Fotoapparat 1.1

写真と機材話など。
レンズ沼にはご注意ください。

今だから300万画素を見直してみる

2010-09-26 21:54:05 | Lumix G 20mm/F1.7

E-P1 + Lumix G 20mm/F1.7

300万画素が画素素競争のゴールと言われたのは昔の話で、今では1000万画素が最低ラインで、まだまだ画素数競走が続いているのが現実です。とはいえ、『300万画素が画素数競争のゴール』というのは、理詰めの話なので、『出力画素数』として300万画素を見直してみようと思います。きっかけはiPod touch用に写真を整理しめたからです。ちなみに、ここで言う300万画素とは、2048 x 1536 px (QXGA)を指します。そしてこの画素数、割と色々都合がいい訳です。

まず、テレビで写真を見ることを考えると、当面FullHD (1920x1080 px)が主流と考えられるので十分な解像度となります。ちなみに、現状のHD放送やブルーレイディスクはビットレート不足が否めませんし、3D化も控えているため、TVの高解像度化は当面ないでしょう。じゃあPCのモニタはどうかというと、、現在ではQXGAより解像度が高いモニタはありますので解像度不足なのかもしれませんが、一般的な解像度のモニタやノートPCを対象とした場合十分な解像度です。

次にiPad等のマルチメディア端末ですが、これに関してはFullHDが最終到達点であると考えられますので、QXGAは十分な解像度です。ちなみに、iPad(10インチ)がFullHDとなった場合、長辺は240 dpiと十分な解像度になりますし、QXGAはiPadの解像度の4倍ですので、どうやってもこの辺が最終到達点となるはずです。じゃあケータイ/ポータブルデバイスはというと、現状のiPhone4が324dpiですので、どんなに解像度が増えてもHD (1440 x 720 px)が最終到達点かな、と思います。

最後に印刷はというと、計算すると長辺を合わせた状態で2L版で289 dpiとなりますので、300 dpiには少し足りませんが、お店プリントやアルバム用の印刷としては十分な解像度です。ちなみにA4だと約175 dpiですのでちょっともの足りませんが。。。

そんな訳で、300万画素はすべてを満たせるほど高い解像度ではないですが、将来にわたって必要十分なフォーマットであることがわかります。しかも、現在PCからマルチメディア端末やポータブル端末へのダウンサイジング化が進んでますので、QXGA以上の解像度が必要な状況というのがちょっと思いつきません。そんな訳で、300万画素を『出力解像度』、実画素数を『印刷解像度』と分けて考えてみてはどうかなと思います。

意外と撮れるもんだなー

2010-09-25 09:19:03 | その他

E-P1 + Super-Takumar 135mm/F3.5

ちょっと鎌倉&東京へ言ってきました。
でまあ、時期的に彼岸花が撮れるかも!と思ってマクロレンズ代わりにSuper-Takumar 135mm/F3.5
(ヘリコイドアダプター)を持っていきました。。。っが、彼岸花は撮影しなかったので出番なし。。。
っと思ったら、長玉がなかったので新江ノ島水族館のイルカのショーで出番がありました。

でまあ、イルカのショーなので、拡大してピント合わせも出来ず、背面液晶&カンで撮影してみました。
まあ、遠景は得意じゃないレンズ(個体差?)なのでこんなもんですが、意外となんとかなるもんです。
MFレンズも、もう少し使ってあげないとなー。

Olympusの上層部はなにも考えてないとしか思えない。。。

2010-09-21 15:01:47 | お知らせ

E-P1 + Lumix G 20mm/F1.7

Photokinaのプレスカンファレンスで、オリンパスのマーケティングディレクターが、フォーサイズレンズの
開発を終了する旨の発言をしたみたいです。
それを受けてネット上では散々な状況になっていますが、それは差し置いてビジネスとして考えても呆れ果て
る話です。

