ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

ある日の日米首脳笑談

2017-11-09 15:07:03 | 日記
「おいシンゾー、どうしたのだ。顔色が悪いぜ。何か心配事でもあるの
か?」
「あぁ、ドンマイ、ドンマイ。ノープロブレムだ」
「水臭いぞ、シンゾー。俺たちはゴルフを一緒にやる仲じゃないか。心配事
があったら、隠さずに何でも言ってみろ。俺が面倒を見るぜ」
「・・・それじゃあ言うけど、怒らないでくれよ、ドナルド。あんたがくれた
あの火消し道具のことだけどな、あれについて、良くない噂が広まっている
んだ」
「くれた、だって?あの火消し道具は、あげたのじゃない。売ったんだぜ。
これはビジネスだからな。代金はちゃんと払ってもらう。今更キャンセルだ
なんて、そんな野暮な話は言いっこ無しだぜ」
「それが、こんなことを言う奴がいるんだ。しかも、そいつの話は、ネット
でばらまかれている。どうせ、まあ、ボクの足を引っ張ろうとする左巻きの
奴らが仕組んだことだとは思うのだけれどね」
「ごちゃごちゃぬかさないで、そいつをそのまま読んでみろよ」
「わかった。それじゃあ、ええと、エヘン、『すでに日本は米国から1機当
たり約150億円の戦闘機F35を計42機と、1基800億円の陸上配備
型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』の導入を決定していますが、
米国製の軍事兵器といえばポンコツというのが自衛隊の共通認識です』
ええと、これはボクじゃないよ。防衛省の関係者がそう言ったと書いてあ
る。『日刊ゲンダイ』というサイトに載っていた話だが」
「ああ、そうかい。俺の国の火消し道具は、皆ポンコツで使い物にならない
ってわけか」
「いや、そういうわけじゃない。どうせフェイクだらけのゴシップさ。ただ、
なにしろ金額が金額だからね。チェックの目が厳しくなるのも無理はないさ」
「シンゾー、ユーは武士の国のリーダーだったな。武士の国には『伝家の宝
刀』というのがあったはずだ」
「もちろん、それはボクもよく知っている。いよいよというとき以外は使わ
ない切り札のことだ」
「ああ、名刀の名刀たるゆえんは、滅多に使わないということだ。そうだ
な、シンゾー?」
「うん、そうだ」
「俺っちの火消し道具も、使わなければいいのだ。使えるとか、使えないと
かいうことではなくてだな、使わないから、それはだれもが恐れる道具にな
る。使わなければ使わないほど、それは恐るべき武器になる、というわけだ」
「その理屈も解らなくはないが・・・」
「使わなければ、金も掛からない。使わずに、使う以上の効果を発揮するん
だぜ。俺っちの火消し道具は、どれもあ天才的な代物だと思わねえかい」
「たしかに、そう言うべきなのだろうな」
「使わなければ、金も掛からない。それだけじゃないぜ。使わなければ、金
が掛からないだけでなく、人の命だって奪わないんだ。なんてクールな、
ヒューマンな武器なんだ。我ながら、感心するよ」
「いや、ドナルド。よく解った。やはりあんたのセールス・トークは天才的
だな。その理屈を駆使すれば、左巻きの連中なんて屁じゃない。そんな気が
してきたよ。お陰で気分も良くなってきた。ドナルド、心配してくれてあり
がとう」
「ところでシンゾー、ユーはこんな記事は読まなかったのかね。「現代ビジ
ネス」というサイトに載っていた記事で、《元経済ヤクザが分析する「トラ
ンプ日本訪問の本当の狙い」》というのだ。経済ヤクザだったご仁が、こん
なことを書いている。ええとだな『優秀なアメリカ製の武器には厳しい輸出
規制がかけられており、第三国が求めてもマフィアなど地下組織を媒介にし
てしか入手できない。価格が割高になるのは当然で、各国が求めてやまない
その武器を、直接売ってくれるというのだ。しかも運用においては「世界最
強の暴力組織・米軍が面倒をみまっせ」ということなのだから、この一言が
日本の安全保障を強力に担保した、と見るべきだろう』とな。」
「うん、たしかに、この人が言うことは本当だ。ドナルドの好意がつくづく
胸に沁みるな。ボクは日本の国民を代表して、米国の大統領にお礼を言わな
ければならない。いやドナルド、あらためて礼を言う。どうもありがとう」
「シンゾー、もういいよ。解ってくれれば、それでいいんだ。それより、俺
にとってもっと大事なビジネスは、中国との取引だ。明日からシーチンピン
との会談、いや商談だが、これがうまく行くことを祈っていてくれ。それ
じゃな、シンゾー、バイバイ!」
コメント
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