映画とくれば、
やはり、見に行かない訳にはいきません。

シェイクスピアの戯曲は、没後400年が過ぎた現在でも、
世界中の舞台で上演され続けていますが、
シェイクスピア本人の生涯は、あまり詳細がわかっていないのだとか。
だから、有名戯曲の執筆と舞台初演に絡めたロマコメ も、
数多の作品を生み出したのは実は別人だったという映画 も、
歴史の空白がもたらした、虚構の物語。
(別人説は昔からあるそうですが、著名な英文学者たちは否定的)

ならば、シェイクスピアの最晩年に焦点をあてた本作はどうかと言えば、
史実として記録に残されている、

 1596年  長男ハムネット夭折
 1609年  詩集「ソネット集」出版
 1613年  グローブ座炎上・焼失
  同年  長女スザンナの名誉毀損訴訟
 1616年  次女ジュディスの夫クワイニー姦通罪で起訴
  同年  遺言の修正と署名
  同年  死去(享年52歳)


といった出来事を軸に、ストーリー展開に必要な肉付けについては、
シェイクスピアの作品群をベースにするなどして創作で補った作りとなっています。
故に、華やかなエンターテインメント的演出とは無縁の、地味めな作風ですが、
至って真摯に、'人間' シェイクスピアに取り組んだと伝わってくる作品でした。
上映時間1時間41分。
徹底した歴史考証と、美しい画づくり、そして、
イギリスが誇る名優たちによる演技を、静かに、じっくり堪能できます。


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   映画 『シェイクスピアの庭』

  ◇原題:All is True
  ◇関連サイト:公式サイト ( 日本版 )、IMDb ( 関連ページ
  ◇鑑賞日:2020.7.21. 映画館にて
       ♪Sir Ian McKellen / Earl of Southampton


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