そもそも、システムの開発終了なんて言う話は非常にデリケートな話ですから、まだ現役でラインナップして
いる間は口が裂けても言ってはならない話なんです、しかもE-5の発表直後だってのに。
それこそ『ソニーはベータマックスをやめません』くらいの発言をしないとだめです。
もちろん、そういう行動は不誠実だという人もいるかもしれませんが、不誠実どころか当たり前の話です。
少なくともE-5であと2年はビジネスやんなきゃいけないんだから。
上層部が撤退発言をするのは、在庫がはけて事実上保守のみになって、世間一般でも撤退やむなし/事実上撤退、
くらいの状況になってからじゃないと話になりません。
誠実か不誠実かは、その上で古くからのユーザーにきちんとした受け皿を作れるか否かです。

もちろん、何となく上層部発言の背景は推察できます。
だいたいメーカーの戦略は2~5年先を見据えてラインアップを考えていますから、上層部の頭の中には2012
~ 2015年の状況があります。
要は、ミラーレス機が市場を席巻している状況、そして韓国(サムソン)や台湾のミラーレス機が台頭してい
る状況。
キヤノンもニコンも強力なミラーレス機を出しているでしょうし、機械的な部分が少ないため、価格競争も一
眼レフが比較にならないほど起きているかもしれません。
多分2012年以降はそういう状況になっていると思います、それは否定しません。
だから今の段階でミラーレス機に集中して、キヤノン/ニコン、そしてサムソンがユーザーの囲い込む前に手を
打たなければならない、というのもわかります。
ただ、それはあくまで『将来の戦略』の話です、外に話す話ではありません。
そして、将来の戦略のために『今のビジネス』をつぶすのは本末転倒です、だって会社は『今のビジネス』で
食べてんだから。
まして、うっかり『将来の戦略』をしゃべったばっかしに、『今のビジネス』をつぶして、そのせいで『将来
のビジネス』までつぶれたんじゃ本末転倒もはなはだしいです。
そんなことはオリンパスの上層部は考えないんでしょうか?
考えてないんだとしたら末端でがんばってる社員はかわいそうです、もちろんユーザーも不幸です。
アップルだったら、くだんのマーケティングディレクターはジョブスの逆鱗にふれて、即クビなんじゃかかろ
うかと思います。

そもそもオリンパスのフォーサーズシステムは、Standard/High Grade/Super High Gradeの3つのフルライ
ンナップを持つ、かなり贅沢なシステムです。
レンズ一本一本を見てもハイレベルなレンズがそろっています。
一方、マイクロフォーサーズは今年末にようやくStandardレンズが出そろう程度で、マクロレンズすらないシ
ステムです。
なんでオリンパスはフォーサーズシステムをもっと有効利用しないかなー?
だいたい、ハイスピードイメージャーAF対応のレンズであれば、フォーサーズレンズだって問題なくマイクロ
フォーサーズで使えるんだからなおさらです。
マイクロフォーサーズが出そろうまでは、しれっと『ハイスピードイメージャーAF対応のフォーサーズレンズ
なら、フォーサーズ、マイクロフォーサーズの両方使えてお得!』、『明るいズームレンズは、フォーサーズ
でも使えるZuiko Digitalで!』くらいのマーケティングをやっときゃいいんです。
少なくとも、2009 ~ 2011年に35 mm/F3.5と50 mm/F2.0、あと11-22 mm/F2.8-3.5と、可能なら
50-200 mm/F2.8-3.5をハイスピードイメージャーAFに対応させたバージョンアップを出せば出来た話です。
そうすれば、2015年前後にマイクロフォーサーズに収束しても、5年前のユーザーは問題なく使い続けられる
し、Super High Gradeシリーズをフルに使えるミラーレスのAFシステム開発の時間稼ぎも出来たでしょう。
資産は有効に使うから資産なんです、じゃないと不良債権に成り果てます。

ボディーだってそうです。
E-620で手ぶれ補正、多点AF、秒4コマ連写、ハイスピードイメージャーAFというメカニカルな部分の必要用
件はクリアしました。
はっきり言って、一般ユーザーにはE-620の性能があれば、大抵の写真は写せます。
なので、わざわざ開発中止を明言しなくても、あとはPENの技術を流用してHDムービーや新作のアートフィル
ターでお茶を濁すアップデートを3回やれば2015年まで逃げ切れたはずです。
それでE-5とE-620を順々にマイナーアップデートすれば、何となく続いている感じが出ます。
2013年に『E-System10周年モデル』とかいって最後に打ち上げ花火でE-7(中身はE-5のアップデート版)
でも発表すれば、スムーズにマイクロフォーサーズに移行できたはずです。
なのに、なんでE-5が出た今のタイミングで先の発言が出るかなー?

