人はパンのみで生きるにあらず。されど、パン無しには生きること能わず。さりながら、もしそのパンに毒入りせば、人はまた生きること能わず。
う〜む。これは難しい問題である。カネがなければ、我々はこの世の中で生きていけない。今は円安。カネを稼ぐこの絶好の機会に、何もせず、ただ指をくわえて見ている手はない。しかしながら、もしそのカネに妖怪コロナのウイルスが潜んでいるとしたら・・・。
我々は今、まさしくこの難問に直面している。というのも、我らがキシダ君が誘惑に負けて、この「毒饅頭(まんじゅう)」に手を出してしまったからだ。きのうのことである。届いたメルマガに、こんな記事が載っていた。
「政府は26日夜、岸田文雄首相が表明した外国人観光客受け入れ再開の詳細を発表した。米国や中国など98カ国・地域からの観光客を対象に、6月10日から受け入れの手続きを始める。新型コロナウイルスの感染が落ち着いていて、入国時の検査でも陽性率が低い国が対象だ。ワクチン接種の有無にかかわらず、入国時の感染検査や待機は不要にする。」
(日本経済新聞5月26日配信)
この記事を読み、私が思い出したのは、おととし2020年の秋に起こったあの「 GO TO トラベル」騒動である。当時首相だったスカ君は、衰退著しい観光業界がカネを得られるようにと「 GO TO トラベル」事業を導入したが、この「毒饅頭」によってコロナ感染者が急増したため、この業界振興策を急きょ取りやめざるを得なくなったのだった。
このたびキシダ君は、「さあ、円安だ。インバウンド増大の絶好の機会だ!」と前のめりで、この饅頭が毒入りだということをすっかり忘れてしまったようだ。
この饅頭が毒入りだということ、海外からの来客が増えればコロナ感染者が急増することは、(北京五輪を経た)中国の事情がよく示している。こうした中国の事例や、一昨年の日本の事例を、キシダ政権は忘れてしまったのだろうか。それとも、忘れたふりをしているのだろうか。