きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「パスト ライブス/再会」

2024年04月14日 | 映画


早起きのため途中はかなりウトウト。
それでもラストはジンと来た。
これが正しい、と言うのか、これで良いのだ、というか。
2人が共にいた時間、
彼が愛した少女は確かに存在していた。

交わすのはハグなんだよね。
例えば、「オネーギン」ラストのような葛藤とは違う。

彼女が泣いたのは、心の奥底に存在し続けた愛を振り切った、
などという単純な話ではない。
もっと大きくて、たくさんで複雑な気持ちが動いたから、
泣くという自然現象になった、そんなかんじ。
取捨選択をしていまの自分がいる。
捨てたことは後悔していなくても、
それらが愛おしいのも事実。かな。
いまとなっては、捨てた、より
過ぎ去った、だね。

愛が再燃したり、
いまでも愛している、
なんて流れにならないのがいい。
それぞれが、最終的に「現在」を選ぶ。

タクシーまでの2人の
普通を保とうという空気感とか、
2人が自分にわからない言葉で会話をしているときの
嫉妬などとは違うんだけど
なんとも手持ち無沙汰的な夫の雰囲気とか
細かいところが良かったなあ。

「Past Lives」は「前世」という意味らしい。
いろんな解釈があると思うけど
私には「生まれ変わりなかにはいろんな距離感があるけど
いまの人生はこれでいい」という意味かな、と思います。
結ばれない2人、とかではなく。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「落下の解剖学」 | トップ | 「ジーザス・クライスト=スー... »

コメントを投稿