繰り返しますが、2015年の主流は各社ミラーレス機になっていると思います。
そのために、どうやって今のユーザーを引き止めつつ、ソフトランディングするかが重要なはずです。
パナソニックは泥沼にはまる前にフォーサーズから撤退しました(これだってまだ直接明言はしていません、
それが普通です)。
サムソンも同様です。
ソニーは半反射ミラーを使ったAマウント機でOVF→EVFの移行を先に行い時間を稼いでいます。
ニコンは基軸を変える構えのようです。
キヤノンは今のところ静観の様子です。
(そもそもキヤノンはレッドオーシャン戦略なので、主流になることがはっきりしてから参入するはずです)
そんな中、なぜオリンパスはおわなくてもいい傷を負ってハードランディングしようとするかな?

ビジネスが続けられなくなれば、製品が出せなくなりますので、それはユーザーにとっても不幸な話です。
フォーサーズユーザーの中には、フォーサーズシステムの理想に共感した人間がたくさんいます。
実際、E-Systemはよく考えられたシステムだと思います。
だからこそ、無理にフォーサーズを続けるのではなく、気持ちよくユーザーがマイクロフォーサーズに移行でき
るように『仕向ける』のがオリンパスのビジネスではないでしょうか?
市場は感情によって動かされますし、先が知れてるシステムは見向きもされません。
オリンパスが本気でミラーレス市場でビジネスをするつもりであれば、そのことをきちんと考えないと同じ轍を
踏むだけになってしまいます。

単純な話、オリンパスががんばってもらわないと、E-Systemが尻すぼみになり、そうなるとユーザーの僕が困
ります(笑)だからこそ、「オリンパスの上層部、しっかりせーよ!」

ライカを意識しすぎている気もするが。。。

2010-09-20 17:59:36 | Lumix G 20mm/F1.7

E-P1 + Lumix G 20mm/F1.7

富士フイルムからFinePix X100が発表されましたねー。
OVF/EVF切り替え式のファインダーに、OVFへのオーバーレイ表示などの、ファインダー重視のインターフェイス。
レンズの絞りダイヤルや、シャッター速度/ISOなどの各種ダイヤル操作、そしてクラシカル(すぎる)ボディー。
何よりも、Summicronを意識したとしか思えない、135換算35mm/F2.0というレンズ(構成は8枚玉Summicronとは
異なる)を見れば、M型ライカを意識したことは明らかです。
ターゲットがちょっとピンポイントすぎる気がしますが、個人的には非常に欲しいです。

ちなみに、個人的に注目しているのが最短撮影距離。
10 cmというのはレンズ前だとは思いますが、23 mm/F2.0というレンズでは異例のスペックです、しかもあの薄さで。
というのも、撮影素子が大きければ同一画角では焦点距離が長くなりますので、最短撮影距離は不利になります。
実際の例では、APS-C(実際は少し小さいけど)サイズの素子を積んだ16.6 mm/F4のSIGMA DP1は30 cm、同じく
24.2 mm/F2.8のSIGMA DP2は28 cmと、最短撮影距離は大型センサー機の泣き所でした。
それに加え、明るいレンズは歪曲や画面の均一性、諸収差の影響で寄れるレンズを作りづらいはずです。
それをひっくるめて23 mm/F2.0で最短撮影距離が10 cmで出してきているわけですから、スタイルでごまかしたカメラ
出ないことがはっきりとわかります。

ただ一つ疑問なのは、レンズ銅鏡周りを見るとあまり沈胴しそうにないですが、どうやってあのスペースに8枚もレンズ
を入れたの?そして10 cmまで近づいたときのヘリコイドは??まさかインナーフォーカス???
謎はつきませんが、楽しみなカメラです。

E-5の発表に思う。。。

2010-09-18 17:49:19 | Lumix G 20mm/F1.7

E-P1 + Lumix G 20mm/F1.7

世間的には9/14は民主党の代表選挙の日でしたが、局地的な人の間ではOlympusのフラッグシップ機であるE-5に
注目の日でした。。。が、仕事で九州に行っていた関係で完全に乗り遅れ(涙)
まあ、事前の噂で代替のスペックはわかっていましたので特に驚きもないですが、出てみるとまた印象が違いますね。
マイナーチェンと見るか、堅実なアップデートと見るかの差ですかね。

とはいえ、悲観的な見方が多いのは事実ですが、なぜこうなってしまったか。
一言でいうならユーザーの期待/感覚とメーカーの希望/感覚にずれがあったからです。
ポイントは一概にOlympusが間違っていた、という訳ではなく、認識のずれという点です。

まず、Eシステムというかフォーサーズの理念から。
フォーサーズはあくまでも『35mmフィルムシステム』の置き換えを目指す、『小型軽量』に重点を置いた規格です。
でまあ、この『小型軽量』というのはあくまでも『35mmフィルムシステム』が『小型軽量』であるという前提があります。
そして、『小型軽量』というのは主に『レンズ』の方をさしています。
ただ、ユーザーはそうはとらずに、PEN FやAuto110のような35mmフィルムシステム比で『超小型ボディー』の一眼レフ
が出ると思っていました。
ここがまず商品企画としてずれています。
その上、Olympusはあくまで135サイズを本命と思っていたみたいですが、結局撮影素子が小さいAPS-Cが主流になってし
まった結果、差が見え辛くなっている現状もあります。

そして、次の前提が35mmフィルムシステムのレンズはデジタルでは性能が十分でない、という前提です。
これについては、Olympusは『テレセントリック性』という言葉で表現していますが、要はCCDは図で見るような単純な
平坦面ではないので、斜めな光が入ると損失がおこるという技術的な問題に立脚しています。
でまあ、実際Leica M9とかNEXにビオロゴンをつけたサンプルとか、極端な例を見るとあながち嘘ではないですが、レトロ
フォーカスタイプのズームレンズじゃそんなに差が見えないのが現状です。
しかも、この辺の話はユーザーにとって非常にわかりづらい(説明しづらい)問題でもあります。
この辺を差別化要因として持ってきたあたりも、認識のズレが起きた原因です。
もっとも、最近はニコンもキヤノンも135サイズ用の上級レンズは巨大化していますので、ある意味嘘じゃないんですよね、
あくまで立ち回りがうまいかへたかの差です。

でまあ、最後にOlympusが目指した姿がユーザーとずれていたのが、ラインナップと画質の関係です。
というのも、Olympusは初級機から上級機までセンサーを同一化して、防塵防滴やファインダーといったボディー性能で
ラインナップを作ろうとした節があります。
これは、センサーを作れないメーカーだからというのもありますが、フィルム時代は普及期でも上級機でもフィルムは同じ
という思想に立脚しています。
ただ、ユーザーから見れば『性能=画質』ですから、かなりの齟齬があります。
しかも、キヤノンは普及期=APS-C、上級機=APS-H/135サイズというラインナップをくんでいましたし、ニコンもぎり
ぎりまで600万画素のAPS-Cを使用するという手で差を作っていましたので、なおさらです。
何より『高い=画質がいい』というのは、あまりにわかりやすい理屈ですからね。
とはいえ、この辺も最近のキヤノンのラインナップ(EOS Kiss/D60/7D)を見てると、センサーの性能向上が止まってき
たせいで、結果的にOlympusが目指した姿になりつつあるなー、と思ってしまいます。

でまあ、要は思想とかは『技術的には』そんなに間違っていなかった感じがします、説明の下手さ、マーケティングの稚拙
さが足を引っ張ってきた感じが拭いきれません。
さて、次の主戦場は間違いなくミラーレスです。
多分あと5年でミラーレスが市場を席巻するでしょうし、10年後には一眼レフは今のLEICA的なポジションになっている
可能性がありますが、どう立ち回れるか。
フォーサーズ普及機を捨てて背水の陣にたったんですから、正直Olympusとしては正念場ですね。

# とはいえ、E-620のAFを使ったE-460は出してほしかったなー。噂も結構出てたし、企画自体はあったのかもと勘ぐって
います。